ここまで3話完結と話が長いです。これが終わると1話完結の話が3話、2話完結の「京都編」と来て、最終話へと向かいます。
前回の粗筋が冷戦構造もからめてさらっと語られます。
タイトル挟んで、前回の続きです。
正太郎たちの前に現れた謎の人物。ですが、苦しそうに顔を覆ってしまいます。
正太郎は「仮面と取って素顔を見せろ!」と言いますが、古今東西、そう言って、素顔を見せた奴っているのかな〜
しかし、謎の人物は「俺には時間がないんだ」と言ったもので、そういう答えは予測していなかったものと見え、驚く正太郎。
その合間に彼は階段を下りてきて、「邪魔はさせない!」と言って手すりをひん曲げたもんで、大塚署長も正太郎も気を取り直した感じです。
その時、雷が光り、光線をバックに階段を下りてくる謎の人物。
警官たちが銃を撃ち、正太郎は大塚署長に言われるままに下がりますが、銃は効かず、警官も次々に投げ飛ばされてしまいます。
しかし、残ったのが大塚署長と正太郎だけになった時、謎の人物はまたしても光る雷と呼応するかのように苦しみ、頭を壁にぶちつけるのでした。それは壁をへこませ、歩けば、床を沈ませるほどの威力を持っていたのです。
そのまま、ぶち破った壁から逃げ出す仮面の男を正太郎が追いかけます。
正太郎は男が苦しんでいるのをいいことに鉄の棒を投げて命中、もう一本投げますが、これは庭の木にぶつかって跳ね返りました。木とは思えないような音を立てて。
驚いた正太郎は男を見失ってしまい、木の陰で気絶していたジョンソンに呼び止められます。
そこへ大塚署長が2階から呼びます。当初の目的は牧村博士に会うことだったんですから、大塚署長、ちょっと大人w
ところが牧村博士もすでに殺されていました。残っていたのは絨毯に深くついた足跡だけです。
手がかりが途絶えたことを嘆く大塚署長とジョンソンに、正太郎は「そうでもない」と言い出します。
何と、牧村博士はダイイングメッセージを遺していたのです。「YE6W5」です。
翌日? 敷島博士に結果を報告する大塚署長と正太郎。
正太郎は犯人が先回りをしたことから、ドラグネット博士と牧村博士の関わりを知っている過去に何らかの形でかかわった人物と推測します。
さらに大塚署長が謎の覆面男=容疑者の身体的な特徴をあげます。
・人間離れした怪力
・銃弾をものともしない頑丈な身体
・跳躍力も高い
それを聞いた敷島博士はロボットのようだと推測しますが、大塚署長も同意します。スチュアートやケリーという名をドラグネット博士があげた時、その延長にギルバートがいるからでしょうね。
それを聞くジョンソン。一緒にいたんか。
正太郎はジョンソンに意見を求めます。
するとジョンソンは「ギルバートの完成までに試行錯誤の連続だったから、その前にあそこまでのロボットができていたかどうか」と答えます。ううむ、しごくまっとうな返事だ。ジョンソンは牧村邸に近づいた時に「襲われた」と言っているので、謎の人物にも遭っているわけですし。
そこで正太郎、改めてダイイングメッセージの解読を主張します。「YE6W5」か?
そのまま、警察の資料室でYやEやWを頭文字とする人物を捜す大塚署長ですが、該当者はいません。
高見沢さんも駆り出されて、これまでの経歴や住所、誕生日、趣味に至るまで検索したようですが、その3文字にぴったり当てはまるものは出てきません。しかも段ボールに座った途端にストッキングに伝線させてしまう高見沢さん。
正太郎も牧村博士の線から追おうとしたのを諦めるような口ぶりですが、大塚署長が「別の線から」と言うと即座に否定するのは何か根拠があるのけ?
