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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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第12回 ブラック博士の憂鬱

家弓家正さん登場です。一回限りの出番ですが、家弓さんらしい存在感で、この話もまた、この物語全体を流れる戦争が遺したものについて、その癒しがたい傷痕を露わにします。

前回までの「超人間ケリー編」で負わされたダメージを敷島重工で直してもらっていた鉄人からスタート。その修理光景を敷島博士と一緒に眺める正太郎。明日にはできるということで、正太郎は雨の中、珍しく車ではなく徒歩で帰宅かと思ったら、歩いただけみたいで車で帰宅です。ということは金田邸は敷島重工からけっこう離れたところにあるのか。

その帰り道、道ばたに止まっていた車で前に伏せた運転手を見つけ、様子を見に行きます。
運転手は若い男でひどい熱がありました。正太郎が話しかけると男は気づき、「赤死館、ブラック博士」とだけ言って、また気絶してしまいました。

ここでタイトル。

正太郎は近くの病院に男を運んだようですが、どうやって車2台も持っていったんだ? 歩いて車まで戻った? 最初に車を見つけたところは郊外っぽく見えましたが、それほど田舎ではないか、正太郎んちは。

そこに駆けつける大塚署長。夜間だというのに働き者ですネ。
男はまだ治療中の上、所持品に身元のわかるような物がありません。

その春霧病院に乗りつける一台の黒い車。「ここだ」と言った声で家弓さん登場 ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

一方、正太郎たちは担当医から男が正体不明の熱病にかかっていることを知らされます。医者は症状がひどく、知られていない病気だと言います。
大塚署長が助かるのかと質問すると、「とにかく手のつけようがない」とつれない返事です。
ところが、医者は彼が別の病院で治療を受けていると言います。それなのに、なぜこんなところに?

その頃、さっきの黒い車に乗っていたと思われる2人組が病院内に潜入していました。彼らは看護婦の目を盗んで患者を移動させるための台を運び出します。
そして、若い男の病室へ侵入します。

その間に病室へ向かう正太郎と大塚署長。正太郎は大塚署長に若い男が口走ったブラック博士という名前について話します。大塚署長には警察という強大な後ろ盾がありますから、その情報網は大したものなのです。そして赤死館という名も話す正太郎。しかし、大塚署長もとっさに心当たりはないようです。
もしかして、帰るところ?

若い男の病室へ向かう看護婦。しかし不自然な扉の開き方に彼女が中をのぞくと、男は2人組に台車に乗せられているところでした。
誰何した途端に飛び出す男たち。看護婦は悲鳴をあげます。

もちろん、それを聞き逃す正太郎と大塚署長ではありません。振り返ると階段をむりくり下りてきた2人組が廊下の反対側に逃げていくところで、それを看護婦が追ってきます。
患者、つまり連れてきた若い男がさらわれたことを知り、後を追いかける正太郎。その後を追、わないで署に連絡するという大塚署長。いいのか、正太郎に任せきりで。
2人組は救急車に乗って逃げ出します。
大塚署長は署に連絡し、春霧病院に応援を頼むとともに非常線を張るよう命令。署長の権力ぱねぇ…
そこに正太郎が追いかけてきて、パトカーで救急車を追いかける2人。
しかし、それを影から見ていた例の黒い車の男、つまり家弓さんは笑い声をあげます。
車の後部座席には簀巻きにされた人物がもがいていますが、これはさっきの患者では? では正太郎たちの追った救急車は空っぽ?

そうとは知らない正太郎たちは救急車を追い、応援のパトカーも追跡に加わります。

一方、救急車で逃亡する2人組、警察が予想以上に速く動いたことに戸惑っています。
しかも、前方を横切るトラックに救急車は川に飛び込んでしまいます。
この事故で運転していた鉄五郎という丸顔の男は死亡、もう一人、ちょっと年配の方が怪我をしましたが生き延び、逃げ出します。

大塚署長が言うには相方は橘銀治といい、金で何でもやるという雇われチンピラです。
しかし、救急車は囮だったことがわかり、正太郎はちょっとがっかりです。
2人は高見沢さんが調べた情報をもとに、とある村の赤死館という診療所に向かっていました。だから、それは診療所につける名前ではないというのに…
その村に着いた2人。赤死館というのは、古びた洋館でした。大塚署長、「似合っとるわい」じゃないよ、その名前…
表には「診療中」の看板が。

そこを訪ねた正太郎たちは「赤死館はここか?」と訊ねますと、待っていた患者らしい老人たちが「そうだ」と頷いた上、ブラック博士のとまで教えてくれます。
驚く正太郎にブラック博士が本名かは知らないが、そう呼んでいると答える老人。彼が村に来てから、もう2年になるそうです。
「医者もいない辺鄙な村にひょっこりとやってきて、親身になって治療してくれる」と、神様扱いです。
その言葉を証明するかのように診療室から出てきた男とのやりとりで、ブラック博士が「金なら要らんよ」と言っているのが聞こえてきました。
診療の順番に割り込む大塚署長。
カーテンを開けたのは異様な被り物をつけた人物でした。驚く正太郎と大塚署長。
ブラック博士は「戦争中、顔にひどい傷を受けた」と言って、覆面の理由を語ります。
しかし、大塚署長が戦争に軍医として行ったのかと訊くと、急に不機嫌な口調になってしまいました。
しかし正太郎は負けじと写真を見せ、知らないかと訊ねます。いつの間に撮ったのか、例の若い男の写真です。
ブラック博士は知ってると言い、「佐良」だと名前も明かします。まぁ、この人がさらったことはバレバレなんですが。そして、1週間前に彼を診察し、「風邪をこじらせた」と言うブラック博士に、大塚署長はさも疑わしそうな声をあげます。いい人なんだけど、化かし合いにはとことん向いてないですネ。
ブラック博士も気分を害したらしく、診察を理由にカーテンを閉めてしまいます。
まぁ、疑わしいのは見え見えですんで、正太郎も大塚署長もブラック博士への疑惑を濃くした感じですが。

早速、佐良青年の家へ行くと、1週間分の新聞がたまっており、近所の人から佐良青年の身元を聞くこともできました。
佐良青年は昨年、両親を亡くしたばかりだそうです。
しかも村は2年前から流行病に呪われていると言います。その病気とは高熱が出て、さんざん苦しんで死ぬという聞いているだけで悲惨な病気でした。実在の病気がモデルになってるのかいな。
ブラック博士もこれにはお手上げで村の人間が病に倒れていくのを見ているしかないようです。
しかし、それを聞いた正太郎と大塚署長は、赤死館、ブラック博士、それに熱病という今回の事件にかかわるキーワードが全てこの村に揃っていることに逆に確信を強めたようです。さらにブラック博士の登場と村の流行病が一致することも指摘する正太郎。
それで、正太郎が村に残って赤死館とブラック博士について引き続き調べ、大塚署長は銀治の行方を追うことになりました。というか、核心がここにあるのは間違いないんだから、いまさら銀治なんて追ったって些末事だろうに… あ! 正太郎は生身で来ちゃったんで、鉄人がいないのは困るから大塚署長を帰したのか。

やがて休診の札が下がった赤死館。その館の一室で顕微鏡をのぞくブラック博士。その傍らで眠っているのは佐良青年です。
「この実験体も駄目か!」と呟くブラック博士。佐良青年を実験体呼ばわりとは尋常ではないですネ。
そうとは知らずにブラック博士を「先生」と呼んで、助けを求める佐良青年。
その声を聞くうちに、ブラック博士はいつか戦地の病院に思いを馳せていました。大塚署長が指摘したとおり、ブラック博士は軍医としてジャングルに行っていたのです。
ところがそこにも佐良青年と同じように助けを求める傷病兵であふれていました。
ブラック博士は彼らに「みんな、助かるんだ。みんなで日本に帰ろう」と言っていましたが、こういう場合って、たいてい、一人を除いて全滅するんだよな… ブラック博士も自分の腕に注射をするのがやっとみたいで、一人ひとりの治療などどれだけできていたのかも怪しいものです。

その結末がどうしたのかは明かさないまま、正太郎に戻ります。
木をつたって、2階の部屋から赤死館への侵入を試みる正太郎。そこは見るからに子ども部屋っぽく、小さい子用のおもちゃが所狭しとあふれていました。
そのベッドに誰かが寝ているのに気づき、近づく正太郎。しかし彼は、そこにいた者を見て、息を呑みます。
その時、部屋に近づく足音を聞きつけ、正太郎は隠れました。やってきたのは、もちろんブラック博士です。
ブラック博士はベッドの人影に暗いことを謝り、蝋燭に火をつけます。「寂しいだろうけど、薬ができるまでの辛抱だよ」と話しかけるブラック博士を見て、ますます冷や汗を流す正太郎。
その時、開けっ放しの窓から風が吹き込み、ブラック博士は侵入者があったことに気づきます。
正太郎は洋服ダンスに隠れていたところをあっさり見つかってしまいました。

