五味川純平著。光文社文庫刊。全9巻。
満州事変の前後を描いた第2巻です。
この方、小説の部分はおもしろいのですが、資料の引用部分がつまらなくて、けっこう長いのでだれます。「人間の條件」はそれがなくて、終始、梶と美千子の話だったので長くてもけっこういけたのですが、戦争と人間は舞台が広がっているので登場人物も多彩になった分、おもしろいところとつまらないところがはっきりしてきた感じがします。それに加えて註がまた長いし…。
ここら辺は小説に徹した「
満州国演義」と対照的なイメージですが、作家の作風の違いでもあるんでしょう。
伍代家の2代目・英介が典型的なダメな2代目で、でも高橋悦史さんのイメージとつながらないでいます。どっちかというと「
ロード・トゥ・パーディション」のダメ息子に読めるのですが、もう顔は忘れたので、まぁ、どっちでもいいか…。キャラ的には伍代家の2代目なんで、周りの人とか無関係な人びとに多大な迷惑をかけ続けていきそうで、嫌な奴なんですが。
最後は日本の敗戦で伍代家も没落するようなので(予算不足のために作られなかった映画の第4部)最後まで頑張って読もうと思いますが、Twitterでいろいろと興味深い書名が紹介されているので、もっとペース上げないと…。
[0回]
PR