織田軍の包囲を潜り抜け、芥川城へ向かう宗久たち。途中、善住坊が囮となって別れ、北の庄で善住坊との合流と、一休みをした一行はついに織田信長に対面がかなう。信長は宗久に「堺は2満貫を収めるつもりもないのだろうが、自分もただで軍を引くわけにはいかないから」と言って、相撲の勝負を申し出る。破れた宗久に次いで、力士に向かった助左。信長は助左を気に入り、自分の家臣になれとまで言うが、助左は海を越えて商いをするという夢を語るのだった。こうして織田軍は堺の包囲を解いた。だが、堺には次の試練が待ちかまえていた。
前回の分は主人公格3人と今井宗久のことしか言わなかったのですが、今回はヒロイン、美緒さんの話もしますか。
たきがは、きれいに忘れとったんですが、美緒さん、宗久の養女だそうです。しかも、人買いから買われた公家の娘で、道理で立ち居振る舞いがちょっと違うと思ったよ。しかし、実の息子である兼久より、美緒の方がずっと宗久の気持ちを汲んでいて、役に立ってるように見えるのは、どうやら宗久も婿養子という理由もあるのかもしれません。母親っ子だった兼久としては、商売一直線の親父が煙たくて、侍の真似事なんかしちゃってるみたいです。で、長男ですから、どうも次男とかもいそうですが、こっちもあんまり商いに身を入れてないっぽい。宗久としては、美緒が実の娘だったら、彼女に婿を取ってやれたのに〜とか思ってそうです。ここらへんの親子の確執も後々、助左にまで影響を及ぼしていくんですけど。
さらに、北の庄にいるしまさんというのが、どうやら宗久のお手つきで、娘まで産んだようです。夫婦仲は相当悪かったのか、この時代としては普通なのか。でも婿養子でそれはどうなのか。しかし、奥さん、すでに死んでるみたいなんで、あんまり問題にならないのか。確か、竹下景子さんが娘の桔梗と二役だった気がする…
そして、織田家の家臣、小西行長と高山右近も登場、行長が実は前回、登場した隆左(宇野重吉さんだ)の息子だった、というあたりから、宗久を芥川城に連れてきたのにはいろいろと根回しがあったことも判明。木下籐吉郎の緒形拳さんがはまってますよ。印象的なのは太閤となってからのキャラですが。何でも、前年だったか「太閤記」をやった時のキャスティングまんまなんだそうですね。信長の高橋幸治さんと2人が。で信長の高橋幸治さんも、ちょっと今時の信長と違って、何かしでかしそうなんだけど、そういうキャラっていうか、最近のは妙に演技がではではしいというか、ぶっちゃけ好きじゃないんだけど、パターン化してて。何か、誰かがやった信長が受けちゃうと、みんなでそれを真似するっていうか。そういうのがなくて、高橋幸治の演ずる信長ってのが、わしはええと思いました。大河史上、いちばん「らしい」と言われた信長だそうですが、まぁ、時代劇の役なんてどうせ本物は誰も知らないんだから、もうちょっと個性があってもいいのにっていうか。ただ、今はまだ一介の武将に過ぎないわけで、これから天下布武に動いていく信長をやっぱり見せてくれるのがいいなっと思うわけですよ。
しかし今回は、なんちゅうても、五右衛門かと。休んでる途中で逃げ出そうとする五右衛門が葉茶壺を持っていこうとするのを助左が止めようとするんだけど、五右衛門、本気で刀出してるからね。そこらへん、助左、五右衛門、善住坊の3人て、堺の町に縁があってのつき合いなんだけど、やがて道が分かれ、倒れてゆく、その我が道をゆく五右衛門ってのが早速出てるのが何かいいですね。しかも根津甚八さんが格好いいんだよね! 五右衛門の最期なんて、もう鳥肌ものでしたからね!
あと、最近の大河にこれまた多いと思うんですが、登場人物が語り手も兼ねるって、なんか聞いてて好きじゃないんですけど、「黄金の日日」では、全然関係ない人がナレーターやってます。いいんです、それで。だってナレーターって説明だし。第三者だし。クールに聞けて、わしは好きです。
無事に堺に帰った3人は、助左は船に乗ることを許され、2人は金をもらうわけなんですが、何しろ世は戦国時代、堺もまだまだ安穏とすることを許されないようです。
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