一方、東京に戻った大塚署長は敷島博士と会っていました。そう言えば、初っぱなで鉄人の修理が終わるとか何とか言ってましたな。それで操縦器を届けに来たのでした。

そこに電話の鳴る音とともに、警官隊に包囲される銀治。どこかのトンネルの手前で捕まってしまう銀治。

電話は、そのことを大塚署長に報せるものだったのです。

早速、大塚署長じきじきの取り調べが始まります。
ブラック博士の目的、何のために佐良青年をさらったのか問いただしますが、金で雇われただけだという銀治。うんうん、2人の素性がばれた時にそんなこと言ってたよね〜 つまり、銀治も鉄五郎もブラック博士のことなんか何も知らないし、ましてや佐良青年のことなんか知るはずがありません。大塚署長、とんだ無駄足。
しかし、銀治は赤死館という診療所でブラック博士が怪しげな実験をやっていると口にしますが、それも証拠があって言ったものとも思えません。まぁ、実際にやってるんだけどさ…

一方、見つかった正太郎は地下へ連行されます。大作と違って、わりと何でもできちゃう少年探偵ですが、全26話と話が長いせいか、けっこう捕まったり怪我したり多い気がする。
そこに寝ている、というよりベッドに拘束されている佐良青年。
そこで正太郎は事件の黒幕がブラック博士であることを察しますが、次の瞬間には頭を殴られ、気絶させられてしまいます。

正太郎が気がつくと、縛り上げられていましたが、それ以外は特に変化はなしです。
「おまえが逃げなければ、わたしの実験はあと一歩で完成していたのだ。おまえはもう助からん」と苦悩するブラック博士。
「実験も振り出しだ」と言うと、「こいつを使うしか!」と言ったこいつとは、正太郎のことでしょうか?
そこで正太郎は「実験が何か」と聞きます。2年前の熱病の流行とブラック博士の到来を問いただす正太郎。
するとブラック博士は、あっさりと村を実験場にしたことを認めます。はやッ! 辺鄙な村だったので外部との関わりが少なく、実験には好都合だったようです。
ブラック博士は検査と偽って、村人をわざと熱病に感染させていたと言います。そのことに気づいた佐良青年は、村から逃げ出したのでした。
正太郎はブラック博士を悪魔のような実験と責めますが、博士の脳裏に浮かぶのは、またしても戦場の病院の光景でした。
その時のことを語り出すブラック博士。食料も不足した南方というと、餓島と言われたガダルカナルか? まぁ、架空の戦場でしょうけど、モデルとしてはありかも。
食料も医療も、もちろん銃弾さえ不足していた日本軍。
そこに追い打ちをかけたのが博士の言う「悪魔」、熱病でありました。
部隊の兵が次々に倒れていくなか、ブラック博士は手を尽くしましたが(どうでもいいけど、この人、日本人なんだから、本名は黒なんとかさんとか言うのだろうな… それとも黒い覆面だからブラック博士と名乗ったのか…)、乏しい物資の下で、できることは大してなかったでしょう。熱病はまるで悪魔のように博士の努力をあざ笑い、兵士たちの命を奪っていったのです。ブラック博士にできたのは、兵士たちを苦痛から解放=安楽死させてやることだけでした。
ブラック博士を遺して、部隊は全滅してしまいました。
そこで試験管をぶっ壊してしまうブラック博士。
凄まじい戦争の記憶に触れて、さすがの正太郎も言葉がありません。
しかし、ブラック博士を襲った悪魔は、魔の手を執拗に伸ばしてきました。
10数年も経過して、今度はブラック博士が熱病に感染し、覆面で顔を隠さなければならないような症状を見せてしまったのです。覆面を取る博士に驚く正太郎。

東京で降っていた雨が、この村でも風とともにやってきました。
がたがた揺れる赤死館の2階の部屋の窓。

しかし、地下に下りちゃったもんで、大事なことを忘れているブラック博士は、さらなる事情を語ります。もうここら辺の展開てさ、次の第13話もそうなんですけど、全面的に矢島正明さん(「ジャイアントロボ The Animation〜地球が静止する日」の草間博士、「鉄人28号 白昼の残月」のナレーション」など、今川監督が大好きな声優さんのお一人だそうですv)の独白で話が進んじゃいまして、もう矢島正明劇場って感じで、わしも大好きな声優さんなんで、しみじみと切なかったですよ… で、この話も家弓家正さんの独白が多いもんで、家弓家正劇場だな〜と思いました、ということが言いたかったのでした。

さて、自分の症状が他の患者よりも遅かったというブラック博士。その分、顔に出てしまったのか? 佐良青年はそんな風には見えないが…
そして、熱病はブラック博士の息子にも感染したそうです。というか… そういう病気というのは空気感染が多いんだろうから、発病した時点で博士は伝染病棟に隔離されていなければならなかったのに、この病気のことを知っているのが日本ではブラック博士だけだったので、病身を押して研究を続けていたら、息子に感染させてしまったとか… それは、そもそもブラック博士の管理不行き届きなだけもしますが…

その間にもとうとう2階の窓が強風で煽られ、よりによって窓際に置いてあった蝋燭が床に落ちて火がつくという、本当に息子の心配しとんのかおらな事態に発生。博士… それは、いい歳こいた大人がやってはいかんよ…
ぬいぐるみだとカーテンだのシーツだのと、燃えやすい物が多い子ども部屋です。たちまち引火してしまいました!

その頃、ブラック博士の容疑を固めて、パトカーで村に向かう大塚署長たち。大塚署長は正太郎の無事を願いまして、その隣りに敷島博士です。

その間にも赤死館の2階から広がる火災。

それにも気づかず、話を続ける正太郎とブラック博士。
いよいよこの事件の核心に迫っているんですが、煙は1階の待合室まで下りてきてるんですが…
ブラック博士は、病気に抵抗するための抗体を作るため、大勢の患者に熱病を感染させていたと言います。
村人や佐良青年を熱病に感染させたことを正太郎が責めると、ブラック博士は「息子に何の罪がある?」と逆ギレです。確かに天然痘とか、わざと弱い菌を感染させて、抗体を作らせるというのは実験ではなく、治療としてやってきてますが、それで何人も殺していいという免罪符にはならんやろう、いくら何でも…
しかし、息子を救うためなら手段は選ばないと言いつのるブラック博士。「地獄に堕ちても本望だ」って、熱病にかからせられた人たちだって、地獄だったんじゃないのかな…
ところが、ブラック博士は数々の犠牲の上に、佐良青年に抗体の兆しを発見しました。しかし、彼が逃げ出したことで抗体は消滅(って、さっき言ってた)、望みは失われてしまったのです。
それでも正太郎が佐良青年を救うよう懇願すると、ブラック博士は「あの男はもう末期だ」と言って、見捨てるような物言いをします。
しかし正太郎は医者として最善の手を尽くすべきだと逆に説教。捕まえられているっていうのに強気だなぁ…
その時、佐良青年がうめき声をあげました。その姿に、ブラック博士が救えなかった同じ部隊の兵たちが重なります。これは… 憂鬱どころではなく、ひどいトラウマだろう…
ブラック博士は、そこで正太郎から手を放します。
「医者の心が残っているのなら、彼を救う義務がある」と、またまた説教に入る正太郎。
ブラック博士の脳裏にまたしても浮かぶのは、助けを求めたのに苦痛を取り除くことしかさせてやれなかった兵士たちの断末魔の姿です。それは辛い… あまりにも辛いよ、博士…

しかし、それにはまだ続きがありました。
そもそも安楽死を言い出したのは、兵士たちの方だったようです。苦しんで苦しんで死んでしまう病気に、せめて楽な死を遂げたい。自分たちはここで死んでしまうけれどブラック博士には生きて日本に帰ってもらいたい。それが、彼らの託した思いだったのでした。
けれどもブラック博士はそれでも熱病と闘いました。兵士たちを助け、ともに日本に帰るという目的を果たすために。
しかしブラック博士にはわかっていたのです。医者として、彼らを救う手立てもないことも。

結局、ブラック博士は佐良青年を治療しますが、正太郎の「助かったのか」という問いには「苦痛を引き延ばしただけで抗体がなければ、彼は助からない」と答えます。
ところが正太郎が「少し顔色が良くなった」と言いますと、驚いたブラック博士、顕微鏡をのぞきまして、驚いたことに赤くて細長い細菌が消えて、黒くて細長い菌だけになってました。諦めたはずの佐良青年に抗体ができていたのです。
正太郎は喜び、ブラック博士もこの奇跡に驚くばかりでしたが、時すでに遅く、とうとう煙が地下にまで下りてきてしまいました。
ブラック博士は急いで上に向かい、正太郎も縄抜けに懸命です。
しかし、坊やの部屋は火の海、ドアノブに触ることもできないほど熱くなっており、それでもブラック博士は扉を蹴破って中に飛び込みました。
それでも寝たきりで動かない子どもは、その力さえないほど重症なのか、あるいは…
正太郎も縄抜けして、2階へ上がりますが、倒れてきた木材に邪魔されて、子ども部屋には入れません。
正太郎が見たのは、子どもを抱いて嘆くブラック博士の姿。しかし、ようやく顔を明らかにした子どもはすでにミイラ化しており、とても生きているとは思えないものでした。
地下に戻った正太郎は佐良青年を逃がそうとしますが、ここも煙で満たされてきており、ブラック博士が使っていた薬品に火がつき始めてしまいました。

