久しぶりの視聴なんでレビューがクソ長くなっております。
ここから1〜3話の短編みたいな感じで進みます。このパターンは第16回の京都編まで続くようです。
どれも戦争というものが重くのしかかった話(怪盗ブラックマスクは別か)になっており、このシリーズを全編を貫くテーマの重さを暗示しているようです。
タイトルの前に戦後の10年間がおさらいされて、タイトル登場。
前回、鉄人の進撃で破壊されてしまった町で瓦礫を片づける作業に従事する鉄人28号。それを横目で見ながら、官房長官は誰かと電話です。話の内容から、敷島博士っぽいんですが。
官房長官は鉄人の扱いを敷島博士に移譲します。まぁ、民間に払い下げておけば、いざって時に言い逃れもできそうだし… なにしろ敷島博士がロボットに関しては第一人者のようなので、任せておけば安心ということでもあるんでしょう。
しかし正太郎は鉄人の扱いに苦心しています。少年探偵としては高いスキルを持ってますが、ロボットの操縦は素人同然のはずです。よく任されたなぁって気もしますが、そこは金田博士の息子だし、いちばん上手そうな敷島博士はしょっちゅう出かけているしで、正太郎に白羽の矢が刺さったと推測。
また官房長官は、鉄人の起こした損害の賠償を敷島重工に求めないことも言います。なにしろ戦争の遺物ですんで、あんまり公にすると日本もやばい立場にあるもんで、下手に賠償金なんか請求して事を荒立てたくないようです。あれは正体不明の飛行物として処理するとか言ってますが、ほかの国に攻められないといいですねぇ。
一方、ところ変わって敷島博士。テントの中で電話とは、どこかに出かけた模様。官房長官がすぐに話題を振ったのはかつての秘密研究所の後でした。今は砲弾の発射台が残っているだけで、官房長官の言う「面倒なものはない」と答える敷島博士。あっても黙ってそうですけどネ。そして爆破される発射台。
正太郎は引き続き片づけに従事ですが鉄人が思うように動かないことに苛立ってます。まぁ、何でもできる少年探偵なんで、鉄人って、初めて思うとおりに動いてくれないものなのかもしれませんが、意外とせっかちですネ。
そこに大塚署長登場。上手く動かせないことを嘆く正太郎に署長は「鉄人の気持ちになって一心同体に」とアドバイスしますが、正太郎には無碍に断られてしまいます。どうも少年探偵は生意気盛りのようですネ。それに自分が鉄人を操縦させられているのも納得していない感じです。同じ父の遺産でも、わりと疑いもなく受け入れ、操縦する大作とはそこが大きく異なるようです。
すると、遠くで爆発音が起こり、正太郎も大塚署長もそちらに気をとられます。好奇心旺盛ってのもあるんだろうし、慣れない鉄人の操縦にくさってもいたんでしょう。大塚署長とともに現場に駆けつける正太郎。
爆発で現れたのは腐った臭いを放つ緑色の液体が入れられた瓶と、地下の空間でした。しかも発破をかけたんじゃないって、勝手に爆発した?
最初は臭いに辟易していた正太郎ですが、さすが行動力では大人顔負けの少年探偵、率先して地下に下りていき、大塚署長も慌てて後を追います。
そこはかなり古いもののようですが、大塚署長、防空壕はそんなに巨大ではないと思います。それとも、軍の掘った防空壕でもあったのか?
