わしの好きな「京都編」です。梅小路綾子さんのキャラが好きなんじゃよね〜
物語は戦時中の京都からスタート。雰囲気がこの後に来る「最終章」に似た感じです。
竹林の中を走ってくる眼鏡の男性。その背後で光を発する京都の町。
しかし彼が目指す家からは女性の悲鳴が聞こえ、軍服姿の男が殺されています。
それを驚いて見つめる白衣の男たちに、さっきの眼鏡の男性に口をふさがれた女性が一人。
それらの男たちを見つめる機械の目。「僕の… 僕の名前は…」と言葉を発しますが、あまりうまく言えません。
そして、さらにもう一人、殺されます。その死体は警察官に見つけられますが、悲鳴とともに燃え上がる寺院らしい建物。
炎にまかれる無数の仏像。その中に小さい生き物がおり、明らかにさっきと同じ声で「僕の名前は」と言ったところでタイトルです。
「人工知能?」と言って振り返る敷島博士に大塚署長が頷きます。
昨晩の国宝焼失事件、というのはタイトル直前の火事のことでしょう。その犯人が小さなロボットだったと大塚署長は言って、捜査の協力を物知りの敷島博士に頼みに来たようです。まぁ、その手の研究なら、何らかのつながりがあるでしょうからねぇ。
そこで正太郎が「小さなって?」と訊きますと、正太郎くらいの大きさのロボットが、焼失した寺院の屋根にいて、自由に動いていたと言うのです。
ところが敷島博士はこれを笑い飛ばします。人工知能の研究は進んでいるけれど、とても大きいので、そんな小さなロボットでは無理だということらしいです。
そこで正太郎は身元不明の焼死体があって、その人物が操縦していたのかと言います。
大塚署長も敷島博士の知り合いに人工知能に詳しい科学者はいないかと訊きます。
そこで考え込む敷島博士。
しかし、「知らないな」と言ってお茶を濁してしまいます。何か知ってるのが見え見えですよ、博士。
そこに電話がかかり、敷島博士の知り合いの川原崎という人物からでした。どうやら京都の知り合いらしいのですが、しばらく音沙汰がなかったらしく、世間話から入ろうとする敷島博士を「そんな話をしている場合じゃないぞ」と咎めます。
舞台が変わり、その川原崎の自宅らしいのですが、大会社の社長で前途有望な敷島博士と違い、貧しい家に住んでいます。
それで敷島博士が「おまえも人工知能か?」と訊きますと、「それもある。だが新聞を見て気づかなかったのか」と返されてしまいました。
写真、それも小さい方の左端を見ろと言う川原崎。
ところが、電話に夢中になっている川原崎は、侵入者に気づきません。
一方、言われたとおりに写真を見た敷島博士は「ただの野次馬」から、息を呑みます。
「まさか」と呟いた敷島博士に、川原崎は「そうだ。綾子さんだよ」と言います。
そうしてアップになったのは尼僧姿の女性でした。
ところが敷島博士は彼女、綾子さんが死んだものだと思っていたのです。
「驚くのも無理はない」と答える川原崎。
足音は背後の階段を昇っていますが、まったく気がついた様子はありません。
その時、階段に機械じみた手が現われ、さすがの川原崎も不審に思って振り返りました。たぶん、安普請の家なんだよ、きっと…
ところが、次の瞬間には家の外に稲妻が走り、川原崎は電話の向こうで悲鳴をあげました。
そのまま電話は切れてしまい、敷島博士がいくら呼びかけても二度とつながることはありませんでした。
川原崎の家からは火の手があがっており、この事件を解明すべく、正太郎と敷島博士、大塚署長は夜行で京都に赴きます。
寝台列車もない時代なもので、「999」ばりに堅そうな箱席で京都に向かいます。
大塚署長は京都府警から捜査への協力を依頼されたそうです。まぁ、ロボットのことなら敷島博士、というのが鉄則なんでしょう。
正太郎はコートをかぶってお休み。さすがの少年探偵も眠気にはかなわないものと見えます。
それを横目で見ながら、酒を飲むおっさん二人。
そして、一瞬の回想に初登場、敷島博士の妻子です。博士が50代とすると子どもはずいぶん小さいですな。
大塚署長も綾子さんのことは知っていました。でも、やっぱり死んだものと思っていたようです。大塚署長は出征してないはずなんですが…
すると敷島博士は「まだそうと決まったわけじゃ」と言って、古くさい縫い物を取り出します。それは綾子さんの千人針だそうで、そんなものを持っているということは、敷島博士と綾子さんは憎からぬ間柄ということですなw しかし、この千人針、ただの千人針じゃないんだぜ… すげぇ高性能というか、すごい秘密なんだぜ…