その時、天井を破るものがあり、巨大な鋼鉄の手がのぞきます。大塚署長と敷島博士が鉄人も連れて来てくれたのです。
ベッドごと佐良青年を助ける鉄人を操縦していたのは敷島博士でした。ベッドにしがみついて、一緒に脱出する正太郎。
操縦器を敷島博士から受け取って、正太郎はブラック博士も助けにかかります。
しかし、それを拒絶するブラック博士。博士はこのような事態に陥り、ようやく己の罪に気づいたのです。息子を助けるために大勢の村人を苦しませてしまったこと、息子の死を認められなかった自分の愚かさ。
佐良青年の抗体があれば助かると言って、ブラック博士は鉄人を見ます。その鋼鉄の姿はまるで博士を哀れんでいるかのようでした。
「でも気をつけろ、同じ穴のムジナということもあるぞ」と忠告を遺して、炎に呑み込まれるブラック博士親子。
まるでブラック博士の罪も呑み込むように、火は赤死館全体を燃やしていくのでした。

次も1話完結で「光る物体」。個人的にこれと「京都編」がいちばん好きや〜

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第11回 超人間・ケリーの最後

「超人間ケリー編」決着。自ら望んで超人間になったとはいえ、物悲しいラストです。

前回の粗筋がさらっと語られ、「悲しい終着点」を予告してタイトルです。

どこかの洞窟というか、鍾乳洞のような池があるところです。そこにいるのはケリーと敷島博士。
敷島博士が「見せてみたまえ」と言うと「触るな」と拒絶するケリー。しかし、その息は苦しそうで、ここまで来たのがやっとにも見えます。
またあくまでも冷静な敷島博士は、「わたしに見てもらいたくて連れてきたんじゃないのかね」と鋭い突っ込み。そうよね、そうでなかったら、無理して敷島博士をさらう必要なかったんだもんね…
答えぬケリーに「信用してもらえないなら、ここにいる必要もなかろう」と冷酷に背を向けちゃう敷島博士。
苦しい息の下から「待て」と言って、ケリーはギルバートのおなかのなかから工具を取り出します。ていうか、いつの間にギルバートまで… 鉄人に追わせなかったのか、と思ったら、ギルバートは鉄人よりも速いってドラグネット博士が自慢してましたね。
「頼む」とケリーに言われて、敷島博士は修理にとりかかったもようです。

一方、その頃の正太郎たちはパトカーでどこかへ向かうところです。
大塚署長が対策本部の集めた情報で「ギルバートは秩父山中にいるらしい」と言ってるので、そこに向かうのか? 徹夜で大変やのぅ…
でも「急ぎましょう。すぐ夜が明けますから!」とか言っちゃう正太郎。働き者ですネ。

敷島博士も夜を徹してケリーの修理というか治療に当たってます。
「少しは痛みが治まったかね」とか、相変わらずさらっと万能ぶりを発揮しちゃう敷島博士。
「なぜ俺を助ける気になった?」と問いただすケリー。超人間への興味本位か、敷島博士が葬ってきた失敗作への罪滅ぼしのつもりかと訊ねます。
同意する敷島博士。「生み出した者への責任を負わなければならない」とは、不乱拳博士も再三語ってきたことです。あるいは最後まで不乱拳博士と化け物さんを遭わせまいとした敷島博士でしたが、互いに殺し合うことにしかならなくても、遭わなければならなかったのだと後になって思うようになったのかもしれません。それがどんなに愛着を持った物だとしてもです。
そしてドラグネット博士もまた、失敗作とはいえ、自らが生み出した超人間たちに愛情を抱いていたはずだと敷島博士は言います。そう言って、暗にケリーがドラグネット博士を殺したことを咎めているのですが、ケリーの答えは意外なものでした。
「殺すつもりはなかった」と言うのです。「俺はただ生きたかった」と言うなり、のけぞるケリー。
その身体の中を見て驚く敷島博士。でも例によって「これは君の動力炉! でも君の身体は!」と言ったところでケリーに押し倒されてしまい、「でなければ、わたしは君を!」と言うなり暗転してしまいます。あら〜 後で見直すとああ、ってわかるんですが。

翌日、明るくなった秩父山中で捜索中の鉄人28号。
大塚署長は警官隊を警備にまわします。
高見沢さんは正太郎に「2対1でも勝てそう?」と聞いてますが、正太郎は「何とかやってみる」と答えます。ギルバートもケリーを動かさなければならないので、何とかなるでしょうというわけです。
そしてギルバートが登場、鉄人がこれを迎え撃ちます。
警官隊はケリーに備えます。
しかし、鉄人とギルバートが一戦を交える前に敷島博士が現れ、正太郎を止めました。
博士は「ケリーの治療をするふりをして、動けなくしてきた」と言います。え? しかもギルバートまで取り返した? 「無我夢中だったからね」と言いますが。
大塚署長はケリーの倒れた場所まで案内してくれと言いますが、その前に自分にはやるべきことがあると言い出す敷島博士。
それは宇宙ロケット発射の計画を予定どおりに実行するというものでした。
正太郎たちは驚きますが、敷島博士はロケットで月に一番乗りを果たしたいというドラグネット博士の依頼を叶えようと言うのでした。しかもこの時を選んだのは月と地球の状態が最も適した日だからだそうです。つまり、この時を逃すわけにはいかないと。
しかし正太郎がケリーが万が一襲ってきたらと心配するとギルバートも残すと言います。ギルバートを月に送るためのロケットなのに?
その間に燃料の注入が完了し、敷島博士は秒読みを命じます。

その頃、例の洞窟を抜け出そうとする男が一人…

敷島博士は自分たちも管制塔へ移動すると言い、皆には安全地帯まで退避するよう命じます。
やがて始まるカウントダウンは残り6分を報せます。
その時、管制塔に敷島博士がいないことに気づく高見沢さん。
それでも進むカウントダウン。5分前になり、燃料スイッチに火がつけられます。
また高見沢さんが敷島博士を見つけます。何と! ロケットの発射台の下にいるではありませんか。
「間に合ったぞ」と笑う敷島博士。その下から現れたのは、何とケリーだったのです!
高笑いするケリーに驚く正太郎と大塚署長。
いや、笑ってないで、さっさとロケットに近づいた方がよくね? そうでなくても「俺には時間がない」んだからさぁ…
大塚署長はロケット発射の中止を命じますが、もう遅いと言われちゃいます。ロケットの燃料が化学反応を起こしており、ここで止めるとロケットが大爆発しちゃうんだそうです。
大塚署長はケリーの狙いがロケットを木っ端微塵にすることかと言ったもので正太郎も鉄人を動かしますが、ケリーにはギルバートがいます。
でもケリー、ここに来て、例の動力炉が不調なようでロケットに手が届きません。だから、笑ってるヒマがあったらとっとと行けと言うのだ…
ロケットに近づくケリー。
しかし正太郎もただ見てはいません。鉄人に反撃させて、何とかケリーを止めようとします。
でもケリーの溶解液は頑丈な鉄人の装甲さえも溶かしてしまいます。
それを横目にロケットに近づいていくケリー。
そこにロケットの噴射で急接近する鉄人ですが、あくまでもギルバートが立ちはだかります。ていうか、ギルバートって、足腰のデザインが色っぽいですよね〜
大塚署長も高見沢さんも正太郎も焦りますが、鉄人、とうとうギルバートに腕をちぎられてしまいました。
その間にもロケットに近づくケリーですが、その歩みは遅々としたものでした。
いよいよ始まる最後のカウントダウン。
腕をちぎられた鉄人は、ギルバートから離れたことで飛んでケリーの方へ向かいます。
ケリーもロケットに飛びつきます。
ロケットを支えていた鎖が次々に外れていく中、ロケットにしがみついたケリーの姿がありました。
さらに鉄人を止めようとするギルバートを、逆にロケットの噴射の中に放り投げる鉄人。
さすがのギルバートも地球を脱出する噴射に巻き込まれ、消滅してしまいます。
さらに鉄人にケリーを追わせようとすると、それを止めた者がありました。
その声は、本物の敷島博士だったのです。
すっかり泥まみれになった敷島博士は、「行かせてやりなさい」と言います。
それで改めて飛んでいくロケットを見上げる正太郎たち。

ケリーは「行くんだ」と呟きます。何とかロケットにしがみついていますが、その速さはなにしろ時速40,300kmという凄まじいものです。すでに左足首を失ったケリーの身体は、もはや支える物もないような状態で、だんだんとバラバラになっていきます。装甲がはがれ、手が壊れ、身体のあちこちから火の手があがり、まさに断末魔の様子を呈してきたケリーの身体。ついに右手まで失ったケリーの目に飛び込んできたのはどこまでも広がる星々の世界でした。
けれども、その瞬間、ケリーの身体はとうとうロケットから離れてしまい、爆発してしまったのでした。

その光を地上で見守る正太郎たち。
敷島博士は「これで良かったんだ」とつぶやき、力尽きて座り込んでしまいます。まぁ、秩父山中から、おそらく東京の下町辺りと思しき敷島重工まで帰ってきたんだから、それは大変だったろう…
今回の高見沢さんは二言目には「どうしよう」って言ってる気がする。

