監督:楠山忠之
見たところ:新百合ヶ丘
2012年、日本
明治大学の生田キャンパスが広がる川崎市の生田丘陵に、戦時中、陸軍の極秘研究を行う第9科の研究所があった。そこで研究されていた風船爆弾、偽札などを中心に生存者の証言を追った長編ドキュメンタリー。
実際にそこで働いていた男性、事務員として勤務していたという女性、学徒動員され風船爆弾を作っていた当時の女学生、そして夫がこの研究所の実力者で戦後、後妻となり、夫の記録を書くのを手伝わされていたという女性… とまったく多岐にわたる関係者の証言です。このうち、6人の方が映画製作中に鬼籍に入ってしまい、先日見た「
隠された爪跡/払い下げられた朝鮮人」も、これ以上、製作が遅かったら、多くの人がお亡くなりになっていただろうと思っただけに、この映画もあと10年早ければ、もっと多くの証言が得られたろうになぁと思うと、戦後68年の無為さはもったいないと思いました。
3時間と大作ですが、日本人が犯した罪を是非、知ってほしいと思います。
それにしても、学徒動員した女学生や国民を腹ぺこにさせておいて、自分たちは美味い物を毎晩のように食べていた士官を見て「この戦争は負けると思った」と言っていた元女学生のおばちゃん、ナイスな発言!
研究内容が、それほど役に立っていないように思いますが、この当時は真面目にやってたんだよ、きっと… というか、日本の場合、どうしても
資源がない!からスタートするので、必然的に向かう方向が決まっちゃってるような気がする。風船爆弾に1兆円の予算をかけて、アメリカに届いたのは1割って、それ、無駄だよね? 殺したのが6人、原爆の製造を3日遅らせたって、それって成果として胸を張れるような数字じゃないよね?
そんなばかばかしさとは裏腹に、あの731部隊も出てくる辺り、何とも侮れないですよ。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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