そこで映された新聞の見出しに「サンフランシスコ講和条約」のネタ。桑港=サンフランシスコやで。
町を行く正太郎は速くギルバートを取り戻して、新たな事件の発生を防ごうと考えてますが、その時、電光掲示板に気づきます。後ろからクラクションを鳴らされてるのもわからないほど、何かが閃いた様子。
夜間、鉄人も連れて再び牧村邸です。
鉄人に照らし出された木がYの字となって浮かび上がりました。正太郎はその木が金属で作られた目印だと言います。道理で、鉄の棒がぶつかった時におかしな音を立てたわけです。
次のEとWについて、高見沢さんがNEWSの語源を語ります。正太郎が「NEWSがヒントだ」と言ったからです。英語のNorth、East、West、SouthがNEWSの語源になったそうですよ。で、そのまま牧村博士のダイイングメッセージを解読する高見沢さん。「ここから東へ6歩、西へ5歩」というのは一見、正しそうに聞こえますが、行ったり来たりというのはちょっと違う気がする…
そこに正太郎も突っ込み。なにしろダイイングメッセージですから、牧村博士は死ぬ寸前、東へ行ったり、西へ行ったりするよりも東へ1歩のが速いですな。
正太郎の推理は東(E)と西(W)は、太陽が鍵になっているのでは、というものです。さらにわざわざ金属の木を植えたのは、目印として重要と見なし、この木を中心に太陽の角度がダイイングメッセージを解く鍵だと言います。さらに鉄人に持たせた光源が太陽の高さも再現、なかなか手が込んでますね。
その影の形を型取り、さらに西へ鉄人=太陽を動かして、2つの影が交わったところを掘りますと、出てきたのは外国語で書かれた書類の入った箱でした。
高見沢さんは英語は得意なようですが、正太郎はその文がドイツ語かイタリア語で書かれていると言います。つまり、ドラグネット博士の故国というわけです。
敷島博士に見てもらうよう言う正太郎。
その時、車の周辺で爆発が起きました。
牧村邸で遭った謎の人物が起こしているものです。たぶん、工場街に入っているので敷島重工は近いと思われますが。
すかさず鉄人を呼ぶ正太郎ですが、その動きは速くて捕まえられません。でも、鉄人にはたき落とされて川に落下する怪人。
案の定、火災に巻き込まれたのは敷島重工でした。
そこに駆けつける正太郎たち。
怪人はロケットを狙い、警備の者と交戦状態になりました。そのための火災だったようです。
でも鉄人を見るなり退散していったとか… でも燃料ロケットを1つ破壊していったそうです。
そこで高見沢さんは箱を差し出し、中身を解読してもらえれば万事解決と言います。
ところが正太郎は「その前にあの人に連絡しないと」と言って、夜中のようですが、ジョンソンを呼び出します。元気だなぁ… そう言えば、この話、大塚署長や敷島博士はいくつぐらいで描いているんだろう? わしは40代くらいかなぁと思ってるんですが、それにしては若すぎるか、大塚署長なんか。見るからに警察のトップくさいし… 敷島博士なんか万能過ぎる気がするし… ただ、敷島博士の場合は金田博士の助手なんで、50代だと金田博士が老け過ぎちゃう気もするし、あと、「京都編」とかであんまり老けてると嘘くさいし…
箱の中にはけっこうな枚数の書類が入っていました。
ジョンソンも交えて、敷島博士が解読できた内容を語ります。
ドラグネット博士と牧村博士が戦時中に行っていたのは超人間の開発でした。高見沢さんは蝶人間とか言ってぼけてますが、何で彼女まで起きているのだ…
超人間というのは、いわゆるサイボーグのことでして、身体の一部を機械に置き換えることで、人間離れした活躍をさせようというのです。もちろん兵器としてです。
高見沢さんは「そんな命令に従わせるなんてひどい」と言いますが、敷島博士が言うにはドラグネット博士も牧村博士も志願して、この開発に加わったのです。
しかし、それは倫理に反することであったのも敷島博士は認めます。その上で、牧村博士が戦犯になることを恐れて、資料を隠したのだろうと推測します。こうしてパートナーを失ったドラグネット博士が戦後、アメリカに渡り、研究を続けた、という落ち?