そして数週間後のある日。

敷島博士と出会ったのは…。

同じ頃、正太郎の前に出されたのはケリーの遺品、顔の装甲の部分です。痛ましい…
そこに敷島博士が例のお客と一緒に登場。
何と本物のジョンソンです。
ケリーが弟と語ったジョンソンは、実在の人物だったのです。
兄の夢を語るジョンソン。それは、空襲で家族を失った兄弟にとって、どうしてもかなえなければならない夢でした。宇宙、そこは戦争のない夢の世界でした。戦争で全てを失った兄弟は、宇宙に行って、戦争のない世界で暮らしたかったのです。そして、そこから全ての戦争がなくなるようにと祈りたかったのです。
そのために超人間となったケリーでしたが、機能を停止してしまい、葬られました。
ドラグネット博士は4人の失敗で超人間の研究を封印し、ギルバートの製作にとりかかったのです。「これ以上の犠牲は出せない」という言い方は、ちょっとジョンソンの脚色が入っているのか、偏屈になる前のドラグネット博士なのか。
しかし、ケリーはギルバートの完成した直後に蘇りました。でも、すでにお役御免の身です。ギルバートの存在に動揺したケリーは、とうとうジョンソンを監禁してなりすまし、ドラグネット博士とともに日本へ向かいます。
ところがケリーは雷のために機能障害を起こしてしまい、自分でも知らないうちにドラグネット博士や牧村博士を殺してしまいました。なるほど、それで…
ケリーがロケットの打ち上げ時に密かに乗り込むつもりだったのに、というのはジョンソンの解釈に過ぎません。ただ、ドラグネット博士に素性を明かしたり、牧村博士に会ったのは、敷島博士のように治療してもらいたかったからなのかもしれません。それほど彼は夢を叶えたかったのです。命をかけてでも。
けれど、超人間には寿命が短いという宿命がありました。うーん… 延命措置にはならんのか…

ケリーの形見を抱いて帰るジョンソン。

そこに正太郎たちとの会話がかぶります。
ジョンソンはケリーが復活したことで超人間の宿命から逃れられたものと思いましたが、できませんでした。
治療した敷島博士もケリー本人から聞いて知っていました。それを回避するためにドラグネット博士にかけあったことも。けれどドラグネット博士に断られ、結果的に殺してしまったようです。
結局、ケリーは夢を叶えられなかったと言う大塚署長に、正太郎は異議を唱えます。ケリーは一瞬でも夢を叶えられたのではないかと言って。

そして、さっきの必死こいてロケットにしがみついていたケリーとは違う、もっと明るい調子で夢を叶えたケリーのシーンが映されます。
映像は同じでもケリーの口調が明るいため、希望のある場面になってます。まぁ、真実は誰も知らないのですから、どちらの解釈でも合っているし、間違っているのでしょう。

その声を、ケリーの形見を抱いて、とぼとぼと歩いて行くジョンソンは聞いたでしょうか?
やがて一面の星空が、彼の行く手に現れました。

次は1回完結の「ブラック博士の憂鬱」です。

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第10回 謎の超人間ケリー

ここまで3話完結と話が長いです。これが終わると1話完結の話が3話、2話完結の「京都編」と来て、最終話へと向かいます。

前回の粗筋が冷戦構造もからめてさらっと語られます。

タイトル挟んで、前回の続きです。

正太郎たちの前に現れた謎の人物。ですが、苦しそうに顔を覆ってしまいます。
正太郎は「仮面と取って素顔を見せろ!」と言いますが、古今東西、そう言って、素顔を見せた奴っているのかな〜
しかし、謎の人物は「俺には時間がないんだ」と言ったもので、そういう答えは予測していなかったものと見え、驚く正太郎。
その合間に彼は階段を下りてきて、「邪魔はさせない!」と言って手すりをひん曲げたもんで、大塚署長も正太郎も気を取り直した感じです。
その時、雷が光り、光線をバックに階段を下りてくる謎の人物。
警官たちが銃を撃ち、正太郎は大塚署長に言われるままに下がりますが、銃は効かず、警官も次々に投げ飛ばされてしまいます。
しかし、残ったのが大塚署長と正太郎だけになった時、謎の人物はまたしても光る雷と呼応するかのように苦しみ、頭を壁にぶちつけるのでした。それは壁をへこませ、歩けば、床を沈ませるほどの威力を持っていたのです。
そのまま、ぶち破った壁から逃げ出す仮面の男を正太郎が追いかけます。
正太郎は男が苦しんでいるのをいいことに鉄の棒を投げて命中、もう一本投げますが、これは庭の木にぶつかって跳ね返りました。木とは思えないような音を立てて。
驚いた正太郎は男を見失ってしまい、木の陰で気絶していたジョンソンに呼び止められます。
そこへ大塚署長が2階から呼びます。当初の目的は牧村博士に会うことだったんですから、大塚署長、ちょっと大人w

ところが牧村博士もすでに殺されていました。残っていたのは絨毯に深くついた足跡だけです。
手がかりが途絶えたことを嘆く大塚署長とジョンソンに、正太郎は「そうでもない」と言い出します。
何と、牧村博士はダイイングメッセージを遺していたのです。「YE6W5」です。

翌日? 敷島博士に結果を報告する大塚署長と正太郎。
正太郎は犯人が先回りをしたことから、ドラグネット博士と牧村博士の関わりを知っている過去に何らかの形でかかわった人物と推測します。
さらに大塚署長が謎の覆面男=容疑者の身体的な特徴をあげます。
・人間離れした怪力
・銃弾をものともしない頑丈な身体
・跳躍力も高い
それを聞いた敷島博士はロボットのようだと推測しますが、大塚署長も同意します。スチュアートやケリーという名をドラグネット博士があげた時、その延長にギルバートがいるからでしょうね。
それを聞くジョンソン。一緒にいたんか。
正太郎はジョンソンに意見を求めます。
するとジョンソンは「ギルバートの完成までに試行錯誤の連続だったから、その前にあそこまでのロボットができていたかどうか」と答えます。ううむ、しごくまっとうな返事だ。ジョンソンは牧村邸に近づいた時に「襲われた」と言っているので、謎の人物にも遭っているわけですし。
そこで正太郎、改めてダイイングメッセージの解読を主張します。「YE6W5」か?

そのまま、警察の資料室でYやEやWを頭文字とする人物を捜す大塚署長ですが、該当者はいません。
高見沢さんも駆り出されて、これまでの経歴や住所、誕生日、趣味に至るまで検索したようですが、その3文字にぴったり当てはまるものは出てきません。しかも段ボールに座った途端にストッキングに伝線させてしまう高見沢さん。
正太郎も牧村博士の線から追おうとしたのを諦めるような口ぶりですが、大塚署長が「別の線から」と言うと即座に否定するのは何か根拠があるのけ?
そこで映された新聞の見出しに「サンフランシスコ講和条約」のネタ。桑港=サンフランシスコやで。

町を行く正太郎は速くギルバートを取り戻して、新たな事件の発生を防ごうと考えてますが、その時、電光掲示板に気づきます。後ろからクラクションを鳴らされてるのもわからないほど、何かが閃いた様子。

夜間、鉄人も連れて再び牧村邸です。

鉄人に照らし出された木がYの字となって浮かび上がりました。正太郎はその木が金属で作られた目印だと言います。道理で、鉄の棒がぶつかった時におかしな音を立てたわけです。
次のEとWについて、高見沢さんがNEWSの語源を語ります。正太郎が「NEWSがヒントだ」と言ったからです。英語のNorth、East、West、SouthがNEWSの語源になったそうですよ。で、そのまま牧村博士のダイイングメッセージを解読する高見沢さん。「ここから東へ6歩、西へ5歩」というのは一見、正しそうに聞こえますが、行ったり来たりというのはちょっと違う気がする…
そこに正太郎も突っ込み。なにしろダイイングメッセージですから、牧村博士は死ぬ寸前、東へ行ったり、西へ行ったりするよりも東へ1歩のが速いですな。
正太郎の推理は東(E)と西(W)は、太陽が鍵になっているのでは、というものです。さらにわざわざ金属の木を植えたのは、目印として重要と見なし、この木を中心に太陽の角度がダイイングメッセージを解く鍵だと言います。さらに鉄人に持たせた光源が太陽の高さも再現、なかなか手が込んでますね。
その影の形を型取り、さらに西へ鉄人=太陽を動かして、2つの影が交わったところを掘りますと、出てきたのは外国語で書かれた書類の入った箱でした。

高見沢さんは英語は得意なようですが、正太郎はその文がドイツ語かイタリア語で書かれていると言います。つまり、ドラグネット博士の故国というわけです。
敷島博士に見てもらうよう言う正太郎。
その時、車の周辺で爆発が起きました。
牧村邸で遭った謎の人物が起こしているものです。たぶん、工場街に入っているので敷島重工は近いと思われますが。
すかさず鉄人を呼ぶ正太郎ですが、その動きは速くて捕まえられません。でも、鉄人にはたき落とされて川に落下する怪人。

