原作:レイモンド=チャンドラー「長いお別れ」
実家で見ていたのにつき合って、うっかり最初から最後まで見通しちゃいました。ラスト、上井戸亜以子が犯人だったところまではまだ見られたんですが(主演が浅野忠信氏ですし)その真犯人がさっくり自殺したところで、その真相をうやむやにしたまま、亜以子が警察に送った自白の手紙を新聞にすっぱ抜くという辺りで、やっぱり見なければ良かったなぁと深く後悔しました。というか、そこで亜以子の死の真相を追求しないという辺りは、このドラマを徹頭徹尾貫いていたかっこよさそうな雰囲気だけがまんまで、チャンドラーというのはそもそも、わしは船戸与一さんが否定的なことを言っていたもんで1冊くらい読んだかもしれないけれど、基本、敬遠していた向きだったんで、このかっこよさそうな雰囲気が受けたんだろうけど、中身はすっかすかなんだなぁと思いました。まぁ、亜以子自身は、息をするように嘘をつき、その嘘を自分で信じ込むという一種の精神病なんだと思うんですけど、これだけ鬱病とか言われて、いろいろな精神病があるなかで、発表された時代が時代とはいえ、描き方もずさんなのは今の時代にはどうなのかとも思ったりしましたんで、雰囲気だけは格好良かったけど、中身はすっからかんなドラマだというのが正直な感想です。
追記:中身すっからかんな内容に輪をかけてひどかったのがラストの東京オリンピック2020のポスター。
馬鹿かと。6年後の東京でオリンピックなんかできると思ってんのかと。もうちょっと足下見ろと。現実を見ろと。どっちらけもいいところですわ。
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