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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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第11回 超人間・ケリーの最後

「超人間ケリー編」決着。自ら望んで超人間になったとはいえ、物悲しいラストです。

前回の粗筋がさらっと語られ、「悲しい終着点」を予告してタイトルです。

どこかの洞窟というか、鍾乳洞のような池があるところです。そこにいるのはケリーと敷島博士。
敷島博士が「見せてみたまえ」と言うと「触るな」と拒絶するケリー。しかし、その息は苦しそうで、ここまで来たのがやっとにも見えます。
またあくまでも冷静な敷島博士は、「わたしに見てもらいたくて連れてきたんじゃないのかね」と鋭い突っ込み。そうよね、そうでなかったら、無理して敷島博士をさらう必要なかったんだもんね…
答えぬケリーに「信用してもらえないなら、ここにいる必要もなかろう」と冷酷に背を向けちゃう敷島博士。
苦しい息の下から「待て」と言って、ケリーはギルバートのおなかのなかから工具を取り出します。ていうか、いつの間にギルバートまで… 鉄人に追わせなかったのか、と思ったら、ギルバートは鉄人よりも速いってドラグネット博士が自慢してましたね。
「頼む」とケリーに言われて、敷島博士は修理にとりかかったもようです。

一方、その頃の正太郎たちはパトカーでどこかへ向かうところです。
大塚署長が対策本部の集めた情報で「ギルバートは秩父山中にいるらしい」と言ってるので、そこに向かうのか? 徹夜で大変やのぅ…
でも「急ぎましょう。すぐ夜が明けますから!」とか言っちゃう正太郎。働き者ですネ。

敷島博士も夜を徹してケリーの修理というか治療に当たってます。
「少しは痛みが治まったかね」とか、相変わらずさらっと万能ぶりを発揮しちゃう敷島博士。
「なぜ俺を助ける気になった?」と問いただすケリー。超人間への興味本位か、敷島博士が葬ってきた失敗作への罪滅ぼしのつもりかと訊ねます。
同意する敷島博士。「生み出した者への責任を負わなければならない」とは、不乱拳博士も再三語ってきたことです。あるいは最後まで不乱拳博士と化け物さんを遭わせまいとした敷島博士でしたが、互いに殺し合うことにしかならなくても、遭わなければならなかったのだと後になって思うようになったのかもしれません。それがどんなに愛着を持った物だとしてもです。
そしてドラグネット博士もまた、失敗作とはいえ、自らが生み出した超人間たちに愛情を抱いていたはずだと敷島博士は言います。そう言って、暗にケリーがドラグネット博士を殺したことを咎めているのですが、ケリーの答えは意外なものでした。
「殺すつもりはなかった」と言うのです。「俺はただ生きたかった」と言うなり、のけぞるケリー。
その身体の中を見て驚く敷島博士。でも例によって「これは君の動力炉! でも君の身体は!」と言ったところでケリーに押し倒されてしまい、「でなければ、わたしは君を!」と言うなり暗転してしまいます。あら〜 後で見直すとああ、ってわかるんですが。

翌日、明るくなった秩父山中で捜索中の鉄人28号。
大塚署長は警官隊を警備にまわします。
高見沢さんは正太郎に「2対1でも勝てそう?」と聞いてますが、正太郎は「何とかやってみる」と答えます。ギルバートもケリーを動かさなければならないので、何とかなるでしょうというわけです。
そしてギルバートが登場、鉄人がこれを迎え撃ちます。
警官隊はケリーに備えます。
しかし、鉄人とギルバートが一戦を交える前に敷島博士が現れ、正太郎を止めました。
博士は「ケリーの治療をするふりをして、動けなくしてきた」と言います。え? しかもギルバートまで取り返した? 「無我夢中だったからね」と言いますが。
大塚署長はケリーの倒れた場所まで案内してくれと言いますが、その前に自分にはやるべきことがあると言い出す敷島博士。
それは宇宙ロケット発射の計画を予定どおりに実行するというものでした。
正太郎たちは驚きますが、敷島博士はロケットで月に一番乗りを果たしたいというドラグネット博士の依頼を叶えようと言うのでした。しかもこの時を選んだのは月と地球の状態が最も適した日だからだそうです。つまり、この時を逃すわけにはいかないと。
しかし正太郎がケリーが万が一襲ってきたらと心配するとギルバートも残すと言います。ギルバートを月に送るためのロケットなのに?
その間に燃料の注入が完了し、敷島博士は秒読みを命じます。