案の定、火災に巻き込まれたのは敷島重工でした。
そこに駆けつける正太郎たち。
怪人はロケットを狙い、警備の者と交戦状態になりました。そのための火災だったようです。
でも鉄人を見るなり退散していったとか… でも燃料ロケットを1つ破壊していったそうです。
そこで高見沢さんは箱を差し出し、中身を解読してもらえれば万事解決と言います。
ところが正太郎は「その前にあの人に連絡しないと」と言って、夜中のようですが、ジョンソンを呼び出します。元気だなぁ… そう言えば、この話、大塚署長や敷島博士はいくつぐらいで描いているんだろう? わしは40代くらいかなぁと思ってるんですが、それにしては若すぎるか、大塚署長なんか。見るからに警察のトップくさいし… 敷島博士なんか万能過ぎる気がするし… ただ、敷島博士の場合は金田博士の助手なんで、50代だと金田博士が老け過ぎちゃう気もするし、あと、「京都編」とかであんまり老けてると嘘くさいし…

箱の中にはけっこうな枚数の書類が入っていました。
ジョンソンも交えて、敷島博士が解読できた内容を語ります。
ドラグネット博士と牧村博士が戦時中に行っていたのは超人間の開発でした。高見沢さんは蝶人間とか言ってぼけてますが、何で彼女まで起きているのだ…
超人間というのは、いわゆるサイボーグのことでして、身体の一部を機械に置き換えることで、人間離れした活躍をさせようというのです。もちろん兵器としてです。
高見沢さんは「そんな命令に従わせるなんてひどい」と言いますが、敷島博士が言うにはドラグネット博士も牧村博士も志願して、この開発に加わったのです。
しかし、それは倫理に反することであったのも敷島博士は認めます。その上で、牧村博士が戦犯になることを恐れて、資料を隠したのだろうと推測します。こうしてパートナーを失ったドラグネット博士が戦後、アメリカに渡り、研究を続けた、という落ち?
4体の超人間に失敗したドラグネット博士は、ギルバートの開発に着手したのかな。
そこで、自分にはわからないことがあると続ける敷島博士。博士はマッドですが、前々回で村雨健次の負った銃痕(電波増幅器のおかげで傷はなかった)から健次が怪我したんではと考えたり、不乱拳博士の死を恐れて、その息子である化け物さんと会わせまいとしたり、こういう気配りもできるのが好きなところなんだvv
敷島博士が案じたのは、ドラグネット博士に失敗作と言われた4体の超人間たちです。彼らがどんな思いでドラグネット博士の研究にその身を捧げることになったのか、と言います。彼らは好きこのんで戦争のために身を捧げたのではないだろうと言う敷島博士。もっと別の夢のために、そうすることを選んだのではないか。けれど、彼らはロボットのような身体にされ、あまつさえ失敗作の烙印まで押されてしまったのです。そして、同時に自分が失敗作としてきた多くのロボットたちへの思いを語る敷島博士。そう考えると28号は幸せだと言います。彼だけが完成作として認められ、金田博士に息子として愛されさえしたのですから。兵器として一度は葬られたものの、日本に来て、正太郎という「兄弟」までできたのです。
それを聞いて、正太郎も嬉しそうです。うん、うん…
しかし、大塚署長は念を押します。犯人に同情の余地があっても、このまま放っておくわけにはいかないとは、正義感にあふれた大塚署長らしい物言いです。いいコンビだな、この二人は。今度は犯人がギルバートを操って、宇宙ロケットを壊しに来るかもしれないと心配します。
すると高見沢さんが、でも犯人がどこに隠れているのかと突っ込み。
しかし、犯人もギルバートも警察の捜査網に引っかかりません。
すると正太郎が「犯人は近くにいるかも」と言い出します。犯人はドラグネット博士の部屋の絨毯にくっきりと足跡を残していたと言う正太郎。確かに… それだけが唯一の手がかりでもあります。
それに頷く大塚署長。犯人がロボットのような人間だと考えているので、重いだろうという推測です。
そこで正太郎、ジョンソンに話を振ります。
それは牧村邸で、ジョンソンが絨毯に残した足跡も、犯人のものと同じようにくっきりと沈んだからです。
しかし、さすがに敷島博士、大塚署長、高見沢さんがこれに異を唱えますが、正太郎も伊達に少年探偵はやってません。自分の推理に自信満々って顔で黙っているジョンソンを睨みつけています。
ジョンソンはこれを笑い飛ばしますが、正太郎は「調べればすぐにわかる」と譲りません。確かに、ジョンソンくんが体重計に乗れば済む話ですからね。
さらにアリバイまで言いつのるジョンソン。
しかし、正太郎は犯人が超人間と見なして、アリバイは成立しないと断言します。さらにドラグネット博士の部屋から戻るのも簡単だろうと主張する正太郎。
そして正太郎はジョンソンが犯人ではなく、犯人はジョンソンに扮しているだろうと言います。ジョンソンが何気なく語った宇宙に寄せた夢が、失敗作としてそれを絶たれて、ドラグネット博士への恨みが殺人のきっかけとなったのだろうとは見事な推理です。
それを激しく否定するジョンソン。
しかしその時、雷が落ちて、電気が消えてしまいます。大塚署長が急いでライターを出すと、ジョンソンは激しく「違う」と繰り返していました。
ジョンソンの脳裏に蘇ったのは、ドラグネット博士を殺した経緯です。

彼がドラグネット博士の前に現れた時、博士はただただ驚くばかりでした。なぜなら彼は失敗作だったからです。彼は動けずに葬られたからです。
ところが彼は動き出しました。そう、一発の雷によって。

とうとうジョンソンの仮面をはぎ取って、「俺は失敗作なんかじゃない!」と叫ぶ超人間。
姿を現した犯人でしたが、雷に苦しみます。
そこで正太郎は彼が雷の発する電磁波に影響を受けていると考え、大塚署長も牧村邸で雷があったことを思い出します。
ここですかさず前に出る敷島博士。苦しむ超人間ケリーに、自分なら、その苦しみをどうにかできるかもと言っちゃうんですから、相変わらず優しいよね、敷島博士ってvv
ケリーは苦しみながら、「本当か」と訊ね、敷島博士は軽く請け負います。もう何でもありだ、この人ww
しかし、ケリーは「時間がない」と言います。なにしろ、一度は葬られたのを雷で蘇ってますんで、余生がそれほどあるとも思えません。苦しいのはそのせいかもしれません。「間に合わないんだ!」と叫んで、飛び出すケリー。
敷島博士は宇宙ロケットを守るよう正太郎に言い、鉄人登場です。

走るケリーを追う鉄人。ところがその力は鉄人にも匹敵するほどで、ぶん投げてしまいます。すげぇ… ここまで鉄人と対等に戦ったロボットがほかにいただろうか?
しかし、それで力尽きたように倒れるケリー。
それでも「まだ死ぬわけにはいかないんだー!」と叫びますが立ち上がれません。
そこに近づく正太郎、大塚署長、敷島博士、高見沢さん。
すると跳ね起きたケリーは、敷島博士をさらって逃げ出しました。
正太郎はまた鉄人に追わせますが、そこでギルバート登場。
とうとうケリーを逃がしてしまいました。

次回、「超人間ケリー編」決着です。

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第9回 宇宙ロケット殺人事件

どこかの墓地からスタート。墓に立っているのは十字架なので、日本ではありません。天気の悪い夜で雷がしきりに聞こえます。そのうちに1つの十字架に雷が落ち、十字架は真っ二つに割けてしまいました。
そして、墓から蘇ったのは包帯だらけの男。
「まだ死ねない。俺にはやり残したことが」と言ったところで、タイトルです。

冷戦構造がはっきりし、対立が深刻化している世界情勢。その矛先に宇宙が入ることを示唆して、正太郎の読む新聞、「ソ連が人工衛星の打ち上げに成功」とする記事にリンクさせます。
さらにイケメン火星人の到来を夢見る高見沢さん。立場は違えど、映画のおたかちゃんと中身は一緒ですよね、高見沢さんて。
その時、敷島博士から電話があり、宇宙ロケットの話が出ます。

それで敷島重工にやってきた正太郎と大塚署長。
そこに一体のロボットが近づいてきます。
大塚署長はとっさに銃を向けますが、そろそろロボットに銃は効かないと理解してもいいと思うのだが… 正太郎を守るために楯になるつもりなんでしょうか、大塚署長は。
しかし、ロボットから声が聞こえてきました。「金田くんの忘れ形見か」と言われて驚く2人。
でもしゃべったのはロボットではなく、カニ頭、もといドラグネット博士の登場です。一回通しで見ると、この人の印象もえらい変わるなぁ… まぁ、「地球の燃え尽きる日」のマッドぶりも捨てがたいが…

