私の名はアーレンドラ。ユクモ村の新米ハンターだ。ハンターになるために生まれ故郷を飛び出して、あちこちを歩いているうちに、旅の疲れを癒そうと寄ったこの村に、そのまま住みつくことになった。温泉が気に入ったこともあるが、旅暮らしの不安定さに疲れたのと、ハンターに必要な施設が揃っているのに名のあるハンターが住み着かない村に何か私なりにできないかと思ったからだ。幸い、私の勝手な申し出を村長は快く受け入れてくれた上、空き家まで使っていいと言ってくれたので喜んで好意に甘えることにした。
それからネコバァからオトモアイルーを二匹雇った。アイルーというのは二足歩行の猫人で、ハンターとともに行動する者をオトモという。一匹は爆弾を使うジェルで、もう一匹は採集専門のディンだ。長い付き合いになるだろうから、よろしく頼む。
本当ならば、新米ハンターはここで訓練所に行ってクエストや武器について学ぶのだろうが、私は双剣の使い方が覚えたいのに、訓練所では私物を使わせてもらえず、武器は片手剣と決まっているという噂なので、村長からクエストを紹介してもらうことにした。私のような新米ハンターが受けられるクエストなど大したものではないが、村を出ればモンスターがいる世界だ。たとえクエストには関係がなくてもモンスターに遭遇する機会は少なくないだろうし、そのなかで武器の使い方も覚えていけばいいと思ったからだ。
でも、その前に買い物をしておかないとな。クエスト中はハンターズギルドからアイテムを貸与してもらえるが、足りない物もあるし、貸与されない物もある。そのたびにいちいち村に戻るのは時間の無駄だからハンターたるもの必要なアイテムはつねに持ち歩け、とハンターズガイドに書いてあったからだ。
村の中にはほかに、武器・防具を扱う店や、素材を持っていけば、新しい武器・防具を作ってくれたり、今使っている武器・防具を鍛えてくれる店、農場などもあるが、ろくなアイテムも持っていない今の私には用がないところだな。
村長から受けたクエストは、渓流に行って特産のキノコを手に入れるという内容だった。私はジェルとディンを連れて、早速、渓流に向かったのだった。
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