ただ、奥さんをもらっても大事にしていたということは、敷島博士の中には今も綾子さんがいるわけなんですな… それで結婚が遅れたのか、ただ、10年前の敗戦時、敷島博士は40歳ぐらいなんで、むしろこの時代にしては超のつく晩婚ではないかと思うのだが…
で、その千人針は綾子さん曰く「京の町に見立てた」んだそうですよ。千人針って、千人が一差しずつなのに、一人で千針でもいいんでしょうかね? 「
この世界の片隅に(こうの史代著)」(リンク先はレビュー)という漫画で「寅年だけ年齢の数だけ刺してよかった」というシーンがありまして、主人公のすずは丑年なんだけど、「丑でもいいじゃろう(舞台は広島)」と寅年のために千人針の依頼がわんさか来る妹に代わって針を刺してやるというシーンがあったので、綾子さん一人で刺したら、敷島博士は嬉しいかもしれないけど、そもそも反則じゃないかと思ったり、どうせ一種のまじないなんで、誰が刺そうがどうでもいいかとも思ったり。
大塚署長は「綾子さんらしいなぁ」と言ってますんで、そういう知的な細工が得意な女性だったようです。
ところが、その千人針をかわす敷島博士と綾子さんが写りますと、冒頭の眼鏡の男性が敷島博士、彼が口を塞いでいた、パーマっけのある髪型をした女性が綾子さんだったとわかります。
二人は敷島博士の出征前に結婚したのでした。
でも、敷島博士が金田博士の遺骨を抱いて復員した時、その家は空襲で焼けてしまっており、彼の帰りを待っていてくれるはずの女性もいなかったのです。それは死んだと思っても不思議はないな… 綾子さんには綾子さんの思惑があったんだけどさ…
そして回想シーンは終わりまして、電車の中で一人、物思いにふける敷島博士に、仲良くお休みの正太郎と大塚署長。
ちなみに鉄人も一緒の機関車にひかれて同行です。飛んでったりはしないんですな。
こうして舞台は京都に移ります。未見ですが、今川監督の「七人のナナ」というラブコメも舞台が京都っぽい町らしいですよ。と思ってGyao!ストアで検索したら、見られるって! おお、見たい。
閑話休題。
京都が空襲を受けなかったことなどがさらっと語られますが、「この古都さえ、戦争のもたらした傷痕と無縁ではなかったことを敷島は思い知らされることになる」とナレーション。そうなんですよ、「京都編」の主人公は正太郎ではなくて敷島博士な気がしますな。
京都に着いて、正太郎は感嘆します。「冬の京都こそ、本物の京都」とか言っちゃって… おませですな。大塚署長にもからかわれて、「ちょっと調べてきた」と言い訳。
でも、高見沢さんも一緒に来なかったのを「怒るだろうなぁ」と案じる正太郎。彼女はちょうど休暇中で、置いていかれてしまったのでした。
すると大塚署長も敷島博士も笑い飛ばしました。
3人がお世話になる平田屋という料理屋は、実は高見沢さんの実家だったからです! そのわりには全然京なまりがないようなんですが…
平田屋はいかにも京都らしい老舗で、築400年の民家を使い続けているそうです。それも調べてきたのか、正太郎。そんな民家を「きれいだなぁ」って、渋い趣味やなぁ…
すると、「またおこしやす」と言ってお客を見送った和服姿の女性は、何と! 高見沢さんだったのです! まぁ、実家だから当然なんだけど。驚く正太郎。
それで敷島博士から、元々は平田屋の女将(CVはナレーションの鈴木弘子さん)に世話になった縁で、娘の高見沢さん(そう言えば、フルネームは不明のままですな。モデルは原作の大塚署長の奥さんだそうだけど)を大塚署長の秘書に世話したのだそうです。
で、ちょうど休暇で帰省していたところ、事件で京都に来ることになった敷島博士らに「来たら」と誘ったわけだったのです。
まだ驚きを隠せない正太郎に、「あたしの着物姿に見とれちゃったとか?」と言って、ずっこけちゃう高見沢さんに、敷島博士も大塚署長もため息です。どっちも娘みたいなものなんでしょうな。
そこに平田屋の女将が登場、敷島博士たちの早い到着に驚いています。大作といい、正太郎といい、フォーグラー兄妹といい、母親の影はわりと薄めな今川作品ですが、「真マジンガー 衝撃Z編」でくろがねやの女将が大活躍だったように、女将というポジションは好きなのか、今川監督?