ドラグネット博士と会談する正太郎と大塚署長。
しかし、握手を求めた正太郎を無視するドラグネット博士。
そこにすかさず、敷島博士がドラグネット博士と金田博士が知り合いだと言います。
そして、ジョンソン登場、ドラグネット博士の助手です。ドラグネット博士の作ったロボット、ギルバートの操縦器にはマイクが着いていて、それを通して話しかけることができるそうです。
敷島博士は2人を「海の向こうからやってきた」と言いますが、後の展開を鑑みるに日本と同じ枢軸国、ドイツかイタリアの出身です。ただ、最後まで国ははっきりと言いませんし、敗戦国でそのままロボットとかの研究を続けられたのかも疑問ですが。
正太郎は2人が日本に来たわけと、ギルバートの目的を訊ねます。礼儀正しいですが、訊くことはきちんと訊くあたり、少年探偵は隙がありません。
するとだまりっぱなしのドラグネット博士に代わり、ジョンソンが応対します。
ギルバートは月面開発用のロボットだそうなんです。それは地球の人口が増え続けて、資源が枯渇する前に、宇宙に向かい、資源を求めようという算段なのです。
そのロケットが2日後に打ち上げられると話を引き取る敷島博士。えええ〜? この人、「悪の手先編」の時はブラックオックスの研究とかやって、いろいろな仕事をやってそうなのに、いつの間に宇宙ロケットの開発なんか…
しかし、ジョンソンはさらに続けまして、産業スパイとか犯罪組織が心配だと言うので、正太郎と鉄人にギルバートの警護、大塚署長にドラグネット博士たちの警護を依頼する敷島博士。
それでロボットの打ち上げをどうするのかと訊ねる大塚署長に、正太郎が電話で話していた宇宙ロケットだと指摘します。
しかし、それが「どうにか完成にこぎ着けることができたよ、君のお父さんのおかげでね」と答える敷島博士ですが、さらっと難しいこと言った〜!!! この人の「どうにか」は他の人の「やっと」な気がする〜!!!
で、正太郎のお父さん、すなわち金田博士のおかげというのは、南方から鉄人を運んできた巨大砲弾のことを言うのでした。それを改造して宇宙ロケットにって… すごい推進力だな。Wikipediaによると脱出速度というのは時速40,300kmだそうですよ。すごい速さなんですよ。いくら巨大砲弾とはいえ、改造で済むレベルなのか、それ…
あと、「平和利用なら金田博士も許してくださると思ってね」と言ってますが、それはちょっと解釈広すぎるような… まぁ、金田博士も今更許すも許さないもないだろうけど…
ジョンソンが「それで敷島博士に協力を依頼」と言っているので、世界的に有名なようです、敷島博士。まぁ、守備範囲広すぎてなぁ…
すると、それまで黙っていたドラグネット博士が「この戦争に勝つためにな」と言い出します。そう、どんなにきれいな言葉で言いつくろおうとも、「平和を守るため」と言おうとも、宇宙開発が戦争の延長にあることは否定しようがありません。そういう意味では、下手に誤魔化そうとする敷島博士より、ドラグネット博士の方が正直です。また、ソ連の人工衛星を目の仇にするというと、やはりアメリカの援助を受けているんでしょうかね… まぁ、イタリアも西側諸国に入っているけど。ドイツではないのかも。
ただ、それはちょっとわしの先走りで「宇宙開発という名の戦争」だそうです。
もっとも大塚署長が「戦争とは聞き捨てならん言葉」と言うのを、ドラグネット博士は平和ボケと一蹴、この二人、気は合いそうにありません。
そこで初めて同盟国は敗戦とか、それまでの敵国に移り住んで屈辱の日々だったと言い出すドラグネット博士。やっぱりイタリアかドイツ→アメリカ、というのが正解のようです。この時代、アメリカとソ連以外に宇宙開発に手は出せそうにないし… 敷島博士は例外中の例外!
そこでシフエンテス、クーザック、スチュアート、ケリー(こう名前を見るとイタリアよりドイツっぽいような… ていうか、スチュアートって、そもそも英語圏な気もする)と名前をあげて、失敗作だと罵りますが、ついに「彼」を作り上げたと言います。その流れだとギルバートのことか?
そこに正太郎が「それと戦争とは関係ない」と反論しようとしますが、ドラグネット博士は金田博士へのライバル視もあってか(これも最後まで見ると、けっこう印象変わりますが)、鉄人よりギルバートの方が強いと言います。
その上、ここで勝負しようと言うドラグネット博士に驚く正太郎。
しかし、正太郎は挑発してくるドラグネット博士にきっぱりと断ります。正太郎にとって鉄人は仲間、兄弟と言ってもいい存在です。そんな鉄人をむやみに戦わせるのは正太郎の望むところではないのです。
それで気の抜けたようなドラグネット博士は、ロケットの警護を依頼して、「褒美に月の石でもくれてやるわ」とその場を去ります。そうとう偏屈な人物のようです。戦中はもうちょっとふつうのというか、良識も感じられたんで、やっぱりアメリカでそうとう差別されたのが偏屈にしちゃったのかもしれません。

もっとも大塚署長もプロですんで、警備は万全.ロケットとホテルに警察官を張りつかせました。
そして、ジョンソンはいい人なんで、正太郎にドラグネット博士の無礼を謝ります。苦労してそうだな、ジョンソンくん。でも大塚署長がそう言ってねぎらうとジョンソンは逆に「本当は純粋な人です。宇宙にかける熱い思いに共感したから、手伝っているのだ」と言います。うん、そういう人、いるよね…
そして、自分の夢のためにも、と言うジョンソン。
ジョンソンは小さい頃から宇宙に行くのが夢だったそうです。弟(こんなところに伏線が!)と空を見上げて語り合ったのだと。宇宙には戦争なんかない、だから、いつか一緒に戦争へ行こうと。そして祈ろう、地上からも戦争がなくなるようにと。
その時、ドラグネット博士に呼ばれて、ジョンソンは行ってしまいますが、その温かい人柄は宇宙に憧れる身として、正太郎の心をも暖かくするのでした。

その晩は荒れた天気となりました。
ホテルの一室で書類を眺め、今度こそ「勝利することができる」と呟くドラグネット博士。
ところが、その時、窓の外に浮かんでいる者がいるではありませんか! 外からホテルを俯瞰した時、ここが4階か5階以上だったのは明らかなのです。
ふと外を眺めたドラグネット博士はその人物に気づきます。顔に包帯を巻いて、コートと帽子に身を隠した人物、突然ガラスが割れ、博士はその者の正体に気づいたらしく「おまえは!」と言って驚きます。「おまえは生きていたのか!」と驚愕する博士に近寄る謎の人物。

翌日かと思ったら、その晩のうちにドラグネット博士は死体で発見されました。
大塚署長は警備の者に様子を訊ね、窓ガラスの割れる音を聞きつけたけれど、部屋に鍵がかかっていたので、入った時にはもうドラグネット博士は事切れた後でした。隣室のジョンソンも犯人は見ていないそうです。どうやら、ドラグネット博士の死体を発見して、大塚署長も正太郎もすぐに駆けつけた模様。
ところが下から登った痕も、上から下りた様子もないと大塚署長。目撃者もなく、犯人が遺したのは絨毯にくっきりとした足跡のみです。
そこへ駆けつける関刑事の報告によると、ギルバートもどこかへ行ったと言います。
正太郎、あんたの仕事はギルバートを警護することじゃなかったんかい…

そして翌日、警察に呼び出されたジョンソン。
高見沢さんは好みのタイプだと言って正太郎に紹介してくれるよう頼みますが、正太郎はそれどころではありません。というか、高見沢さんの台詞がKY過ぎるんだと思うんですが。あと、高見沢さんは正太郎の紹介がなくても押しかけられそうなタイプだと思います。
犯人の目的を推測する正太郎たちですが、足跡だけではわかりません。ギルバートが目的かもしれません。宇宙ロケットの妨害かも。
ジョンソンにギルバートを探すよう言われて、請け負う大塚署長。警備は増やしたと言いますが、さて、どれだけ役に立ちますか。
敷島博士は宇宙ロケットの中止を言い出します。
すると高見沢さんが鋭い発言。「犯人に宇宙ロケットを壊すつもりがあったなら、ギルバートを盗んだ時に一緒に壊すだろう」と言うのです。
正太郎も同意し、ますます調子に乗っちゃう高見沢さんですが、ジョンソンが「そうですね」と言ったのは「美人探偵としてやっていけるかも」に同意したのではないぞ。
ジョンソンは宇宙ロケットの打ち上げを続行するべしと言ったのでした。「ドラグネット博士の死を無駄にしないためにもロケットだけでも月に送り届けたい」と言うのですが、月に行ったギルバートを操作するのはドラグネット博士だったのでしょうかね? そうでなければ、その意見も一理あると思うのですが、ドラグネット博士以外の人でもギルバートは操作でき、月面で何を捜索すればいいのかわかっているのなら、むしろ、ドラグネット博士の死で計画を止めるべきではないでしょう。極論ですが、ギルバートの開発によって、ドラグネット博士の役割は終わったとも言えるのですから。
それでも大塚署長は念のため、犯人を捕まえなければロケットは100%安全とは言えないと念を押します。
そこで正太郎は怨恨説を考えますが、ジョンソンの答えは「反感は買っていたけれど、命を取られるほどではなかった」というもので有力な証言にはなりません。

一方、解剖に付されるドラグネット博士。

次に正太郎が思いついたのは、博士があげたシフエンテス、クーザック、スチュアート、ケリーという名前です。
しかし、ジョンソンは昔のことは知らないと言います。
すると敷島博士がその頃のことを知ってそうな人物に心当たりがあると言い出します。

