ダン=ブラウン著。越前敏弥訳。角川書店刊。
早速、下巻を借りに行ったら、予約していた「炎の回廊 満州国演義4」も届いていたので急いで読みました。
謎解きは相変わらずおもしろかったのですが、肝心の導師の正体がええ〜?って感じで、おもしろくなかった上、ラストでソフィー(ラングドン教授と終始行動を一緒にしてきた、話の最初で殺されたルーブル美術館館長ソニエールの孫娘)が、
キリストと
マグダラのマリアと、さらにはフランスの初代王朝メロヴィング王家の血まで引いているという結論にいたっては、どっちらけな終わり方でした。これ、映画を見に行かなくて良かったわ。たぶん、最後でちゃぶ台返してるよ、わし。
わしは、こういい「血筋が尊い」という価値観はまったく好きではないので、いくらソニエールがシオン修道会の総長だからといって、そこまでごてごてとおまけをつけなくても良かったんじゃないと思いましたし、だいたい、
キリストがソロモンとダビデの末裔だってことだって、どこまでそんな血筋が残っているものやらと懐疑的な人ですんで、作者の宗教観というか、価値観が最後の最後に見えた感じで、わしはパスしたいと思いました。
最後まで悪役然としていたファーシュ警部が、実は等々力警部(「金田一」ものの)並のうっかりさんだったことも納得がいかず。途中でアリンガローサ司教と連絡取ったりしてなかったかなぁ、この人。
さらに、聖杯を追っていたはずのラングドンとソフィーが、ラストで聖杯の行方をけむにまかれたような感じで納得してるのもどうかと思うのだが… ラングドンが見つけたんだから、いいのか、これで。
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