博士が「ご無沙汰しています」と言えば、「そんな堅苦しいこと言わなくても」と言っちゃう女将、けっこう気さくな性格なんでしょうか。
大塚署長の髭に「偉くなって」とか言ってるし。けっこう若い頃から知られてそうです。
そして正太郎は敷島博士の息子、鉄男と勘違いされます。敷島博士はすぐに訂正しますが、まぁ、有名人なんで「誰それ?」にはならないと思いますが。
しかし、女将さん、鉄人を「仏像」呼ばわり。京都の人にはあれが仏像に見えるのか…
店の名物の「しんこ」というものをご馳走になった正太郎たちは、京都府警に挨拶がてら京都の町を見学してから、川原崎の葬式へ行くことになります。というか、大塚署長はともかく、正太郎まで葬式に行かなくても良さそうなものですが…
高見沢さんは「町を案内してあげる」と言いますが、女将さんに「あんたは店の手伝いや」と言われてしまいました。
出かける3人を見送った高見沢母子でしたが、敷島博士のことが心配そうです。
3人は現場検証。しかし、川原崎の家は丸焼けで証拠も何も残っていません。
敷島博士が「「ここだけ異常に電圧のかかった焼け方だ」と言って見上げているのは電線から電気を引き込むところでしょうか?
しかも電話の最中は京都中が停電していたそうです。川原崎の家に全ての電流が一気に流れ込んだようだ、と思う敷島博士。
その時、敷島博士は現場に手向けられた花束と線香に気づきます。
すると検証中の刑事曰く「朝方通りかかった尼さんがあげてくれた」ものだそうです。
そう言えば、綾子さんと思しき女性も尼さんの格好をしていました。
そして川原崎の葬式。正太郎も参列しています。
お焼香が終わって、正太郎に外で待つように言う敷島博士。何か用でもあるのか?
正太郎は京都が寺や神社ばかりであることに感心しています。「まるで時間が止まっているみたいだ」と言う正太郎に、話しかけてきた女性がありました。
新聞の写真を出したところを見ると綾子さんと思しき女性かと思いきや、それは敷島博士の方の用事でした。
二人の男と会った敷島博士は新聞の写真を見せて確認してもらっています。二人も「確かに似ている」と同意します。10年も経っていますが、美人は忘れないものですな!