一方、解剖が済んだドラグネット博士は、「ジャイアントロボ The Animation〜地球が静止する日」のシズマ博士の葬儀を彷彿とさせるスタイルで日本の墓地に葬られていました。いいのか、勝手に?
埋葬に立ち会う正太郎、敷島博士、ジョンソンに、大塚署長がドラグネット博士の死因を「絞殺というより、首の骨が粉砕されていた」と言います。どうやら、博士は天涯孤独の身の上らしく、死体を持ち帰るよりも日本で、ということなんでしょうか?
それで敷島博士が見せたのは1枚の写真でした。
金田博士、不乱拳博士、ドラグネット博士、敷島博士に加えて、まだ未登場の2人が一緒に写った写真です。伏線伏線!
金田博士の左隣に写っているのは、牧村博士といって、戦時中、ドラグネット博士とともに秘密兵器の開発に携わっていたのだそうです。ロボットとも人造人間とも異なる秘密兵器だそうですが、その実態はさすがの敷島博士も知りません。
それでも有力な手がかりを得た正太郎は大塚署長とともに牧村博士に会いに行くことにします。
するとジョンソンも一緒に行きたいと言うので、パトカー何台も連なって出かけることになりました。

その日の晩も雷が鳴って、荒れた天気でした。秋雷なんて言葉、あったっけ?
正太郎と大塚署長が正太郎の車に乗って先頭を走り、ジョンソンは別のパトカーに乗ってますが、思い詰めたような表情で真剣に考え込んでいます。
とうとう、同乗の警官が心配して具合でも悪いのかと訊ねますが、ジョンソンは「何でもない」と言うばかりです。
その時、正太郎たちの行く手に立ちふさがったのはギルバートだったのです!
いきなり溶解液を発射したギルバートに、正太郎は鉄人を呼んで応戦します。しかし敷島重工から呼ぶとは、ちょっと遠くないかい?
ギルバートを操る人物は正太郎たちを牧村博士のところに行かせまいとします。
警官隊が銃で応戦しますが、効くはずもありません。ただし、ギルバートはパトカーを一台踏みつぶし、一台に溶解液をかけた以外には大したことはしないのですが、そこに鉄人到着です。
大塚署長はジョンソンを連れて、牧村博士の家へ急ぐよう命じます。おや? この時には気づかれなかった?
鉄人でギルバートを足止めしている間に先に進む警官隊。しかし、大塚署長も一緒に行くべきではないのか?
しかし、隠れたギルバート、影から溶解液を発射するので飛び道具を持たない鉄人には不利ですが、大したダメージは受けずに避けます。
逆にギルバートに返り討ち。
とうとうギルバートは逃げ出していきました。
大塚署長は追うように言いますが、正太郎は「牧村博士のところに急ぎましょう」と反対します。まぁ、追っても鉄人の電波がやがて届かなくなるかもしれないし… ないか! 遙か南方から鉄人を呼び寄せた誘導電波やもんな! ただ、正太郎も一緒に行かないと電波届いても意味がないので、それよりも金田博士と一緒に写真に収まってた牧村博士のことが気になるのでしょう。まぁ、ドラグネット博士も殺されちゃったしね。

ところが、牧村邸に着くと、牧村博士と思しき人物の悲鳴が聞こえます。
ていうか、先に行かせた警官隊は何やっとんじゃ。
慌てて牧村邸に突入する正太郎たち。

家の2階から下りてきたのは、帽子にコート、顔に包帯を巻いた人物。ドラグネット博士の部屋を訪ね、おそらく博士を殺したと思われる謎の人物だったのです!
包帯の下から現れたのはロボットと思しき顔。

果たして彼は何者なのか? といったところで続く。

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第8回 鉄人28号奪還作戦

正太郎、村雨健次、大塚署長と敷島博士、スリルサスペンス一味、アメリカ軍と5つ巴の鉄人奪回作戦が展開される回です。

まずは大塚署長とアメリカ軍。大塚署長が正太郎が一人で軍船島に向かったことを知り、アメリカ軍に鉄人破壊作戦を1時間延期してくれるよう頼み込んでいます。
しかし応対している軍人は無碍に断ります。鉄人破壊作戦は政府の依頼だからです。
そこで大塚署長、バッカスの弱点、操縦電波の届く範囲が極端に短いのを指摘します。操縦器も鉄人やブラックオックスのようにコンパクトにはいかず、日本の技術の方が一歩も二歩もリードしてる感じですネ。
ところがアメリカ軍の作戦は強硬的なもので、軍船島を鉄人ごと破壊すると言うのです。ただ、鉄人は「だだだーんと弾が飛ぶ ばばばーんと破裂する♪」な装甲を誇っているので、どうなんだ、そこは。でも、アメリカ軍の本音は鉄人を持ち帰りたいだから、それで犯人のスリルサスペンスが死のうが、そこに向かった正太郎が巻き添えを喰らおうが無問題というわけか… 操縦者がいなくなれば、鉄人は人畜無害になるわけだし…
そこに現れるスペンサー大佐。1時間だけなら待ってもいいと言います。前回、村雨に何か依頼してますからね。裏があるのは見え見えですが、大塚署長たちは礼を言って、出発に取りかかります。
スペンサー大佐としては、あの男=村雨健次が1時間もあれば片づけてくれるだろうという目論見のようですが、そううまくいきますかどうか…

一方、すでに軍船島に到着した正太郎、地下からスリルサスペンスのアジトに向かっていますが、傷から出血、痛みを押してのことになってます。やっぱり高見沢さんが言うように重傷のようですが、子どもだからなぁ…
そこに別方向から灯りが近づき、隠れる正太郎。とは言っても、彼も灯りをつけて進んできたので、とっくにばれてそうな感じですが…
現れたのは村雨健次でした。でも正太郎の灯りには気づいていなかった様子。

そしてスリルサスペンス一味。まだまだ日本から搾り取る宣言。ちなみに丸いロックンロールが、「起動武闘伝Gガンダム」でミケロ=チャリオットのCVだった津久井教生さんでした。

それを見下ろす正太郎と村雨健次。
あれ、健次はいつの間に包帯取れたんでしょ? 前回、スペンサー大佐と会った時に包帯した手からナイフ出してたから、伊達か?
お互いに「おまえと手を組むことになろうとはな」な状態の二人ですが、村雨が銃を出したのに驚く正太郎。彼がナイフしか使わないのを正太郎は知ってるんで、よほどの腐れ縁な2人です。
でも村雨は「あいつら相手ならしょうがない」と自分に言い訳でもしてるような物言い。

実はこの銃、スペンサー大佐から廻されたものでした。軍船島にやってくるボートもアメリカの貸し。この時点で村雨もバッカスの弱点、電波の有効範囲が短いのを知っています。
スペンサー大佐の依頼は鉄人の操縦器を破壊することでした。
そして「もしもの時には助けに行く」と言って通信機を渡します。

しかし、健次の脳裏に響く竜作との約束。「ナイフ以外に頼ったら、おまえの負け」と言われたこと。

そんな村雨の胸中も知らない正太郎、「どうやって取り返す?」とは無邪気な問いです。村雨は破壊する気で来てるんですがネ。
返す村雨は「簡単なことさ」と言って正太郎を蹴飛ばします。天井を破って、スリルサスペンス一味のど真ん中に落ちてしまう正太郎。
怪我人にこんな扱いするなんて、村雨もたいがい大人げないです。

囚われた正太郎は天井からロープでつり下げられてしまいました。足は床に着いてますが、つま先立ちなんで、きつそうなポーズです。
さらに正太郎の傷に酒をかけるスリルサスペンス。消毒にはなりますが、子どもには辛いことを…
「手当してやれ」と言うスリルサスペンスに、ロングランがとどめを刺そうとしますが、ジルバに止められます。ジルバが頭脳担当な感じです。
正太郎が一人で来たのは、何か裏があるんじゃないかと勘ぐるジルバに、スリルサスペンスも頷きますが、一応、ほんとなんだよな… 直前まで村雨と一緒だったけど、島に来たのは一人だったわけだし。
ただ、正太郎がどうして軍船島を知ったかというと、大塚署長と敷島博士が「軍船島にいる」というのを聞いたわけで、その情報はアメリカ軍からで、さらにその情報源は村雨です。

その様子を天井裏から見守る村雨。操縦器を銃で壊すつもりのようですが、そう上手くいきますか… スパイだから、銃の扱いは知ってるのか。
ところが、ここでも竜作との約束が脳裏に響きます。

その時、スリルサスペンス一味は軍船島に近づいてくる者を見つけました。
大塚署長が仕立てた船ですが… 何か頼りないなぁ… 鉄人来たら、一発で終わりだが…
もちろんスリルサスペンス一味も船を見てなめきってます。こちらには無敵の鉄人28号がいるしな。
早速、鉄人28号を出して(瓦礫の下に隠してある!)船に攻撃するロングラン。どうやら操縦器の担当は、正太郎から操縦器を盗んだ彼になったらしいです。

一方、船の上の大塚署長と敷島博士も近づいてくる鉄人に気づきます。

なすすべもなく、次々に破壊される船、船、船…

正太郎は歯ぎしりしますが、スリルサスペンスは高笑いです。鉄人はしょせん兵器だと言ってのけ、兵器は使う人間次第だと断言するスリルサスペンスに正太郎は返す言葉もありません。
その言葉を天井裏で聞く村雨も竜作の言葉を思い出して、引き金を引けません。
で、とどめが「いいも悪いもリモコン次第」ですから、これは秋元さんに言わせるべく、持ってきたんだな、監督w

ところが大塚署長たちが乗って来たのは偽装した漁船と、廃船寸前の哨戒艇だけで、乗員は全員無事でゴムボートに避難していました。鉄人を使ってくることを予想して、最初から沈められるのが前提だったわけです。おお、大塚署長見直したw

しかし、その下を泳いでいく巨大な影がありました。
「まさか」と呟く敷島博士。

鉄人を島に戻したスリルサスペンスは、とうとう正太郎に銃を向けます。
それを阻止せんと撃とうとする村雨ですが、やっぱり竜作の言葉が蘇って(以下略)

ヽ(`Д´)ノ いい加減にしろ、このブラコン!!!

