前回の粗筋がさらっと語られて、タイトルです。
ニコポンスキーに操られるブラックオックスは金田博士の研究所も潰し、正太郎たちを追います。中身がこの場合、あの人だから… まぁ、殺されることはなかったでしょうが、この時点では誰も知らないニコポンスキーの正体ですんで、正太郎と村雨健次は逃げます。
しかし、ブラックオックスが倒した木に村雨健次が巻き込まれてしまいました。
ニコポンスキーの狙いは正太郎の持っているレコーダーです。村雨は正太郎に「逃げろ」と言い、気絶してしまったようです。
家に駆け込む正太郎。何をするのかと思いきや、鉄人を呼んでます。おいおい… 鉄人の操縦器、正太郎に持たせたままでいいんかい? って感じですが、まぁ、実質、鉄人がいないと詰みなんで、しょうがないか。
ところが正太郎の呼びかけに呼応した鉄人ですが、鎖に押さえつけられて身動きができません。
ビッグファイア博士が言うことには、その鎖は電波妨害ができるんだそうです。なんちゅうもんを…
でも鉄人も完全に沈黙しているわけではありませんが、飛び立つとまでは行かないようです。
それを見ながら「バギュームに群がる輩がいるようだ」と言うビッグファイア博士。ていうか、諸悪の根源はこいつやろう…
その間にも正太郎を追い詰めるニコポンスキー。テープレコーダーを渡せと迫ります。
正体を誰何する正太郎に「そんなことはどうでもいい」と返しますが中身はあの人のはずなんで… ふーん、とにやにやしちゃいます。
そしてニコポンスキーはバギュームの眠る場所、まだら岩がどこにあるのか録音されていたろうと言います。
確かにそれは正太郎も聞きましたが、まだら岩がどこにあるのかはわかりません。その前に村雨健次来ちゃったしね。
そして、とうとうオックスに見つかってしまう正太郎。しかも背後にはニコポンスキーまで迫っています。
銃を突きつけられて正太郎はテープレコーダーを床に置きました。
しかし父の作った最初のロボット〇八一五を使ってニコポンスキーを翻弄する正太郎。
素早くテープレコーダーを拾って逃げ出します。
オックスが追ってきますが、屋根の上を逃げる正太郎。
しかし降りしきる雨のために屋根も滑りやすくなっていたようで転んだ拍子に正太郎はテープレコーダーを落としてしまいました。
オックスにテープレコーダーを踏みつぶさせようとするニコポンスキー。
しかし正太郎は再び〇八一五を使い、オックスの片眼を割ります。それでバランスを崩してしまうブラックオックス。
ニコポンスキーが〇八一五を撃つと、中から地図が現われました。
地図を追うニコポンスキーの前に投げナイフが飛ばされ、地図を刺します。
ブラックオックスの攻撃で気絶したと思われた村雨健次です。健ちゃん格好いい!(・∀・)
ニコポンスキーは地図の一部を破いて逃げてしまいました。
村雨健次が追いましたが、ブラックオックスに乗って逃げるニコポンスキーは、正太郎に再度バギュームに近づくなと警告します。「それが君とお父上のためにもなる」と言って。
正太郎はブラックオックスの攻撃を受けた時に破片でも当たったのか、怪我はしていないんだけど苦しそうです。
さすがの元陸軍諜報部員もバギュームの名は知らないらしく、去っていくブラックオックスを見送る村雨健次。
しかし振り返ると正太郎が気絶してしまっていたもので、慌てて駆け寄る村雨。なんだ、今までつんつんしてたのはツンデレだったからか…
そして正太郎は夢を見ます。
父の声で目が覚めると、父と不乱拳博士、ドラグネット博士が相談事です。テープレコーダーに入っていた例の会談ですな。
「あれを使うのか?」と言われ、「戦争が続く以上、仕方あるまい」と答える金田博士。
思わず正太郎は「やめて」と訴えますが、振り返った父の顔は、ガイコツ、死神のものだったのです。
そこで目覚めた正太郎。ぶかぶかのシャツを着ています。
そこは貧しいアパートっぽい部屋で正太郎は薄いせんべい布団に寝かされていました。って、せんべい布団なんて、今時知らない人も多そうだな! 家具は少なく、隅に小さい簞笥とちゃぶ台、いろいろと詰め込んだ段ボールっぽい箱が3つほど積まれているだけで、なぜか酒瓶だけは大量にあります。空っぽですが。
台所には洗っていない食器が積み重ねられてます。ううむ、見るからに独身男の部屋だ…
枕元には壊れたレコーダーが置かれていました。ちゃぶ台には操縦器。気の利く男だな、村雨健次。
ここはどこかと思った正太郎の正面の壁に、村雨竜作と辰の写真が貼ってありました。わかりやすいですネ
そこに村雨健次ご帰宅です。
正太郎はこの時になってやっと操縦器に気づきましたが、村雨がまた鉄人で悪さをしたと勘違い。「そりゃないだろう。凄い熱出してたのを看病してやったんだぜ」と答える村雨。「それに操縦器はこりごりだ」と言う村雨に思わず頷いちゃう正太郎。
「外を見てみろ」と言われて外をのぞく2人。すると、小高い丘の上に正太郎んちがありました。この構図、「天国と地獄」(黒澤明監督の傑作サスペンス。原案はエド=マクベインの「キングの身代金」)の犯人と被害者の家の関係まんまですよね〜 村雨健次もここから正太郎邸を見て、なにくそ!って気持ちを募らせた、んじゃないといいなぁ… まぁ、映画に含蓄のある今川監督ですんで、単に出してみたかっただけかもしれませんが。ちなみに「天国と地獄」は1963年、つまり昭和38年公開です。
正太郎は、こんなところから自分ちを見張っていたのかと立腹ですが、村雨は「たまたまだよ」と言います。でもいくつか物件があったら、ここ選んだんじゃろう?
