監督:セシル・B=デミル
出演:クリス=ホールデン(ゲーリー=クーパー)、アビー(ポーレット=ゴダード)、ガーツ(ハワード=ダ・シルバ)、ほか
1948年、アメリカ
西部劇というより、まだイギリスの国旗を使っているので、歴史物って感じです。ただ、年代が年代とはいえ、ネイティブ・アメリカンの扱いのひどさといい、そもそも主人公のクリス=ホールデン大尉の中途半端さといい、たきがは的には駄作です。
役人殺しの罪で死刑かアメリカでの奴隷生活か選ばされたアビー。しかし彼女は船の中で競りにかけられ、クリス=ホールデン大尉に買われ、自由の身になる。ところが彼女に執着するガーツによって再び奴隷として売られてしまう。その頃、イギリス人の開拓地がインディアンに襲われ、ガーツの裏切りが裏にあった。果たして、南の砦はどうなるのか?
ええ、最初に書きました「中途半端さ」が、まず最初に。ヒロイン・アビーは、船の中でホールデンとガーツの競りにあい、ホールデンが落とします。ところが、彼女がホールデンに買われたという証明書をもらわぬうちにホールデンが「君は自由だ。でも、俺は女嫌いだから好きなところに行きな」といきなりアメリカにおっ放してしまいます。おいおい、それ、無責任じゃね?と突っ込んだのもつかの間、アビーにご執心のガーツが彼女を何とか自分のものにしようと、アビーが証明書を取りに来る前に彼女を奴隷として二重に売らせてしまい、以後、アビーはあっちこっちで奴隷として扱われ、苦労するのでした。これはいくら女嫌いだからといっても、あまりにいい加減すぎるだろうと。ホールデン大尉、格好良くないです。
さらにネイティブ・アメリカンに植民地が襲われたり、アビーが連れていかれたってんで、いろいろあるんですけど、うーん、なんというか、時代が時代だからしょうがないのかもしれませんが、こういう時のネイティブってすごく馬鹿な描き方をするんだよね、アメリカ映画って。そこがいまいちでした。1948年と、今まで見てきた中でも古い部類に入るので、しょうがないのかもしれませんが。
あと、ネイティブがいかにも残酷だって感じで描写してるんですけど、実際にはそれ以上残酷なことをイギリスはやったわけで。アメリカもやったわけで。その結果としてのアメリカという大国があるわけで。ま、そこら辺、何の反省もないのはこれまた時代が時代だからしょうがねっちゅうか、そこまでわしも割り切れないっちゅうか。
ただ、アビーのキャラは魅力的でした。むしろ、タイトルの「征服されざる人々」はアビーのことなんだろうってぐらい強い女でした。一人殺してますが。それも病気の弟が殺されたためだって言ってたし。栗原小巻さんを連想してたら、吹き替えが来宮良子さんだって! うそ〜!!!
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