しかし、綾子さんの生存が川原崎の死にかかわっているかどうかはまだ不明です。
ところが二人から高嶺という人物まで行方不明なことを知らされる敷島博士。仲間内の行方不明などの異常事態は川原崎も入れて3人目だそうです。仲間の一人、春日という人物も停電の晩に事故死したんだそうですよ。
敷島博士の脳裏に戦争中のことが蘇ります。
ここで話が冒頭の事件につながりまして、若き(と言っても10年前なんで40代)日の敷島博士は殺された軍服姿の男を見て「いったい誰が」と呟いています。
その時、正太郎が呼びかけました。彼は川原崎家の焼け跡に添えられたのと似たような白い花束と線香を持っていました。
いつの間にか二人の仲間はいなくなっています。
正太郎は、それをとてもきれいな尼さんに頼まれたと言います。
驚く敷島博士。
頷いた正太郎は振り返り、下を歩いていく女性だと言います。
それは新聞に載っていた尼でした。急いで追いかける敷島博士。
振り返った尼さんは「敷島くん?」と口走ります。
やはり彼女は綾子さんだったのです。
綾子さんと再会した敷島博士は、平田屋に行きます。
どうやら平田家の女将と高見沢さんは綾子さんと知り合いらしく(年齢を考えたら、高見沢さんは戦中生まれなんで、綾子さんと面識があっても不思議はないわけです)、「綾ちゃんだぁ」と言って喜んでいますが、女将さんには「その呼び方やめい」とたしなめられています。
正太郎は綾子さんの素性を訊ねます。昭和20年生まれの正太郎は戦争中の敷島博士を知らないのでした。
綾子さんは敷島博士の昔の奥さんだそうです。正太郎はショックを受けますが、今の奥さんがそんなに好きなんでしょうか? 影も形もありませんが…
それで女将さんが説明してくれるには、出征が決まった敷島博士(この時代は博士じゃないんですが)でしたが、「家系を絶やさない」というのが第一の風潮だった時代です。どう見てもとっくに行き遅れな感じですけど、婚礼だけでもということで奥さんをもらいました。それが綾子さんだったというわけです。でもさ、京都の町を模したという千人針を送ってくれるんだから、それなりにらぶらぶだったんじゃないですかね。
ところが綾子さんは何も覚えていないのだそうです。
でも好きだったレコードを一緒に聞きながら、思い出を話す敷島博士。
敷島博士は東京在住で京都には通っていたらしく、東京から来るたびに女将さんにこの座敷を使わせてもらっていたそうです。
綾子さんは「この店のことはうっすらと」と言いますが「敷島くん?」って言ったのは何でだったのだ?
男と女がおおっぴらにつき合うことを許されなかった時代でしたが、敷島博士と綾子さんは何回もデートしました。でも知的な女性だった綾子さんには、そういう考え方はナンセンスだったので、外でも堂々と腕を組んで歩いたそうです。知的な上に強気だよ、この人!
でも一度だけ憲兵に見つかって、誤魔化すために学術書を片手に論破し合ってる振りまでした上、憲兵にまで議論をふっかけるとは、やりますなぁ…
敷島博士も青春してますよ! どう考えても40代なんですが… 勉強が長すぎて遅すぎた春か?
京都の町を何度も散策した2人。綾子さんは「永遠に変わらない町が何よりも好きだ」と言っていました。「絶対に京都を離れたくない」と。
それなのに綾子さんは出兵寸前の敷島博士に嫁ぎます。それは敷島博士にとって、驚きであり、喜びでもあったでしょう。
そして贈られた千人針。敷島博士は戦争を生き延びられたのはこれのおかげだと力説しますが、綾子さんはやっぱり何も思い出せないようです。
「ゆっくりでいいんです」と答える敷島博士。しかし、奥さんと子どもはどうするのだ?
敷島博士と綾子さんのことを知って感激する高見沢さん。
そこに正太郎が「博士には奥さんも鉄男くんもいるんですよ」と突っ込みます。当然ですな。
今度は多数の地蔵が立ち並ぶところを散歩する2人。
敷島博士は戦後、綾子さんを探さなかったことを謝罪します。すっかり焼け果てた東京に彼女が生きていたとは思えなかったのです。
でも綾子さんは京都に帰っていました。そのことに思い至らなかったことを詫びる敷島博士。
お地蔵さんのある寺は、綾子さんが預かっているのだそうです。その人物には京都に戻った時に世話になって、その縁で寺を預かることになったとか。
で、核心を訊く敷島博士。
すると綾子さんは「子どもと2人で」と答えます。それが誰の子かは訊かない敷島博士。まぁ、10年も会ってなかったんですからねぇ〜 しかも自分も妻子のある身です。でも未練たらたらな感じです。
そして博士と別れて、綾子さんは家に帰ります。
「遅くなってごめんね」と言ってるあたり、うちでは子どもが帰りを待っていたようですが、その姿は映されません。
平田屋に戻る敷島博士にかぶる綾子さんの話ですが、やがて彼女が仏像と向き合っていることがわかります。子どもはどこ?
