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山本周五郎著。新潮文庫刊。

椿三十郎」の原案(原作ではない)「日日平安」のほか10作を収めた短編集です。収録作は「城中の霜」「水戸梅譜」「嘘ァつかねえ」「しじみ河岸」「ほたる放生」「末っ子」「橋の下」「屏風はたたまれた」「若き日の摂津守」「失蝶記」で、うち「城中の霜」「水戸梅譜」「日日平安」「しじみ河岸」「末っ子」「橋の下」「屏風はたたまれた」「若き日の摂津守」「失蝶記」が武家物、「嘘ァつかねえ」が下町物、「ほたる放生」が岡場所物と、馴染みのジャンルですね。「日日平安」と「末っ子」は滑稽物、「屏風はたたまれた」は不思議物でもあります。
そう言えば、2017年は没後50年なんですが、著作権切れたんでしょうか?

「ほたる放生」の、たちの悪い男にまとわりつかれてしまい、流れ流れて、とうとう潮来にまで行くことになった遊女の話がしみじみとした風情で良かったです。ただ、最後は、そんなヒロインに思いを寄せる男が情夫を殺すというアンハッピーエンドなんですが。

武家物は全般シリアス物で、武士は辛いよが多かったです。特に「水戸梅譜」と「若き日の摂津守」は為政者の苦労という感じで、「水戸梅譜」は珍しく水戸光圀が描かれたりしてます。

「嘘ァつかねえ」は下町物ですが、恐妻家の男の話というのがちょっと珍しいかも。

好きな作は「樅ノ木は残った」と「さぶ」と長編が多い周五郎さんですが、短編の隙のなさは相変わらずの完成度ですね。

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監督:キム=ジウン
出演:イ=ジョンチュル(ソン=ガンホ)、キム=ウジン(コン=ユ)、ヒガシ警務局部長(鶴見辰吾)、ヨン=ゲスン(ハン=ジミン)、ハシモト警部補(オム=テグ)、ルドゥビク(フォスター=バーデン)、チョン=チェサン(イ=ビョンホン)、キム=ジャンオク(パク=ヒスン)、ほか
見たところ:横浜ムービル

韓国語版、英語版と都合3回目、3つのバージョンで見た「密偵(韓国語版と英語版のレビュー)」です。英語版でもかなり補足できたと思ってたんですが、なにしろラストまで見られなかったもんで最後までちゃんと確認できて良かったです。相変わらずソン=ガンホ氏が良かったですが、先日見た「新感染」での演技と違うコン=ユ氏も良かったですね。内に秘めた熱意と若さと愛情がにじみ出てました。

ラスト、ジョンチュルが協力者はいたものの、ほとんど一人でヒガシほかを爆死させるのはできすぎだと思いましたが、クライマックスとしてはほぼ満点な出来で、こういう緊迫したシーンでバックにクラシックが流れるのはもはや定番な感じです。
しかも、ジョンチュルの役目はそこで終わりではなく、さらに二重スパイと疑われた(冒頭のジャンオクの死で)ドンソンに爆弾を渡して、ドンソンが朝鮮総督府に向かうというシーンは不謹慎ながらわくわくしましたし、ジャンオクが仏像を売ろうとした商人と会い、射殺するシーンに至りましては「JSA」のオ=ギョンピルばりの断固とした決意さえうかがえてかっちょよかったです。
また「嫁がいるのに反日」と心配してましたが、子どもがいたことも判明し(嫁が赤ん坊をあやしていたシーンあり)、ますますジョンチュルの行く末が案じられてしまいました。表面上は親日で、しかも義烈団を裏切った卑劣な警察官というのがジョンチュルの立場なので、そこは「太白山脈」で生き残った金範佑(キム=ボム)みたいに辛いだろうからさ…

ただソン=ガンホ氏、最近はこういう眉間に皺寄せてる役が多いので「大統領の理髪師」とか「反則王」みたいな等身大の役もやってくれたら嬉しいですね。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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アルド=カルピ著。川本英明訳。創元社刊。

副題が「ホロコーストから生還した画家の記録」とあるように著者のカルピ氏は画家です。そのため、途中に58点ほどの絵やスケッチが挿入されている(あと1点は一家の写真と、カルピ氏の復帰を願う署名)のが特徴的ですが、何より貴重なのは、この記録がリアルに書かれたものだったという点でしょう。わしも「夜と霧」を始めとして、ホロコーストの生還者の記録はいろいろと読みましたが、どれも帰ってきてから書かれたもので、収容所内で書かれた記録ではないのです。もちろんナチスが許したはずはありません。
見つかれば命を落とす、そういうところで書かれたというのが貴重なのですが、それもこれもカルピ氏がイタリア人の政治犯で、画家としてほかの収容者に比べて特権的な地位を得られたという幸運があるからにほかなりません。つまり、ユダヤ人の収容者にはそんな機会さえ与えられなかったというのは他のホロコーストものに比べて区別されていいと思いました。捕まった時にすでに50代だったカルピ氏がユダヤ人だったならば、たとえ画家としての才能を見せたところで生き延びる確率はかなり低かったであろうと思われるからです。

