正太郎、村雨健次、大塚署長と敷島博士、スリルサスペンス一味、アメリカ軍と5つ巴の鉄人奪回作戦が展開される回です。
まずは大塚署長とアメリカ軍。大塚署長が正太郎が一人で軍船島に向かったことを知り、アメリカ軍に鉄人破壊作戦を1時間延期してくれるよう頼み込んでいます。
しかし応対している軍人は無碍に断ります。鉄人破壊作戦は政府の依頼だからです。
そこで大塚署長、バッカスの弱点、操縦電波の届く範囲が極端に短いのを指摘します。操縦器も鉄人やブラックオックスのようにコンパクトにはいかず、日本の技術の方が一歩も二歩もリードしてる感じですネ。
ところがアメリカ軍の作戦は強硬的なもので、軍船島を鉄人ごと破壊すると言うのです。ただ、鉄人は「だだだーんと弾が飛ぶ ばばばーんと破裂する♪」な装甲を誇っているので、どうなんだ、そこは。でも、アメリカ軍の本音は鉄人を持ち帰りたいだから、それで犯人のスリルサスペンスが死のうが、そこに向かった正太郎が巻き添えを喰らおうが無問題というわけか… 操縦者がいなくなれば、鉄人は人畜無害になるわけだし…
そこに現れるスペンサー大佐。1時間だけなら待ってもいいと言います。前回、村雨に何か依頼してますからね。裏があるのは見え見えですが、大塚署長たちは礼を言って、出発に取りかかります。
スペンサー大佐としては、あの男=村雨健次が1時間もあれば片づけてくれるだろうという目論見のようですが、そううまくいきますかどうか…
一方、すでに軍船島に到着した正太郎、地下からスリルサスペンスのアジトに向かっていますが、傷から出血、痛みを押してのことになってます。やっぱり高見沢さんが言うように重傷のようですが、子どもだからなぁ…
そこに別方向から灯りが近づき、隠れる正太郎。とは言っても、彼も灯りをつけて進んできたので、とっくにばれてそうな感じですが…
現れたのは村雨健次でした。でも正太郎の灯りには気づいていなかった様子。
そしてスリルサスペンス一味。まだまだ日本から搾り取る宣言。ちなみに丸いロックンロールが、「起動武闘伝Gガンダム」でミケロ=チャリオットのCVだった津久井教生さんでした。
それを見下ろす正太郎と村雨健次。
あれ、健次はいつの間に包帯取れたんでしょ? 前回、スペンサー大佐と会った時に包帯した手からナイフ出してたから、伊達か?
お互いに「おまえと手を組むことになろうとはな」な状態の二人ですが、村雨が銃を出したのに驚く正太郎。彼がナイフしか使わないのを正太郎は知ってるんで、よほどの腐れ縁な2人です。
でも村雨は「あいつら相手ならしょうがない」と自分に言い訳でもしてるような物言い。
実はこの銃、スペンサー大佐から廻されたものでした。軍船島にやってくるボートもアメリカの貸し。この時点で村雨もバッカスの弱点、電波の有効範囲が短いのを知っています。
スペンサー大佐の依頼は鉄人の操縦器を破壊することでした。
そして「もしもの時には助けに行く」と言って通信機を渡します。
しかし、健次の脳裏に響く竜作との約束。「ナイフ以外に頼ったら、おまえの負け」と言われたこと。
そんな村雨の胸中も知らない正太郎、「どうやって取り返す?」とは無邪気な問いです。村雨は破壊する気で来てるんですがネ。
返す村雨は「簡単なことさ」と言って正太郎を蹴飛ばします。天井を破って、スリルサスペンス一味のど真ん中に落ちてしまう正太郎。
怪我人にこんな扱いするなんて、村雨もたいがい大人げないです。
囚われた正太郎は天井からロープでつり下げられてしまいました。足は床に着いてますが、つま先立ちなんで、きつそうなポーズです。
さらに正太郎の傷に酒をかけるスリルサスペンス。消毒にはなりますが、子どもには辛いことを…
「手当してやれ」と言うスリルサスペンスに、ロングランがとどめを刺そうとしますが、ジルバに止められます。ジルバが頭脳担当な感じです。
正太郎が一人で来たのは、何か裏があるんじゃないかと勘ぐるジルバに、スリルサスペンスも頷きますが、一応、ほんとなんだよな… 直前まで村雨と一緒だったけど、島に来たのは一人だったわけだし。
ただ、正太郎がどうして軍船島を知ったかというと、大塚署長と敷島博士が「軍船島にいる」というのを聞いたわけで、その情報はアメリカ軍からで、さらにその情報源は村雨です。
その様子を天井裏から見守る村雨。操縦器を銃で壊すつもりのようですが、そう上手くいきますか… スパイだから、銃の扱いは知ってるのか。
ところが、ここでも竜作との約束が脳裏に響きます。
その時、スリルサスペンス一味は軍船島に近づいてくる者を見つけました。
大塚署長が仕立てた船ですが… 何か頼りないなぁ… 鉄人来たら、一発で終わりだが…
