信長が将軍・足利義昭を2千の兵とを京に残し、領地に戻る。今井宗久と千宗易はこれを信長の罠と考えるが、堺の会合衆には同意されず、あろうことか上洛せんと堺にやってきた三好に援助をしたばかりか、今井兼久を初めとする私兵まで出してしまう。一方、助左は念願の船、琉球丸に乗ることができたが、父の知り合いでもあった船長の才蔵から半年は船を下りるなと命令されるのだった。だが、事態は宗久の案じたとおりとなり、中立を破った堺に信長は徹底的な破壊と殺戮を命じる。堺は信長に降るしかなかった。しかし、宗久は五右衛門に語る。「信長に負けたのだと思うな。堺は信長という船に乗って、新たな航海を始めたのだ」と。だが、時代に逆らうような信長と堺に対し、さらなる荒波が押し寄せてくるのだった。
助左、五右衛門、善住坊はあんまりつるんでません。この後、一緒に南海の孤島に流されたりすることはありますが、その前後ではわりと個々に働いたり、商いしてたりしてます。でも、やっぱり第1話〜第2話が結んだ縁、何かと善住坊のことを案じる助左に義侠心を見たりするのでした。また、そこらへんのなぁなぁというか、腐れ縁でもない関係も、侍中心の大河だとあんまり見られないように思いまして、好きな要因だったりするのでした。
さて、今回は総集編でははしょられた、美緒の過去についても描かれます。いや、お仙さんてキャラが、後に善住坊といい仲になるのは覚えていたんですけど、まさか美緒と同じ人買いの船に乗っていた仲だったとは思いもよりませんでした。美緒は宗久に買われ、養女となったけれど、今も7歳の時のことを思い出し、恐怖に涙が出ると言います。対するお仙はシャム、高砂(とは今の台湾か?)、琉球と流れていき、ようやく堺に来たとか。しかも戻ってきたのは彼女一人、いかに過酷な体験だったか、わかる台詞です。そんな美緒に、宗久は義昭に仕えろと言う。「自分は二度と売られない」とつぶやく美緒。そんな美緒を生涯、思い続ける助左と、今は美緒を守る五右衛門。
当時の視聴者は、美緒が誰とくっつくかって、かなりやきもきしたんだろうなぁなんて思ったり。
そして、善住坊、今回も兼久に振り回される人生です。なまじっか銃の名手なんてのがいけない。三好に仕官するという兼久に「おまえは俺と一緒にくればいいんだ」って言われちゃって、助左はきっぱりと「戦場で首を拾うぐらいなら、一生芋の皮むきでいい」って断ってるのに、善住坊には断れない。困ったような笑顔で兼久についていく。いや〜、誰だよ、善住坊役に川谷拓三さん振ったの? はまりすぎてるよ! もう、こんなキャラってのが哀しいよ!
で、善住坊と兼久が尼崎にいるというのに、助けに行かない宗久。助けようとする宗易。才蔵も、登場するなり美緒をナンパするわ、助左の父親の知り合いで、息子同士が同じ誕生日という縁があるだけかと思いきや、実は船を守るために息子を見殺しにしたというから、登場するキャラクターがただそこにいるのでなく、それぞれの事情と生い立ちを持って立っている、たぶん、才蔵のような端役にも。
そんな「黄金の日日」がおもしろいざんす。
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