監督:三隅研次
出演:座頭市(勝新太郎)、平手御酒(天知茂)、おたね(万里昌代)、飯岡の親分(柳永二郎)、笹川の親分(島田竜三)、ほか
原作:子母沢寛
音楽:伊福部昭
1962年、日本
一回も見たことがなかったので見てみました。せっかくの三連休なのにどこにも行かないので、せめて、実家で録りためていた映画でも見ようってことで、3連チャンです。あと2本は黒澤だけどな!
ご存じ、勝新が作り出したダークヒーロー、座頭の市です。最近、ビートたけしとか香取慎吾とかやったようですが、はっきり言って、最近の時代劇の台詞廻しのらしくなさは受け付けないので、見る気ナッシングです。時代劇とは要するにファンタジーでファジーな設定なんですけど、やっぱり台詞廻しはそれっぽくないといけないと思います。
若い頃の天知茂さんは悪人顔だなぁと思いました。平手御酒なんてわしでも知ってる剣豪とは思いませんでした。ええ、最後まで気づきませんでした。だってフルネーム言わないし。ただ、いかにも具合の悪そうな(白黒でも病人っぽい白さってあるよね)顔つきが、この人の悪人顔に一役買っているのは間違いないでしょう。
ちなみにこの方が主演した「明智小五郎シリーズ」は大好きです。今でも見たいよ、「黄金仮面」とか。
話としては「用心棒」とか「椿三十郎」っぽいところもありますが、いがみ合うやくざ双方が共倒れになる爽快さはなく、片方が生き残り、市が「やくざってのは裏のものだ」と主張するのも、生き残った者勝ちでどこ吹く風で聞いているのが1960年代の風潮なのかな〜と思いました。そういうニヒルさに天知さんが似合うっていう。
音楽が伊福部昭さんで、一緒に見ていた母に「ゴジラ」の作曲した人だよと言ったら、頷かれました。何か共通するものがあったのだろうか??
ヒロインのおたねさんから市が言い寄られるなんて、けっこうもてもてだったのが意外。でも、紋次郎もそうだったろうけど、自分みたいなやくざ者になんて言って去っていく市の背中に哀愁が漂っていました。
そして、このシリーズが26本も撮られて、後半になるとまるでゴジラが正義の怪獣になっていったかのように、市も正義の味方よろしく、悪人をばったばったとなぎ倒すのが違和感ばりばりな感じでした。ちゅうか、居合い斬りって、そういう多人数相手の戦闘には向かなかったという記憶があるのだが… 間違っているかも。ていうか、自分をやくざだと自覚している市が、たとえ悪人とはいえ、ばったばったとなぎ倒すのは何か間違ってる気がする。「続・座頭市物語」「新・座頭市物語」も録ってあるので見ようと思います。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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