4体の超人間に失敗したドラグネット博士は、ギルバートの開発に着手したのかな。
そこで、自分にはわからないことがあると続ける敷島博士。博士はマッドですが、前々回で村雨健次の負った銃痕(電波増幅器のおかげで傷はなかった)から健次が怪我したんではと考えたり、不乱拳博士の死を恐れて、その息子である化け物さんと会わせまいとしたり、こういう気配りもできるのが好きなところなんだvv
敷島博士が案じたのは、ドラグネット博士に失敗作と言われた4体の超人間たちです。彼らがどんな思いでドラグネット博士の研究にその身を捧げることになったのか、と言います。彼らは好きこのんで戦争のために身を捧げたのではないだろうと言う敷島博士。もっと別の夢のために、そうすることを選んだのではないか。けれど、彼らはロボットのような身体にされ、あまつさえ失敗作の烙印まで押されてしまったのです。そして、同時に自分が失敗作としてきた多くのロボットたちへの思いを語る敷島博士。そう考えると28号は幸せだと言います。彼だけが完成作として認められ、金田博士に息子として愛されさえしたのですから。兵器として一度は葬られたものの、日本に来て、正太郎という「兄弟」までできたのです。
それを聞いて、正太郎も嬉しそうです。うん、うん…
しかし、大塚署長は念を押します。犯人に同情の余地があっても、このまま放っておくわけにはいかないとは、正義感にあふれた大塚署長らしい物言いです。いいコンビだな、この二人は。今度は犯人がギルバートを操って、宇宙ロケットを壊しに来るかもしれないと心配します。
すると高見沢さんが、でも犯人がどこに隠れているのかと突っ込み。
しかし、犯人もギルバートも警察の捜査網に引っかかりません。
すると正太郎が「犯人は近くにいるかも」と言い出します。犯人はドラグネット博士の部屋の絨毯にくっきりと足跡を残していたと言う正太郎。確かに… それだけが唯一の手がかりでもあります。
それに頷く大塚署長。犯人がロボットのような人間だと考えているので、重いだろうという推測です。
そこで正太郎、ジョンソンに話を振ります。
それは牧村邸で、ジョンソンが絨毯に残した足跡も、犯人のものと同じようにくっきりと沈んだからです。
しかし、さすがに敷島博士、大塚署長、高見沢さんがこれに異を唱えますが、正太郎も伊達に少年探偵はやってません。自分の推理に自信満々って顔で黙っているジョンソンを睨みつけています。
ジョンソンはこれを笑い飛ばしますが、正太郎は「調べればすぐにわかる」と譲りません。確かに、ジョンソンくんが体重計に乗れば済む話ですからね。
さらにアリバイまで言いつのるジョンソン。
しかし、正太郎は犯人が超人間と見なして、アリバイは成立しないと断言します。さらにドラグネット博士の部屋から戻るのも簡単だろうと主張する正太郎。
そして正太郎はジョンソンが犯人ではなく、犯人はジョンソンに扮しているだろうと言います。ジョンソンが何気なく語った宇宙に寄せた夢が、失敗作としてそれを絶たれて、ドラグネット博士への恨みが殺人のきっかけとなったのだろうとは見事な推理です。
それを激しく否定するジョンソン。
しかしその時、雷が落ちて、電気が消えてしまいます。大塚署長が急いでライターを出すと、ジョンソンは激しく「違う」と繰り返していました。
ジョンソンの脳裏に蘇ったのは、ドラグネット博士を殺した経緯です。
彼がドラグネット博士の前に現れた時、博士はただただ驚くばかりでした。なぜなら彼は失敗作だったからです。彼は動けずに葬られたからです。
ところが彼は動き出しました。そう、一発の雷によって。
とうとうジョンソンの仮面をはぎ取って、「俺は失敗作なんかじゃない!」と叫ぶ超人間。
姿を現した犯人でしたが、雷に苦しみます。
そこで正太郎は彼が雷の発する電磁波に影響を受けていると考え、大塚署長も牧村邸で雷があったことを思い出します。
ここですかさず前に出る敷島博士。苦しむ超人間ケリーに、自分なら、その苦しみをどうにかできるかもと言っちゃうんですから、相変わらず優しいよね、敷島博士ってvv
ケリーは苦しみながら、「本当か」と訊ね、敷島博士は軽く請け負います。もう何でもありだ、この人ww
しかし、ケリーは「時間がない」と言います。なにしろ、一度は葬られたのを雷で蘇ってますんで、余生がそれほどあるとも思えません。苦しいのはそのせいかもしれません。「間に合わないんだ!」と叫んで、飛び出すケリー。
敷島博士は宇宙ロケットを守るよう正太郎に言い、鉄人登場です。
走るケリーを追う鉄人。ところがその力は鉄人にも匹敵するほどで、ぶん投げてしまいます。すげぇ… ここまで鉄人と対等に戦ったロボットがほかにいただろうか?
しかし、それで力尽きたように倒れるケリー。
それでも「まだ死ぬわけにはいかないんだー!」と叫びますが立ち上がれません。
そこに近づく正太郎、大塚署長、敷島博士、高見沢さん。
すると跳ね起きたケリーは、敷島博士をさらって逃げ出しました。
正太郎はまた鉄人に追わせますが、そこでギルバート登場。
とうとうケリーを逃がしてしまいました。
次回、「超人間ケリー編」決着です。
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