独り立ちした助左は、日比屋で木綿を仕入れ、都に向かう。梢から、モニカが五右衛門に連れ去られたらしいと聞いて、伴天連のフロイスを訪ねるが、モニカはそこで病の床に伏せっていた。ところが、助左の木綿はまったく売れず、ライバルが千宗易から安く仕入れたことを知り、宗易に直談判に向かう。そこで「商売をする者は常に工夫を忘れては駄目だ」と諭された助左は、善住坊が木綿を火縄にしていたことを思い出すのだった。
タイトルは助左ですが、影の主役は千宗易です。たまに登場の鶴田浩二が画面を重苦しくなく引き締めております。モニカの出奔が五右衛門のためであり、日比屋、天応屋、今井のあいだで仲を悪くしかねないところを、今は信長に茶道を教える宗易が、まず天応屋の津田から茶壺をもらい、信長に津田の助命を嘆願したり、返す刀で津田にモニカのことを先に水に流してくれと言ったり。さらに助左にまでアドバイスをするなど、することなすことぬかりがありません。今井宗久がすっかり往年の迫力を失った、と先日の銀騒動で助左や五右衛門に評されていたのとはえらい違いです。宗久が信長に依存しちゃってるのに対し、あくまで茶道のみの関わりで、独立独歩をゆく感じなのでしょうか、宗易。しかも、この当時、明や朝鮮からの輸入頼りだった木綿を、日本でも作れるようにと挑戦を初めてしまうあたり、今井なんぞ足下にも及びません。ちゅうか、この才覚でいかれたら、宗久亡き後の今井なんて屁みたいなもので、兼久なんか潰されるんとちゃうか〜と思うほどの才覚です。すごいです。
しかも、直談判に現れた助左に対し、何も言わずに持ち込んだ木綿を買おうとは太っ腹です。大人物です。でも、千宗易って後に利休になって、秀吉に切腹させられちゃうんだよね…秀吉の出世すればするほど小物感が漂うのはなんででしょう? 権力を得るほど、それを失いたくないのが世の常でしょうか? 結局は、そういう一般人だってことなのかもしれません。
ただ、羽柴秀吉と名を改めた木下籐吉郎ですが、浅井領を任されて大名になり、今浜の地に城を造りたいと信長に申し出ます。そこを長浜(「殿の名から一字をちょうだいして」と言うあたり、目端がききます)と改名して、堺のような商人で賑わう町にしたい、と言うあたりは、なかなか先を見据えた人物なんですけどねぇ。まったく先にゆくほど小物感が漂うよ、秀吉。
で、モニカを連れて逃げ出したはいいですが、五右衛門、フロイスに追い出されてしまったそうです。でも、難民だかに襲われた助左を助けに颯爽と現れたところは、だんだん神出鬼没っぷりが際立ってきてます。しかも、モニカのことを助左に言われても、「俺たちのことは放っておいてくれ」なんて言っちゃって。どーすんだ、五右衛門?
古今東西、時代劇では咳き込んだら、十中八九、労咳と相場が決まっております(決めつけ)。高熱を出し、咳き込んだモニカも間違いなく労咳でしょう。しかもこりゃ、先は短いと見た。しかし、いいとこのお嬢様で、何不自由なく暮らしてきたはずなのに、いきなり労咳なんかかかるのかな〜? この時代の衛生観念は現代よりずっと劣るので、誰でもかかるものかもしれないですね。教会に来た労咳患者を看取って、感染したかもしれんしな。それにしては唐突な気もしますが。
で、助左、善住坊と別れる時に、木綿の火縄をもらっていたはずなんですが、あれはどうしたんでしょう? 今井可愛さで、宗久辺りに譲ってそうです。お人好しにも程があるっちゅうか。何も考えてないっていうか。
でも、駄目駄目になった木綿の使い道を思いついたってんで、一度は宗易に売った木綿を持って帰る助左でした。
しかし、ラストのナレーション、「近代という時代が走り出す」のはいいんだけど、「若者がそれをおっていく」では駄目だろう、助左! ただ、彼が時代を引っ張っていくのはこれからかもしれませんね。
ところで、DVDのケースの裏に、収録話の粗筋が書いてあるんですが、いきなり「第21話 善住坊処刑」って…
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退場早すぎ〜!!!
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