備えよく懐中電灯を持っていたので、早速調査を始める2人。
そこはとても広く、放置されてずいぶん経っており、何かの研究所のようだと推測。
すると正太郎が扉を見つけ、力尽くでは開かないものの、壁に空いた穴から内部に侵入します。行動が大胆です、少年探偵。
正太郎が見たのは、無数の瓶に入れられた緑色の液体。その中には液体以外の物も入っており、正太郎が落とした物の中には手首でしたが、それ以外にも無数の標本サンプルばりに揃ってそうです。しかもその部屋には階段があり、どこかにつながっているわけではないですが、中2階とも言えるところにひときわ大きな水槽が置いてあったのです。
それを見に行く正太郎。階段にも所狭しと置かれた瓶。
水槽のところまで着いた正太郎ですが、中に閉じ込められたものを見るなり、懐中電灯を落とし、悲鳴をあげます。わりと珍しい気もするんですが、どうだっただろう…
ここで水槽の中にあったものを明らかにしないまま、場面は一転して大塚署長の執務室へ。貴重な女性キャラ、高見沢秘書の登場です。声と容姿は「白昼の残月」と同じなんですが、キャラが全面的に変わっておりまして、映画から入った身にはすげぇ違和感ですよ…
高見沢さんは正太郎が悲鳴をあげたことを笑ってますが、大塚署長には「君だったら気を失っとったぞ」とか言われてるんで、水槽のなかには相当なものが入っていた思われますが、中身を知っていると逆に正太郎が悲鳴をあげた理由が不明なんですが、死体とでも思ったんだろうか…
で、高見沢さんが伝えるスケジュールでは、地下から取り出された水槽は警察署に持ってこられ、一時、地下の倉庫に保管されることになりました。
しかし、戦時中の実験の1つらしく、署長はそういう資料があまり自由にならないと言います。唯一の手がかりは水槽の貼り紙でした。「不乱拳 ここに死して生を受ける」から、不乱拳という名から、大塚署長の言う医療関係か生物学の線からたどれば見つかるだろうと言ったとおり、わりとすぐに見つかります。その経歴は意外なものだったらしく、揃って言葉を失う3人。
不乱拳がいたのは、どこかの刑務所、かと思っていたら、後で病院と言ってたんで、精神病院っぽいです。格子戸あるし、面会も網戸越しなんで。
その容貌は「ジャイアントロボ The Animation〜地球が静止する日」のフランケン=フォン=フォーグラー博士そっくりですが、元ネタは「鉄人28号」で、温厚な人格者だったフォーグラー博士に比べると、マッドっぽい印象。
そして、不乱拳は正太郎たちの質問には白を切ります。緑色の物質でもあれば分析はわけないとは言いますが、それも道具がなくてできないと言うんですから、誰でも何か隠しているなというのがわかる展開ですが、大塚署長も正太郎も、さすがに拷問してまで取り調べようとは思いません。いい人だからね。
しかし、それをいいことに強気の不乱拳は「金田博士より自分のが優れていた」とか「あまりかかわらないことだ」とか正太郎を挑発しまくりです。
ただ、この後のシーンで病院から帰る正太郎と大塚署長のやりとりで、「爆発でね。それがいい。この世には生まれてはならないものがある」と言ったのは、金田博士を彷彿とさせるので、ただの気違いとも言えない様子です。
そして、自分の病室(窓に鉄格子入り!)に帰った不乱拳は、熱心に床に書きつけます。やがて、それが部屋中、床から壁から書き尽くされ、一部には、今回のタイトルにもなっている怪ロボット(ブラックオックス。通称ぬこ)もあり、一連の事件と不乱拳との繋がりをはっきりと明示しているのですが、正太郎たちは病室には来られなかったか来なかった模様です。
また正太郎たちの車とすれ違った謎の車の運転手、サングラスの男は、水槽が運び出された工事現場に居合わせたサングラスの男まんまですが、てっきり村雨健次かと思っていたら、後のシーンで拘置所に入っていたことが発覚、別人でした。
しかし数日後、敷島博士が帰還します。空港まで迎えに行く正太郎。その姿を見つけて嬉しそうな博士。微笑ましいシーンですが、博学な博士の登場で事態が動き出します。相変わらず、ちゃんと話さないので正太郎たちもわしもわけわかめです。
まず、水槽を見るなり「何でこんなものが残ってるんだ」と驚く博士。
さらに大塚署長が拾った名簿を見せると、ひったくって、ページをめくり、いきなり1枚破り取ってしまいます。いや、だから、そういうことする前に説明しろと…
そして、不乱拳博士のいた病院に連絡を取らせますが、博士は正太郎たちとの面会の後で退院したと言うのです。
そうと知った敷島博士は、あの水槽を守るべく警戒態勢を敷かせた上、大塚署長と一緒に総理官邸へ向かいます。後のことを正太郎に託して。って、おいおい。いくら鉄人がいるとはいえ、それは大人としてちょっと無責任なんじゃあ…
とどめに定時だからと言って帰っちゃう高見沢さん。まぁ、この人だけはいてもいなくても、たぶん、あんまり変わらないように思いますが。
