助左右衛門は堺に戻ってきたが、無一文のため、1からやり直す。それを見た桔梗は美緒に助けを求め、今井家に行く代わりに50貫の融資をしてもらうが、美緒はその金を小西行長を通じて渡してもらう。助左右衛門は納屋を抵当に行長から船を借りていたが、一緒に50貫も渡される。同じ頃、秀吉が美緒を呼びつけ、宗薫はこれを「己の名代として行け」とごまかすが、美緒は行長から真相を知り、宗薫とも今井とも決別する決意を固める。しかし、美緒が大坂に向けて出発した日、大坂は大雨に見舞われており、美緒の輿は大坂に着けなかったばかりか、五右衛門にさらわれてしまったが、助左右衛門は大坂の町を守るべく、己の米俵を土嚢代わりに積み上げるのだった。
ついに宗薫に「あなたとは兄妹でも夫婦でもない」と啖呵を切っちゃう美緒がいいです。宗薫は美緒に静岡に逃げろと言いますが、それを断っての啖呵です。正直、すぐに「逃げろ」とか言うのは、宗薫のいまだに抜けない坊ちゃんとしたところであり、家康の力を当て込んでいるのが見え見えでかっちょわるいです。
美緒をあっさり秀吉に渡すかと思っていたので抵抗するのは意外でしたが、これは単に秀吉の思い通りになるのがいやってだけの意地で、それほど美緒のことが大事なわけではないのだと思います。しかし、宗薫のばやい、惚れた女でも決して身体を張って庇ってくれそうにはありません。そういうところが情けないっちゅうか、しょうもないっちゅうか。
一方、助左右衛門の店に顔を出す五右衛門、桔梗が女房だと思い込んでいるので優しいです。これは自分がモニカを死なせたって負い目があるからでしょうか? しかも、桔梗から美緒が秀吉に懸想されて大坂へと言われると、手下の野盗を集めて美緒をさらいます。当然、助左右衛門に渡すつもりなんでしょうが、助左右衛門、受け取るのだろうか? いや、唐変木だし。阿呆だし… 次回以降、波乱の展開が予想されますネ。
で助左右衛門、船はまた手に入れなくちゃいけないし、船長として亡くなった水夫の遺族に金は払わなきゃならないし、かなりの借金をしてるようです。一生面倒見るという掟は、先日倒産したGMとちょっと似てて、まぁ、生命保険も何もない時代には、そういう相互互助が大切だったんだろうけど、半端に責任者になることもできないのだなぁと思いました。今時の会社経営者なんてもっとのーてんきな気がします。もうちょっと、この時代の船長の爪のアカでも煎じて飲んでもらいたいです。
それで行長に船を借りた助左右衛門は、米問屋として大坂へ向かいますが、折悪しく、大雨に巻き込まれます。しかも、淀川の堤防に積み上げる土嚢が足りないってんで、全財産の米を投げ出して守ります。こういうところは侠気あるんだけどなぁ、助左。思わずテーマ曲も高らかにかかるほど(そう言えば、オープニング以外でかかったの聞いた覚えがないんですが)、盛り上がるシーンです。ま、後先考えず、自分の利益とかそっちのけでこういう働きができる助左右衛門だから、宗易といい、秀吉といい、石田三成とか小西行長とか高山右近とか、お歴々に可愛がられるんだろうなぁと思いました。
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