「お母さん、わからない」と打ち明ける綾子さん。記憶を失っているという話は、どうなっているのでしょうか?
そして鳴り響く電話。
応答する子どもの声は、冒頭で聞こえた「僕の名前は」と言っていた声に似通っていますが、たどたどしさはなく、伝言を母親に伝えることを請け負います。この場合は、綾子さんなんだろうな…
そして京都府警。
大塚署長は敷島博士が何かを隠しているようだと心配しています。今に始まったことじゃないから! 敷島博士はしょっちゅう何か隠していて、大事なことを言わないから!
それで大塚署長は過去の事件を遡って調べてもらいました。幸い、空襲を受けていない京都府警には戦前の事件の記録もそっくり残っています。
そうしたら、敷島博士がかかわった事件がかつてあったというのです。
大塚署長は敷島博士が戦前、京都にいたことは知っていましたが、軍事機密とやらで何のためかは教えてもらえなかったそうです。
でも記録を調べたら出てきました。「人工知能開発計画」、冒頭で敷島博士が大塚署長に訊かれたことです。
敷島博士は「無理だ」とは言いましたが、それは小さなロボットには搭載できず、広い部屋がいるからって言ってなかったかな?
でも正太郎と大塚署長は「できない」と受け止めたらしく、それを可能にしたのが不乱拳博士の弟子たちだったのです。
集合写真を見ると、若き日の綾子さんっぽい女性のほかに、敷島博士が川原崎の葬式で会ったメンツが何人もいますよ。
そこで正太郎も思い出します。敷島博士は一時期、不乱拳博士に傾倒していたことがあったのです。金田博士と南方に行かされる前のことだったようです。
不乱拳博士は怪物さんを作る前に人工知能の研究をしていました。
ところが不乱拳博士は人工知能の研究から離れてしまいます。それが冒頭で起こった殺人事件です。
不乱拳博士の弟子たちは博士が鉄人第弐計画のために京都を離れてからも人工知能の研究を続けていました。人工知能にはロビーという名前がつけられ、第一段階が成功した直後に事件は起きました。
その時、敷島博士は不乱拳博士の使いで京都を訪れて、事件に遭ったのですが、冒頭のシーンから鑑みるに、彼が弟子たちの研究室を訪れた時にはもう事件は起こった後だったようです。
殺されたのは軍の監視官で、容疑者は不乱拳博士の弟子たちだったのですが、事件は迷宮入りした模様。
完成した基盤と回路図も行方不明になってしまったといいます。
さらに大塚署長は事件の時、京都中が停電だったことを付け加えます。戦時中のことですんで、空襲とかもあったし、みんな、いつものことと気にしなかったのですが、10年以上も経って、似たような状況で事件が起きていることを指摘する正太郎に大塚署長は頷きます。
そして、焼死体の身元も判明しました。って、どの事件やと思ったら、国宝焼失事件の時の話でした。その被害者も不乱拳博士の弟子の一人だったと言うのです。
すると京都府警に敷島博士を初めとする不乱拳博士の弟子たちが呼び集められていました。大塚署長は関与していない模様ですが、敷島博士は大塚署長に呼ばれたものだと思ってます。
すると京都府警の人、エンディングで寺町刑事と判明、が自分が呼んだと言います。これまでの犠牲者が不乱拳博士の弟子なので、1ヶ所に集めておけば守りやすいと踏んだのでしょう。
ところが弟子の一人が「警察は自分たちを疑っている。10年前のあの事件だってね」と言い出したもので、敷島博士のお気に召さなかった模様。「あれを調べたのか、大塚」とえらいご立腹です。いや、だから、そう何でも隠したがるあなたの性格に問題があるのだと…
大塚署長は慌てますが、寺町刑事は慌てず騒がず、「重要参考人」と言い出します。
そこに綾子さんが登場、どうやら電話の主は警察だったようです。
敷島博士が驚いたのはもちろんですが残る2人も綾子さんが死んでいたと思っていたらしく、生きていたことに驚いています。
ところが、これで怒り狂っちゃった敷島博士、綾子さんの手をとって、帰っちゃいます。「重要参考人」が勝手に帰っていいのだろうか…
正太郎は「あんなに怒ったところは初めて」と言っているように敷島博士といったら、基本、いつも温厚で声を荒げることもないのですが(言ってることはマッドだったりしますが)、やはり10年前に生き別れた妻がからむと感情的になっちゃうんですかね。まぁ、この後も爆弾発言してますもんね。
でも大塚署長は事件の鍵を握っているのが不乱拳博士の弟子たちだと言うのでした。
手に手を取って逃避行の敷島博士は夜の京都を綾子さんとデートです。ちゃっかりしてはる…
その時、京都中が光ります。
五重の塔から2人はそれを見下ろしていましたが、綾子さん「あの時の夜みたい」と口走ります。ていうか、露骨に怪しいんですけど、それ…
「まるで空襲の夜みたい」と誤魔化す綾子さんに、敷島博士は何となく安心した様子。
そして、いきなり「東京へ帰ろう」と言い出します。奥さんや子どもはどうするのだ、博士?