あと、全編を貫くのが神への信仰を語る敬虔な信者としての姿であり、繰り返し繰り返し語られるのは少々くどかったです。まぁ、しょうがない。

ちなみにグーゼンはマウトハウゼン強制収容所の付属収容所でオーストリアにありました。

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カレル=チャペック著。千野栄一訳。岩波文庫刊。

「ロボット」という言葉を世に出したチャペックさんのSFの古典的戯曲です。

原題は「R.U.R.」といいまして、「ロッスムのユニバーサル・ロボット」の略です。

ロッスム社が造り出したロボットが世界中の労働を代替わりするようになり、ロボットたちが反乱を起こして人間たちをただ一人を残して滅ぼすも、今度はロボットの設計図も失われていたためにロボットたちが危機に陥り、最後は感情がないと思われていたロボット同士の恋愛が芽生えていたことで未来に希望を繋いで終わってます。
いやいや、全ての「ロボット(というか人間以外)の反乱」のような話って全部、これの焼き直しなんだなと思いました(暴言)。この時点で再製作が宣伝されてる「ブレードランナー」とかも含めて、全部、基本的なスタイルはこの話に詰まっているのだなぁと思います。
そういう意味では先日読んだ、同じチャペックさんの「山椒魚戦争」も同じテーマなんだと。ただ、あちらではあんまり未来に希望は感じられない終わり方だったのがより進んでいると言いますか。

作中、挿絵ならぬ写真が挿入されてますが、プラハ国民劇場での初演時に、それぞれの役を演じた俳優さんたちだそうです。

今の時代にもなお色あせない傑作です。

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横山光輝著。講談社漫画文庫刊。全2巻。

横山先生のスペオペです。主人公が少年ぽい風貌の一色健二ですが、内容はわりとハードでヒロインが出てこないところもいつもの横山漫画です。
全部で5話からなっており、「疫病神ジャック」「ガニメド」「マロー星探検隊」「反乱」「宇宙からの帰還者」というのがそれぞれのサブタイトル。

「疫病神ジャック」というのは健二くんがパイロットになるための最終試験を突破するまでとタイトルロールのパイロット、ジャック=ローレイ大尉とともに木星に向かい、ジャックを失うまでの成長を描きます。
「ガニメド」は宇宙船が行方不明になった原因を探るため、一癖も二癖もある部下たちを率いることになった健二くんの奮闘記です。最後は四人も部下を失いますが、役目を果たした健二くん。一人だけ生き残った部下の那須野大作さんは、後の話でも部下として再登場。
「マロー星探検隊」は地球に楕円軌道で接近するマロー星の衛星マグマに向かう話で、現状の宇宙船ではマグマまでの片道分しか燃料を乗せられないけれど、マグマに5年前に大量に打ち込んだ燃料のおかげで、そこを足がかりにさらに宇宙を探検できるというスケールの大きな展開が横山先生ならでは。ま、実際にこんなことをしたら、燃料のせいで着陸した時に爆発するんじゃないかとか余計な心配もつきものですが、そこはスペオペの気楽さです。あと、一応、「半分くらいが着けば」ってフォローもあります。そこに部下の一人が死刑囚の弟と入れ替わっていたというサスペンスが加わるあたりも横山先生のサービス精神の旺盛さを伺わせます。
「反乱」はサイボーグの反乱を調査することになった健二くん。ここで部下の那須野さんが再登場します。ところが実情はさらに複雑で、サイボーグ同士の権力争いであることが判明、さらに一緒に行った部下の3人がサイボーグの延命に身体を奪われるなど巻き込まれてしまいます。結局、反乱を解決することはできず、健二くんは那須野さん、イケメンで銃の名手・五十嵐くんという部下2人と脱出、サイボーグたちの住むハイモス星は滅んだことがエンディングで語られるというドライな展開。この話に登場する看護婦さんが唯一の女性キャラとはどんだけ硬派なの横山先生。
「宇宙からの帰還者」は宇宙から帰還したロケットが積んできた生物から伝染病が発生、その薬となる原料を取りに行く健二くんと新米パイロットの面々。しかもそこに目的地の星に大量の水爆が向かっているという時間制限も加わるスリリングなシチュエーションと、恐竜っぽい生物が多数いる惑星探検がメインなあたり、盛りだくさんな展開です。

肩の凝らない、それでいて硬派なスペオペが楽しめる横山先生ならではの作品でした。

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