そして夜になって、村雨健次の入れられた拘置所の正面に、例の水槽が運び込まれます。
一方、敷島博士たちの帰りを待つ正太郎は、遅いのを案じて迎えに行きます。この行動力はさすが、自分で車を運転する少年探偵ならではでしょう。
しかし、その最中、霧が濃くなってくると同時に、怪しげな足音が響いて、正太郎の行く手にロボットが現れたではありませんか。ぬこ来た━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!! それにしても正太郎の運転はよそ見しすぎで危ないのですが、車も歩行者も少なかったこの時代、対向車の心配とかもないのかもしれませんな。
ですが、現れたロボットにぶつかりそうになってハンドル切ってるんで、やっぱりよそ見は良くないと思います。
ロボットが向かっているのは正太郎が離れた拘置所です。
村雨健次がふて寝してますと、所内に警報が響き渡りました。
やってきたロボットに警官たちが拳銃で応戦しますが、効くはずもありません。
そこに正太郎が戻り、鉄人を呼んだのでどくように言います。
やがて現れる鉄人28号。正太郎は鉄人に「見せてもらうぞ、おまえの強いところを」と言ってますが、基本、鉄人は「いいも悪いもリモコン次第」なんで、結局、正太郎の操縦の腕前が上達しないと意味がないような…
しかし始まってしまうロボット大戦。ぬこロボット(猫耳なので)と鉄人28号の戦いはパワーではほぼ互角と大したものです。
ところが、ぬこロボットの指先から発射された黒い霧が鉄人のコントロールを危うくさせていきます。でも正太郎はなぜか、霧と鉄人の関係に思い至りません。ここら辺が大人並みの活躍を見せるけど、中身は子ども、の本作の正太郎の限界なのかもしれません。まぁ、わしも、ここら辺は一回見てるからおかしいと思うけど、初見だとどうだっけという気もしますが…
一方、拘置所の村雨健次の上に瓦礫が降ってきました。2体のロボットの戦いは、それほど周囲に影響を及ぼしてしまうものなのです。
警官たちが慌てて水槽の様子を見に来ますが、逃げられない健次や水槽を放って、瓦礫が降ってきて危ないってんで逃げ出してしまいます。
その時、水槽の中に見えたものに驚愕する健次。彼も、相当な修羅場をくぐってそうな人物ですんで、それほど驚くもの、正太郎が悲鳴をあげるようなものが入っているんですが、だから、そんなに凄いのかというと… うーん、まぁ、確かに驚くかもしれんけど… 一回見てるから、そう言えるだけなのか…
そして、鉄人はぬこロボットに一方的にやられちゃってます。正太郎は自分がうまく操縦できないせいだと思ってるようですが、なかなか辛い相手ですよね、ぬこって。
とうとう拘置所に投げられてしまった鉄人。
村雨健次の牢も半壊し、水槽の中にいたものも外に出てしまいました。緑色の皮膚を持った巨大な怪物っぽいですが、この物語、初出のモンスターとかロボットは隠すのが好きなんで(鉄人28号しかり、27号しかり…)、この怪物も例に漏れず、布を身にまとってます。その姿は次回のお楽しみってところですネ。
ぬこロボットが探していたのは、あの水槽でした。しかし、村雨健次の前に怪物が現れたことで、その中身は逃げおおせてしまっています。
目的を果たせなかったぬこロボットは、辺りを探し回るということはしないで去っていくのでした。
翌朝、拘置所に倒れたままの鉄人28号。正太郎、倒したままにしないでちゃんと回収しようよ〜 それともいつまでも操縦が復活しなかったんでしょうか?
そこにやっと帰ってきた敷島博士と大塚署長に詫びる正太郎。正太郎一人に責任を押しつけるのもどうかと思うよ…
2人は不乱拳博士の入院していた病院を再度訪れ、博士がいきなり退院した事情を詳しく聞いてきたようです。
すると、正太郎たちと入れ違いに訪ねてきた者がいて、水槽が1つ完全なまま残ったことを教えてしまいます。大塚署長が正太郎に口止めしたのはこのことでした。しかも「かねてからの指示どおり、黒い牛は完成している」と言います。「あとは頭の設計図だけだ」とも… こうして映し出された博士の病室は床といい壁といい、怪しげな落書き、もとい、黒い牛=ブラックオックス=ぬこロボットの設計図となっていたことがわかるのでした。暮らしにくそ〜
そして退院してしまった不乱拳博士。ていうか、いかにも精神病院なかまえなんですが、そう簡単に退院できるのだろうか… 病院では模範的な病人だったのか? もちろん、壁の落書きはきれいさっぱり消されてしまっています。
敷島博士が、ぬこロボットについて何もわからなかったと言おうとするのを遮って、正太郎は「鉄人が役に立たないことがわかりました」と言い切ってしまいます。
これから始まる悲劇を予感させて、以下続きます。
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