監督:黒澤明
出演:武蔵坊弁慶(大河内傳次郎)、片岡経春(志村喬)、義経(仁科周芳(十代目岩井半四郎))、常陸坊海尊(横尾泥海男)、亀井重清(森雅之)、伊勢義盛(河野秋武)、駿河次郎(小杉義男)、強力(榎本健一)、富樫(藤田進)、ほか
1952年、日本
能の「安宅」、歌舞伎の「勧進帳」に題材を取った、ミュージカルというか、やたらに歌が入る映画。黒澤監督の作品の中でもかなり珍しい部類ではなかろうかと思います。あと、59分と短く、黒澤映画でも最短というのも特徴的ですな。撮影は1945年にされましたが、GHQの検閲やらで1952年まで公開が遅れたようです。あと、Wikipediaによると、挿入されている歌は能の地唄の部分だそうで、キャラクターの心情とかを語っているのはそのせいもあるんでしょう。台詞が少なかったです。
あとあと、大河内傳次郎氏といいますと「
しぇーはたんげ、なはしゃぜん(姓は丹下、名は左善)」というのが有名ですが、滑舌が悪いのと、歌舞伎調の台詞廻しなもんで、9割方、何を言ってるのかわかりませんでした… 弁慶の台詞が半分以上なのに… 迫力はあって格好良かったんだけどね。
そういえば、森雅之さんが出ていたのですが、最後まで気づかず。志村さんは一発でわかるのだが…
また、義経の顔が最後の方まで明かされなかったのはどういう理由があったのだろう?
エノケンの強力が小心者でお調子者でおかしくて、エノケンの映画をもっと見たいなぁと思いましたよ。弁慶が白紙の勧進帳読んでる辺りの表情なんか、オーバーすぎておかしいのなんの。いいよ、エノケン。この人の「炭坑節」なんかいいですよ。「赤とんぼ」とか「昭和枯れススキ」なんか哀愁が漂う歌声が最高っすよ。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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