もちろんスリルサスペンス一味も船を見てなめきってます。こちらには無敵の鉄人28号がいるしな。
早速、鉄人28号を出して(瓦礫の下に隠してある!)船に攻撃するロングラン。どうやら操縦器の担当は、正太郎から操縦器を盗んだ彼になったらしいです。
一方、船の上の大塚署長と敷島博士も近づいてくる鉄人に気づきます。
なすすべもなく、次々に破壊される船、船、船…
正太郎は歯ぎしりしますが、スリルサスペンスは高笑いです。鉄人はしょせん兵器だと言ってのけ、兵器は使う人間次第だと断言するスリルサスペンスに正太郎は返す言葉もありません。
その言葉を天井裏で聞く村雨も竜作の言葉を思い出して、引き金を引けません。
で、とどめが「いいも悪いもリモコン次第」ですから、これは秋元さんに言わせるべく、持ってきたんだな、監督w
ところが大塚署長たちが乗って来たのは偽装した漁船と、廃船寸前の哨戒艇だけで、乗員は全員無事でゴムボートに避難していました。鉄人を使ってくることを予想して、最初から沈められるのが前提だったわけです。おお、大塚署長見直したw
しかし、その下を泳いでいく巨大な影がありました。
「まさか」と呟く敷島博士。
鉄人を島に戻したスリルサスペンスは、とうとう正太郎に銃を向けます。
それを阻止せんと撃とうとする村雨ですが、やっぱり竜作の言葉が蘇って(以下略)
ヽ(`Д´)ノ いい加減にしろ、このブラコン!!!
その時、アジトに近づいてきたのは、操縦電波の範囲が短すぎて来られないはずのバッカスだったのです!
鉄人で迎え撃つ前に、いきなりアジトをぶっ壊すバッカス。正太郎も村雨もスリルサスペンス一味も一緒くたに落ちてしまいます。なんちゅう乱暴な…
それを見ていた大塚署長と敷島博士も唖然です。でもバッカスの電波は届かないはずなのに、どうやって…
ところが、スペンサー大佐はバッカスが盗まれたと言い逃れ、ついでにバッカスの救出を依頼してきます。大塚署長は怒り心頭ですが、正太郎が危機一髪で助かったのも事実。
「わけがわからない」と言い張るスペンサー大佐に、大塚署長は通信を切ります。
でも、部下の報告でバッカスがアメリカ軍に操縦されているのも明々白々。では、どうやって?
スペンサー大佐は「第2段階だ」と宣言します。
バッカスは無力な鉄人を引っ張り始めました。
アメリカにとり、鉄人の操縦器は不要なのですが、そのシステムはほしいらしく、鉄人を盗みにかかっています。
しかし、相手がロボットでは大塚署長たちも手が出ません。操縦器はさっき、正太郎たちと一緒に落下してしまいました。
当の操縦器は落下した正太郎のわりと近くにありました。
ジルバ、ロングラン、ロックンロールはここでお役御免のようです。
気づいた正太郎は操縦器に這い寄りますが、そこに村雨健次が現れます。
正太郎は騙されたことを憤りますが、村雨は「俺は操縦器を取り戻すなんて言わなかったぜ。自分の失敗の後始末をつけに来ただけだ」とうそぶきます。だからと言って、アメリカ軍と手を組むなんて格好悪いぞ、村雨。
そして、自分がそもそもの黒幕であることを言い出す村雨。言い訳のように「おまえもはっきりわかったはずだ、こんなもの=鉄人は必要ないってな」と言うのは、他に言うことはないのか、馬鹿の一つ覚えじゃあるまいし! ヽ(`Д´)ノ と言いたくなりますよネ。
さらに町が燃え(第1話、2話より)、犯罪は起き、(第7話より)、
アニキは死んだ(第2話より)と繰り返す村雨。そろそろ、誰かががつんとこいつの頭を殴ってはくれまいか…
「使う者次第なんて言わせないぞ、こんな恐ろしい物」と言われて、正太郎の中にもまだ鉄人を恐れる気持ちがあるので口ごもってしまいますが、敷島博士に言われたことがリピートします。「君自身の気持ちなんだよ」と、村雨に言わせればそそのかしているのかもしれませんが、アメリカがロボットを作ってきた今、鉄人がいなくなってもなぁ… 第一、タイトルロールがいなかったら話が… o(メ`皿´)○()△☆)/
そこで正太郎の凄いところは、自分だけじゃなく、村雨の気持ちにも思いを馳せるわけです。さすが主人公。
しかし、そこで死んだと思っていたジルバが銃を撃ちました。撃たれたのは村雨健次でした。
すると、今まで調子よく動いていたバッカスがいきなり電波障害を起こしてしまいます。
慌てるスペンサー大佐は、村雨がしくじったと気づきます。ふむ… 村雨に渡した物に秘密があるようですネ。
制御が取り戻せぬまま、アメリカ軍の基地に向かうバッカス。スペンサー大佐は「ここは日本だ、後は連中(大塚署長たちのことか?)が何とかするだろう。我々に責任はない!」とか言って逃げる算段のようですが、そうは問屋が下ろし大根。