敷島博士は「これ以上、京都にいることが耐えられない」と言いますが、そんなに嫌な思い出ありましたっけ? さっき、京都府警に重要参考人呼ばわりされたから? プライドの問題か?
すると綾子さん、まじ声で「私も京都が嫌いです」と言います。驚く敷島博士。
「こんな町、燃えてしまえばいい。何もかも燃えてしまえば」と冷たい表情で口走る綾子さんに、敷島博士は思わず「綾子!」と言いますが、その時、京都の町全体が停電に陥りました。
もちろん、京都府警の建物も停電です。
大塚署長は急いで蝋燭を持ってくるように命じますが、ガラスを破って侵入者がありました。その姿格好は国宝焼失事件の時に現われた小さいロボットによく似ています。
そして、不乱拳博士の弟子は、また一人、殺されてしまいました。早ッ! エンディングの声の出演を見ると、大原か助川らしいんですが… 大原なんか白昼の残月(「ジャイアントロボ The Animation〜地球が静止する日」登場の十傑集の一人)と同じCVですよッ!
殺したのは例の小さな侵入者です。大塚署長、いくら犯人とはいえ、いきなり府警で発砲していいのか…
しかし、大塚署長が追いかけようとすると、まだ息があったそうで… 窓の外に飛び出した犯人を追ったのは正太郎だけとなりました。
不乱拳博士の弟子は「犯人がわかった。敷島」と言い残して息絶えてしまいます。
一方、犯人を追いかける正太郎、鉄人を召喚します。
あっさりと捕まっちゃう小さいロボット。
正太郎は操縦者を捜しますが、「鉄人」と呼んだ言葉に反応して、小さいロボットは「違う。僕は鉄人じゃない」と言い出しました。「僕はロビー。鉄人になれなかったロビー」と言って、自爆してしまうロボット。
その頃、綾子さんはお地蔵さんの間を必死に走っていました。敷島博士とはいつ別れたのだ? というか、あんな不審なことを言っておいて、敷島博士が綾子さんをそう簡単に解放するとは思えないのだが…
綾子さんは「坊や坊や!」と子どものことが心配のようです。
「そんな」と嘆く綾子さんに、サングラスの男が声をかけます。これって… 不乱拳博士の事件の時に現われたグラサン男か? 声は同じ関さんですが… 似たような顔の別人とか… 名前がついているわけじゃなし… 男は「新しい入れ物なら用意できていますよ」と言いました。たぶん、さっき自爆したロボットのことでしょう。
立ち上がる綾子さん。
男は「いい子に育ってくれたじゃないですか」と褒め、「記憶喪失とは良い手を思いつきましたね」と言ってますが、ばればれではないのか、敷島博士には…
男は「梅小路綾子博士」と呼びかけて、「京の町を燃やす準備は整いました」と言います。
表情を引き締める綾子さん。
こうして事件は次回へ続きます。
「京都編」だけエンディングがチェリッシュの「なのにあなたは京都へゆくの」になってます。
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