監督:イ=ウォンソク
出演:チョ=ドルソク(ハン=ソッキュ)、イ=ゴンジン(コ=ス)、王(ユ=ヨンソク)、王妃(パク=シネ)、昭儀(シン=ソユル)、ほか
韓国、2014年
朝鮮の李王朝時代。王と王妃の服を作る尚衣院(サンウィウォン)を統治する御針匠(オチムジャン)チョ=ドルソクは30年の務めの甲斐あって、両班になることが決まっていた。その前に現れた仕立屋のイ=ゴンジンの才能をドルソクは無視できず、嫉妬しながらも交流を交わすようになる。しかしゴンジンの作った服が朝鮮中の流行になるにつれ、ドルソクは伝統を守ろうとする。先代の兄王の死により、王位に就いた現王は、先王に愛憎半ばする感情を抱いており、先王から賜った王妃にも手をつけようとしない。王妃の美しさに魅せられたゴンジンはその幸せを願うようになるが、王は狩り場で見初めた兵曺判書の娘、昭儀(ソイ)に心を移してゆく。清国の使節を迎える宴のためにドルソクは昭儀に服を作るよう命じられるが、ゴンジンは宴に招かれない王妃のために一世一代の服を作ろうとするが…。
王朝時代の朝鮮を舞台にした宮廷劇です。
ネタ的には「アマデウス」に似た感じがありまして、モーツァルト=ゴンジン、サリエリ=ドルソクな気持ちで見てました。特にハン=ソッキュさんは「
ベルリンファイル」でもそうだったんですが、屈折した男性をやらせるとまぁお上手で、自分にはない才能を持つゴンジンを愛しつつも憎むというドルソクがはまり役でした。境遇的には孤児から先代の御針匠に拾われたドルソクと、妓生(キーセン)の服に代表されるような庶民向けの服を作ってきたゴンジンと似たところはあるんですけど、伝統でがちがちになったドルソクと、自由で何者にも縛られない分、天才的なデザインを見せるゴンジンという対比がまたおもしろく、それだけに2人が心を通わす中盤はなかなか和むんですけど、2人が対立するラストはなかなか辛いものがありました。
また、この2人の周囲に配された王や王妃というのが、ある意味ではドルソク以上に屈折した人びとでして、王は前王だった兄にさんざん権力を見せつけられたもので、自分のものが何もないと未だに思ってるし、王妃は王を愛しているのに、王に愛されないし、まぁ、ふつうの男と女ならばまだしも権力者というのはどうしてこう曲がりくねってしまうのかという点もなかなかでした。まぁ、王妃に「いつまで自分の物がないと思っているのか」とか言われちゃった王様は、最後まで変わらないんで、悪い意味でぶれないもんで、すねッ子に見えちゃうのが困りものなんですが。
ちょっと王妃が気の毒だったという。ただ、それにしてはせっかく終盤で念願かなって王様を迎えるのにゴンジン同席というのはあんまり配慮が足りなさすぎるだろうとか。
最後、ゴンジンの功績もドルソクが自分のものにしちゃったけれど、王の迎えをいつまでも待つ、でもたぶん来ないのを認められないドルソクというラストシーンまで良かったです。
ゴンジン役のコ=スさんは、「
高地戦」でキム中尉だったんですが、覚えてなかったり… シン=ハギュンとイ=ジェフンは覚えてたんだけど…
王妃役のパク=シネさんは、どっかで見た顔だと思っていたんですが、「
7番房の奇跡」のイェスン(大人)役でした… おっさんにばかり目がいっているからこうなるのだ…
王役のユ=ヨンソクさんは「
オールド・ボーイ」に出てたようなんですが、あれはあんまりよく覚えていないのだ… 気持ち悪かったことしか。
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