その時、アジトに近づいてきたのは、操縦電波の範囲が短すぎて来られないはずのバッカスだったのです!

鉄人で迎え撃つ前に、いきなりアジトをぶっ壊すバッカス。正太郎も村雨もスリルサスペンス一味も一緒くたに落ちてしまいます。なんちゅう乱暴な…

それを見ていた大塚署長と敷島博士も唖然です。でもバッカスの電波は届かないはずなのに、どうやって…

ところが、スペンサー大佐はバッカスが盗まれたと言い逃れ、ついでにバッカスの救出を依頼してきます。大塚署長は怒り心頭ですが、正太郎が危機一髪で助かったのも事実。
「わけがわからない」と言い張るスペンサー大佐に、大塚署長は通信を切ります。
でも、部下の報告でバッカスがアメリカ軍に操縦されているのも明々白々。では、どうやって?
スペンサー大佐は「第2段階だ」と宣言します。

バッカスは無力な鉄人を引っ張り始めました。
アメリカにとり、鉄人の操縦器は不要なのですが、そのシステムはほしいらしく、鉄人を盗みにかかっています。
しかし、相手がロボットでは大塚署長たちも手が出ません。操縦器はさっき、正太郎たちと一緒に落下してしまいました。

当の操縦器は落下した正太郎のわりと近くにありました。
ジルバ、ロングラン、ロックンロールはここでお役御免のようです。
気づいた正太郎は操縦器に這い寄りますが、そこに村雨健次が現れます。
正太郎は騙されたことを憤りますが、村雨は「俺は操縦器を取り戻すなんて言わなかったぜ。自分の失敗の後始末をつけに来ただけだ」とうそぶきます。だからと言って、アメリカ軍と手を組むなんて格好悪いぞ、村雨。
そして、自分がそもそもの黒幕であることを言い出す村雨。言い訳のように「おまえもはっきりわかったはずだ、こんなもの=鉄人は必要ないってな」と言うのは、他に言うことはないのか、馬鹿の一つ覚えじゃあるまいし! ヽ(`Д´)ノ と言いたくなりますよネ。
さらに町が燃え(第1話、2話より)、犯罪は起き、(第7話より)、アニキは死んだ(第2話より)と繰り返す村雨。そろそろ、誰かががつんとこいつの頭を殴ってはくれまいか…
「使う者次第なんて言わせないぞ、こんな恐ろしい物」と言われて、正太郎の中にもまだ鉄人を恐れる気持ちがあるので口ごもってしまいますが、敷島博士に言われたことがリピートします。「君自身の気持ちなんだよ」と、村雨に言わせればそそのかしているのかもしれませんが、アメリカがロボットを作ってきた今、鉄人がいなくなってもなぁ… 第一、タイトルロールがいなかったら話が… o(メ`皿´)○()△☆)/
そこで正太郎の凄いところは、自分だけじゃなく、村雨の気持ちにも思いを馳せるわけです。さすが主人公。
しかし、そこで死んだと思っていたジルバが銃を撃ちました。撃たれたのは村雨健次でした。

すると、今まで調子よく動いていたバッカスがいきなり電波障害を起こしてしまいます。

慌てるスペンサー大佐は、村雨がしくじったと気づきます。ふむ… 村雨に渡した物に秘密があるようですネ。

制御が取り戻せぬまま、アメリカ軍の基地に向かうバッカス。スペンサー大佐は「ここは日本だ、後は連中(大塚署長たちのことか?)が何とかするだろう。我々に責任はない!」とか言って逃げる算段のようですが、そうは問屋が下ろし大根。
高速で海を渡ってきたバッカスは、スペンサー大佐めがけて口の火炎放射器をぶっ放し、手当たり次第に破壊し始めます。

それを見守る大塚署長と敷島博士に聞こえてきたのは、銃声が2発でした。

1発はジルバが村雨を撃ったものでしたが、もう1発は村雨が撃ち返したものです。
しかし、改めて操縦器を壊そうとする村雨、止めようとする正太郎。正太郎の投げた石が村雨の手に当たり、銃弾は操縦器を海へ落としてしまいます。
村雨は排水溝で待ちかまえようとしますが、先回りせんと海に飛び込む正太郎。
操縦器を探す村雨の目に入ったのは、空襲の記憶を蘇らせる、火の海となった対岸の様子でした。唖然とする村雨健次。
そこに大塚署長と敷島博士が現れます。
正太郎の身を案じる大塚署長に、知らないと言い張る村雨。
しかし、敷島博士が村雨がさっき受けた銃痕に気づきます。
でも、スペンサー大佐に渡された通信機で助かったと言う村雨に、敷島博士はすぐに電波増幅器であることを見抜きます。こういうところがこの人の凄いところなんすよね。まぁ、正太郎は少年だし、大塚署長は警察官で分野が違うから、説明は敷島博士の担当なんだけど、何しろ専門分野が広すぎる…
大塚署長は驚きますが、敷島博士に、バッカスが電波増幅器のおかげで動いていたのに、壊されちゃったから制御不能になって、町を破壊していると解説されて、さすがの村雨もあの町の破壊に自分が手を貸してしまったことに思い至るのです。
大塚署長に「おまえは騙されていたんだ」と言われ、呆然とする村雨。
しかし、さすがの敷島博士にもバッカスを止める手立ては思いつきません。操縦器はスペンサー大佐と一緒に燃やされたしな。
しかもタイミング悪く、燃えさかる町に近づく列車があります。
大塚署長は茫然自失する村雨にもう一度訊ねます。
そこに操縦器が流れてきました。それを追って、満身創痍の正太郎も。
大塚署長は「今行くぞ」と叫びますが、正太郎には聞こえません。もう周りに気を遣うような余裕もないのです。ただ、鉄人の操縦器を取り戻すためだけに最後の気力を振り絞っているのです。

そして正太郎は鉄人に呼びかけます。「もう僕は鉄人が怖くない」と。「今までのことも鉄人が悪いんじゃない」と。いみじくもスリルサスペンスが言うように「いいも悪いもリモコン次第」だと言う正太郎。さらに彼は続けます。「僕たちは同じ父さんを持つ正太郎なんだ」と。「だから立とう!」と言いながら、逆に倒れてしまう正太郎。さすがの少年探偵も、ここまで来て力尽きた感じです。
けれども正太郎は操縦器を手に、鉄人とともについに立ち上がります。おおッ! 「ジャイアントロボ The Animation〜地球が静止する日」だとLast Episodeに来た展開が、第8回で来るとは! 胸熱な展開ですね!
そして寸前でバッカスを止めた鉄人は、そのままロボットを持って空高く運びます。空中で放されたバッカスはなにしろ飛行能力を持ってないので無力です。そのまま無惨に鉄人に貫かれ、爆発してしまうバッカス。いいところないなぁ… あ! 転覆事故の犯人も、こうして証拠隠滅では裁きようがないか…

しかし、着陸した鉄人を見届けて、正太郎はとうとう倒れてしまいました。今度こそ、限界のようです。
大塚署長は正太郎の救助を命じますが、そこにスリルサスペンスが現れました。部下はみんな死んだのにしぶといですネ。
しかも気絶した正太郎を「邪魔者」として撃とうとするスリルサスペンス。
村雨は正太郎を助けようと銃を向けますが、スリルサスペンスを撃ったのは大塚署長でした。村雨の銃にはもう弾が入っていなかったのです。
竜作の「おまえの負けだ」が脳裏に響く健次。ようやく、兄の死に何もできなかった自分、その憤りを鉄人と正太郎に向けていたことを認める健次。認めたのか? 認めたんだろうな? こうして、村雨健次は最終盤まで登場しなくなり、意外な活躍で正太郎を助けることになりますが、それは第17話まで待たなければなりません。

こうして、事件は「ロボットの暴走」で誤魔化されてしまい、鉄人は無罪放免となります。まぁ、バッカスに関しては半分真実なんですが… こういうところに、大塚署長とか敷島博士の持つ権力の大きさを見るわけですな…
またスリルサスペンスは生き延びたようで、本国へ送還されたそうです。

ただし、「原因不明の列車事故は起きず、このような事件(悪の手先、鉄人)も二度と起きない、そう思わせてくれた夏の終わりであった」と締めて、うたた寝する高見沢さん、鉄人の操縦器を手に、安らかに眠る正太郎で、ようやく「悪の手先編」も終了です。

次からは「超人間ケリー編」です。

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