その頃、例の洞窟を抜け出そうとする男が一人…

敷島博士は自分たちも管制塔へ移動すると言い、皆には安全地帯まで退避するよう命じます。
やがて始まるカウントダウンは残り6分を報せます。
その時、管制塔に敷島博士がいないことに気づく高見沢さん。
それでも進むカウントダウン。5分前になり、燃料スイッチに火がつけられます。
また高見沢さんが敷島博士を見つけます。何と! ロケットの発射台の下にいるではありませんか。
「間に合ったぞ」と笑う敷島博士。その下から現れたのは、何とケリーだったのです!
高笑いするケリーに驚く正太郎と大塚署長。
いや、笑ってないで、さっさとロケットに近づいた方がよくね? そうでなくても「俺には時間がない」んだからさぁ…
大塚署長はロケット発射の中止を命じますが、もう遅いと言われちゃいます。ロケットの燃料が化学反応を起こしており、ここで止めるとロケットが大爆発しちゃうんだそうです。
大塚署長はケリーの狙いがロケットを木っ端微塵にすることかと言ったもので正太郎も鉄人を動かしますが、ケリーにはギルバートがいます。
でもケリー、ここに来て、例の動力炉が不調なようでロケットに手が届きません。だから、笑ってるヒマがあったらとっとと行けと言うのだ…
ロケットに近づくケリー。
しかし正太郎もただ見てはいません。鉄人に反撃させて、何とかケリーを止めようとします。
でもケリーの溶解液は頑丈な鉄人の装甲さえも溶かしてしまいます。
それを横目にロケットに近づいていくケリー。
そこにロケットの噴射で急接近する鉄人ですが、あくまでもギルバートが立ちはだかります。ていうか、ギルバートって、足腰のデザインが色っぽいですよね〜
大塚署長も高見沢さんも正太郎も焦りますが、鉄人、とうとうギルバートに腕をちぎられてしまいました。
その間にもロケットに近づくケリーですが、その歩みは遅々としたものでした。
いよいよ始まる最後のカウントダウン。
腕をちぎられた鉄人は、ギルバートから離れたことで飛んでケリーの方へ向かいます。
ケリーもロケットに飛びつきます。
ロケットを支えていた鎖が次々に外れていく中、ロケットにしがみついたケリーの姿がありました。
さらに鉄人を止めようとするギルバートを、逆にロケットの噴射の中に放り投げる鉄人。
さすがのギルバートも地球を脱出する噴射に巻き込まれ、消滅してしまいます。
さらに鉄人にケリーを追わせようとすると、それを止めた者がありました。
その声は、本物の敷島博士だったのです。
すっかり泥まみれになった敷島博士は、「行かせてやりなさい」と言います。
それで改めて飛んでいくロケットを見上げる正太郎たち。

ケリーは「行くんだ」と呟きます。何とかロケットにしがみついていますが、その速さはなにしろ時速40,300kmという凄まじいものです。すでに左足首を失ったケリーの身体は、もはや支える物もないような状態で、だんだんとバラバラになっていきます。装甲がはがれ、手が壊れ、身体のあちこちから火の手があがり、まさに断末魔の様子を呈してきたケリーの身体。ついに右手まで失ったケリーの目に飛び込んできたのはどこまでも広がる星々の世界でした。
けれども、その瞬間、ケリーの身体はとうとうロケットから離れてしまい、爆発してしまったのでした。

その光を地上で見守る正太郎たち。
敷島博士は「これで良かったんだ」とつぶやき、力尽きて座り込んでしまいます。まぁ、秩父山中から、おそらく東京の下町辺りと思しき敷島重工まで帰ってきたんだから、それは大変だったろう…
今回の高見沢さんは二言目には「どうしよう」って言ってる気がする。

そして数週間後のある日。

敷島博士と出会ったのは…。

同じ頃、正太郎の前に出されたのはケリーの遺品、顔の装甲の部分です。痛ましい…
そこに敷島博士が例のお客と一緒に登場。
何と本物のジョンソンです。
ケリーが弟と語ったジョンソンは、実在の人物だったのです。
兄の夢を語るジョンソン。それは、空襲で家族を失った兄弟にとって、どうしてもかなえなければならない夢でした。宇宙、そこは戦争のない夢の世界でした。戦争で全てを失った兄弟は、宇宙に行って、戦争のない世界で暮らしたかったのです。そして、そこから全ての戦争がなくなるようにと祈りたかったのです。
そのために超人間となったケリーでしたが、機能を停止してしまい、葬られました。
ドラグネット博士は4人の失敗で超人間の研究を封印し、ギルバートの製作にとりかかったのです。「これ以上の犠牲は出せない」という言い方は、ちょっとジョンソンの脚色が入っているのか、偏屈になる前のドラグネット博士なのか。
しかし、ケリーはギルバートの完成した直後に蘇りました。でも、すでにお役御免の身です。ギルバートの存在に動揺したケリーは、とうとうジョンソンを監禁してなりすまし、ドラグネット博士とともに日本へ向かいます。
ところがケリーは雷のために機能障害を起こしてしまい、自分でも知らないうちにドラグネット博士や牧村博士を殺してしまいました。なるほど、それで…
ケリーがロケットの打ち上げ時に密かに乗り込むつもりだったのに、というのはジョンソンの解釈に過ぎません。ただ、ドラグネット博士に素性を明かしたり、牧村博士に会ったのは、敷島博士のように治療してもらいたかったからなのかもしれません。それほど彼は夢を叶えたかったのです。命をかけてでも。
けれど、超人間には寿命が短いという宿命がありました。うーん… 延命措置にはならんのか…

ケリーの形見を抱いて帰るジョンソン。

そこに正太郎たちとの会話がかぶります。
ジョンソンはケリーが復活したことで超人間の宿命から逃れられたものと思いましたが、できませんでした。
治療した敷島博士もケリー本人から聞いて知っていました。それを回避するためにドラグネット博士にかけあったことも。けれどドラグネット博士に断られ、結果的に殺してしまったようです。
結局、ケリーは夢を叶えられなかったと言う大塚署長に、正太郎は異議を唱えます。ケリーは一瞬でも夢を叶えられたのではないかと言って。

そして、さっきの必死こいてロケットにしがみついていたケリーとは違う、もっと明るい調子で夢を叶えたケリーのシーンが映されます。
映像は同じでもケリーの口調が明るいため、希望のある場面になってます。まぁ、真実は誰も知らないのですから、どちらの解釈でも合っているし、間違っているのでしょう。

その声を、ケリーの形見を抱いて、とぼとぼと歩いて行くジョンソンは聞いたでしょうか?
やがて一面の星空が、彼の行く手に現れました。

次は1回完結の「ブラック博士の憂鬱」です。

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