そして双眼鏡を貸してくれる村雨。のぞいてみると正太郎邸をたくさんの警官が取り囲んでいました。まぁ、正太郎は行方不明になってるし、研究所は半壊してるし… 無理もない。
村雨が言うには行方不明だったブラックオックスが出てきたもので正太郎がまだバギュームの秘密を知っているんじゃないかと思われているんだそうです。もちろんそんなことはないし、オックスはニコポンスキーのせいなんですが。
そう言いながら、コンロに鍋をかけて火をつける村雨。
何か料理をするのかと思いきや、作ったのは即席めんなんですが… この話の時点(1956年)では実はベビースターのもとになった即席めんしか作られていないみたいです。村雨が作った湯をかけて食べられるタイプのは1958年に発売。
しかし、正太郎は「食え」と言われたそれが何だかわかりません。というか、映画でもそうだったんですが、正太郎んちの家事って誰がやってるのか不明だったりします。
まぁ、即席めんを知らないってところが正太郎のお坊ちゃんぶりを表わしていると思うんですが。
案の定、村雨にも言われてしまいますが、黙って食べ始める正太郎。おなか減ってるそうですよ。
一緒に即席めんをすする2人。
村雨は「これからどうする?」と訊きます。「どうやって親父の無罪を証明する?」と言い、「何なら手伝ってやろうか」と言うのを断る正太郎。「僕には鉄人があります」と言っちゃいます。昨日、呼んだのに鉄人が来なかったのを忘れたのか? って昨日じゃないか、もう。
すると村雨、「オックスが出たら、鉄人に暴れさせるのか?」と揶揄しますが、そういうことよね?
そして「どうしておまえにつきまとうのか教えてやろうか」と言い出します。
思わぬ話に拍子抜けしちゃう正太郎。
「おまえがこの先、鉄人をどう使っていくのか見届けたい」と言う村雨。ただ、さすがの村雨も正太郎が鉄人を悪用することはないと思っています。それは意外… でも、いつか兵器として使うかもしれない、それが村雨がいちばん案じていることなのでした。
抗議する正太郎にちゃぶ台を返す村雨健次。正太郎に第1話で言われた「兵器も使い方次第」と言って、自分のナイフも人を殺せる道具だと言われたことを根に持ってるようです。
ただ、スリルサスペンスが言ったように「いいも悪いもリモコン次第」ですから、鉄人が平和のためにも使える道具だと正太郎は証明しなければなりません。そうしないと、竜作や辰が何のために死んでいったのか、健次にはわからなくなります。
それにしても、ここの正太郎、ぶかぶかのシャツを着て、足は生なんだぜ〜
にらみ合っていた2人ですが、今度は背を向け合っています。いつの間にか、夕方になっちゃってます。
村雨健次は正太郎に、「おまえの気持ちも少しはわかる」と言います。
ただ、正太郎が金田博士を「素晴らしい科学者」と理想化していないか、と訊ねる村雨に、思い当たる節はあったのでしょう。
レコーダーに録音されていたことが本当だったら、父親の正体を知ることになるんだと言われ、戸惑う正太郎。
その頃、官房長官とビッグファイア博士は仲良くバギュームを見てました。
ビッグファイア博士曰く、「精錬途中のものなので、それほど危険ではない」そうです。
問題はバギュームが埋蔵されている、まだら岩の存在ですが、クロロホルムが「大丈夫」と請け負います。「黙っていても正太郎君が案内してくれる」そうですよ。
そして翌朝、なぜか不良少年の出で立ちをさせられている正太郎。村雨とお出かけです。
銀座をぶらついているうちに関刑事とスレ違い、見つからないことを喜ぶ二人。
それから浅草、上野とあちこち歩いているのは村雨曰く「工事現場や行商など、日本中を行き来している連中に訊いてまわるのがいちばん」という理由によるものらしいです。
でも、夜になっても見つからずに祭りに行く二人。
そこで正太郎は商売女の「知っている」に引っかかり、大金の入った財布を見せてしまいます。こういうところがお坊ちゃんですなぁ… 村雨に見つかって事なきを得ますが、少年探偵として活躍できたのは大塚署長の後ろ盾があってのこと、と言われてしまいます。「大塚の可愛がっている子どもに何かあったら悪事の世界では生きていけない」とまで言われる正太郎。少年探偵もこうなっては形無しです。
でも、財布を見せたもんで、後をつけられてしまう二人。
ところがそれに気づいて待ち伏せしたところ、後をつけていたのは大塚署長と高見沢さんだったのです!