高速で海を渡ってきたバッカスは、スペンサー大佐めがけて口の火炎放射器をぶっ放し、手当たり次第に破壊し始めます。
それを見守る大塚署長と敷島博士に聞こえてきたのは、銃声が2発でした。
1発はジルバが村雨を撃ったものでしたが、もう1発は村雨が撃ち返したものです。
しかし、改めて操縦器を壊そうとする村雨、止めようとする正太郎。正太郎の投げた石が村雨の手に当たり、銃弾は操縦器を海へ落としてしまいます。
村雨は排水溝で待ちかまえようとしますが、先回りせんと海に飛び込む正太郎。
操縦器を探す村雨の目に入ったのは、空襲の記憶を蘇らせる、火の海となった対岸の様子でした。唖然とする村雨健次。
そこに大塚署長と敷島博士が現れます。
正太郎の身を案じる大塚署長に、知らないと言い張る村雨。
しかし、敷島博士が村雨がさっき受けた銃痕に気づきます。
でも、スペンサー大佐に渡された通信機で助かったと言う村雨に、敷島博士はすぐに電波増幅器であることを見抜きます。こういうところがこの人の凄いところなんすよね。まぁ、正太郎は少年だし、大塚署長は警察官で分野が違うから、説明は敷島博士の担当なんだけど、何しろ専門分野が広すぎる…
大塚署長は驚きますが、敷島博士に、バッカスが電波増幅器のおかげで動いていたのに、壊されちゃったから制御不能になって、町を破壊していると解説されて、さすがの村雨もあの町の破壊に自分が手を貸してしまったことに思い至るのです。
大塚署長に「おまえは騙されていたんだ」と言われ、呆然とする村雨。
しかし、さすがの敷島博士にもバッカスを止める手立ては思いつきません。操縦器はスペンサー大佐と一緒に燃やされたしな。
しかもタイミング悪く、燃えさかる町に近づく列車があります。
大塚署長は茫然自失する村雨にもう一度訊ねます。
そこに操縦器が流れてきました。それを追って、満身創痍の正太郎も。
大塚署長は「今行くぞ」と叫びますが、正太郎には聞こえません。もう周りに気を遣うような余裕もないのです。ただ、鉄人の操縦器を取り戻すためだけに最後の気力を振り絞っているのです。
そして正太郎は鉄人に呼びかけます。「もう僕は鉄人が怖くない」と。「今までのことも鉄人が悪いんじゃない」と。いみじくもスリルサスペンスが言うように「いいも悪いもリモコン次第」だと言う正太郎。さらに彼は続けます。「僕たちは同じ父さんを持つ正太郎なんだ」と。「だから立とう!」と言いながら、逆に倒れてしまう正太郎。さすがの少年探偵も、ここまで来て力尽きた感じです。
けれども正太郎は操縦器を手に、鉄人とともについに立ち上がります。おおッ! 「ジャイアントロボ The Animation〜地球が静止する日」だとLast Episodeに来た展開が、第8回で来るとは! 胸熱な展開ですね!
そして寸前でバッカスを止めた鉄人は、そのままロボットを持って空高く運びます。空中で放されたバッカスはなにしろ飛行能力を持ってないので無力です。そのまま無惨に鉄人に貫かれ、爆発してしまうバッカス。いいところないなぁ… あ! 転覆事故の犯人も、こうして証拠隠滅では裁きようがないか…
しかし、着陸した鉄人を見届けて、正太郎はとうとう倒れてしまいました。今度こそ、限界のようです。
大塚署長は正太郎の救助を命じますが、そこにスリルサスペンスが現れました。部下はみんな死んだのにしぶといですネ。
しかも気絶した正太郎を「邪魔者」として撃とうとするスリルサスペンス。
村雨は正太郎を助けようと銃を向けますが、スリルサスペンスを撃ったのは大塚署長でした。村雨の銃にはもう弾が入っていなかったのです。
竜作の「おまえの負けだ」が脳裏に響く健次。ようやく、兄の死に何もできなかった自分、その憤りを鉄人と正太郎に向けていたことを認める健次。認めたのか? 認めたんだろうな? こうして、村雨健次は最終盤まで登場しなくなり、意外な活躍で正太郎を助けることになりますが、それは第17話まで待たなければなりません。
こうして、事件は「ロボットの暴走」で誤魔化されてしまい、鉄人は無罪放免となります。まぁ、バッカスに関しては半分真実なんですが… こういうところに、大塚署長とか敷島博士の持つ権力の大きさを見るわけですな…
またスリルサスペンスは生き延びたようで、本国へ送還されたそうです。
ただし、「原因不明の列車事故は起きず、このような事件(悪の手先、鉄人)も二度と起きない、そう思わせてくれた夏の終わりであった」と締めて、うたた寝する高見沢さん、鉄人の操縦器を手に、安らかに眠る正太郎で、ようやく「悪の手先編」も終了です。
次からは「超人間ケリー編」です。
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