ゲバラの奥さんのアレイダ=マルチさんという人が、自分自身の生い立ちから振り返って、反乱軍に加わり、ゲバラと会い、死に別れた後までを回想した本。
1959年の革命成功から、わずか6年でキューバを出て、理想とする世界革命のためにアフリカ〜中南米と戦い、ボリビアで殺されてしまったゲバラについて、よくこんなことまで覚えてるな〜と感心するような細かい話も書かれた回想録っす。
ゲバラが他の革命家と決定的に違うのは、奉仕の精神が徹底してることだと思うんですよ。キューバの革命を達成して、そのまま国に残っても良かったろうに、奥さんも5人(アレイダ=マルチさんとの間には4人、前妻との間に1人)の子どもたちも置いて、世界革命の理想に燃え、そのために全てを抛ったゲバラ。そこが、今も彼が世界各地で理想とされる人気なんだろうなと思います。
でも、その影では、家族の涙があったのであり、そこら辺、わりと記述が淡々としてるんですけど、この人は慟哭したはずであり、絶望もしたはずであろうと思うのですが、ゲバラの妻、という立場はすごく重たいものだったのじゃないかと。
だけど、そんな面は感じさせず、むしろしなやかな強さを見せて、5人の子どもを育て、キューバを支えていく。
ゲバラの影にとどまらなかった、奥さん、天晴れです。
いつかキューバに行って、ゲバラの研究センターを見てみたいものだと思いました。
[0回]
PR