二人とも正太郎のことを心配していましたが、関刑事から「正太郎と村雨が変な格好でうろちょろしているから」と教えられて来たのだそうです。変装役に立ってねぇ
照れて礼を言う正太郎。
大塚署長は、「わしらがいるから、おまえはもういいぞ」と村雨に言いますが、乗りかかった船と村雨が抗議しますと、大塚署長は署長ではなくて所長になったと言うのです。
高見沢さんもクロロホルムが気に入らないので辞めたと言い出します。
で、仲良く金田少年探偵事務所を立ち上げたのでした。
これには正太郎も村雨も苦笑するしかありません。
とは言っても、大塚所長もそれなりに頼れる人物です。二人が何をしていたのか訊きます。
ところが村雨から地図を見せられた大塚所長は唸り声を上げました。
正太郎が「まだら岩の地図だが、どこの山かわからない」と言いますと、大塚所長はマジ顔で村雨に「船を用意しろ」と言い出します。今日一日の成果って…
そしてやってきました、村雨一家のアジトの船。
村雨は、あの地図が海図だとはわからなかったと言いますが、大塚所長が知ってるのはそれだけが理由じゃないんだよね…
高見沢さんも村雨に同意してますが、村雨は「半分の地図だけでまだら岩の場所がどうしてわかったか」と鋭い指摘です。
ここで正太郎と村雨はいつものスタイルに着替えています。村雨さんちに行って、着替えてきたんでしょう、きっと。
船を用意しろと言ったわりには海図を前に唸っている大塚所長に、正太郎は「前からまだら岩のことを知っていたんじゃないか」と訊きます。そうそう、そこそこ。
すると大塚所長、あっさりと認めまして、「君と、君の母上が」と言ったところで、いきなり周囲を照らされてしまいました。船を用意したんだから、さっさと出発しろと…
水上警察まで現われ、正太郎たちは完全に包囲されてしまいました。
現われたのは官房長官、ビッグファイア博士、それにクロロホルムです。
官房長官は正太郎に「まだら岩に行かせるわけにはいかない」と言います。「これ以上、事を大きくしたくない」んだそうです。
ここで大塚所長、ビッグファイア博士を「性悪科学者」呼ばわりです。「おまえが来てから、金田博士は不幸になった」と言ってるんで、ビッグファイア博士の性格は知ってそうですが、さすがに第三黒龍丸(この名前、第五福竜丸のもじりか?)でバギュームを盗み出して逃げ出そうとした件は知らなさそうな…
すると官房長官に「だったら手を引け」と言われる大塚所長。「まだら岩に何かあったら金田の罪は確実なものになってしまう」と言います。バギュームの怖ろしさを訴える官房長官。「でも自分ならば、それをなかったことにしておける。だから地図を」と言われて、大塚所長は地図、じゃなくて海図を呑み込んでしまいました。知ってるんだから、海図がなくても行けるんじゃないの?
それを見たクロロホルムが「好きにしろ」と言い出しました。「ただし、自分とビッグファイア博士を同行する」という条件付きです。ええと、このクロロホルムは…
「それならば、どちらに転ぼうとも、ともに証明できる」と言うのに、正太郎が承諾します。「その代わり、鉄人を動かせるように」迫る正太郎。どうやら動かせないことはわかったようですよ。
官房長官は拒否しようとしますが、ビッグファイア博士が同意しちゃいます。
鉄人を先頭にポンポン船で出発する正太郎たち。
船の行く先は大塚所長が知ってます。船を操るのは村雨。
行く先を案じる高見沢さんに、ポンポン船で行ける範囲だから、まだら岩は案外近いと言う正太郎。鋭いな、相変わらず。
そしてビッグファイア博士を悪徳科学者呼ばわりした大塚所長は、「本当ならば今すぐ海にたたき込んでやるところだ!」とまで言ってますんで、以前、ビッグファイア博士が金田博士との仲を「犬猿の仲」と言ったのはあながち嘘ではないらしいですよ。
その時、村雨が前方に何かを見つけました。
岩礁の間を進んでいった先には戦時中に使われる予定だった海上要塞がありました。これは実在する東京湾要塞がモデルですが、実際には関東大震災で壊れてしまったため、使われなかったそうです。
そこら辺の事情が語られて、金田博士に岩が海面から出ている様から「まだら岩」と命名されたと紹介されます。
その時、無数の飛行物体が飛来してきました。
それは先頭を進んでいた鉄人を突き飛ばすような勢いで合体し、ギャロップになります。ここにいたのはPX団だから、大塚署長が更迭されるきっかけになったベラネードへの襲撃はやらせってことか…
ギャロップの攻撃により、船は沈められてしまいます。
その時、正太郎は海の底に輝く物質、バギュームを見つけました。そこは海底の墓場であり、殺された男の言葉がようやく出そろいます。
一人、まだら岩に上陸する正太郎。
出迎えたのはニコポンスキーでした。
タイトルほどの対決もしてないような気もするけど、次回へ続く。
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