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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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第6師団と南京大虐殺

URLのサイトで第6師団の関わりが読めます。

封印 脱走兵たちの戦後

みなまた9条の会の主催で「あの戦争を考える集い」というのをやっておったので行ってきた。タイトルのはRKK製作のドキュメンタリーで、そのプロデューサーだったかの村上さんという人の講演がセットだ。

ブーゲンビル島の名は「誰も書かなかった戦争」というノンフィクションで読んだことがあった。すでにミッドウェーで大敗し、太平洋の戦線を維持できなくなった日本が、それでも戦線を押し戻すために師団を投入した現在、ニューギニアの島である。その近所に、一大要塞を築き上げたラバウル、戦死者よりも餓死者が多かったという地獄の飢餓の島、ガダルカナルなどもある。ブーゲンビルという名前が、ナポレオンの部下の一人にちなんだ名前というのは美内すずえの漫画だったにあったんだが、ありゃあ、創作ですかね。というのがたきがはがこの島の名前を知った最初、ブーゲンビリアという花は当然、ブーゲンビルに由来する。
で、この島もガダルカナル島同様、兵力を送り込んだはいいが、すでに戦線など破られた日本、もともとの資力の決定的な不足が10年以上続く日中戦争のためもあって、この時点で致命的なものになっており、補給路が確保できない。それは日中戦争でも同じだったと記憶しているのだが、現地調達がモットーなもんで、その暴走が三光作戦とかにつながると思うのだが、ここに至っては食糧もない、武器も現地調達という真面目に戦争やる気あるのか、な駄目駄目モード。で、ブーゲンビル島に第6師団が上陸したのが1943年、つまり敗戦の2年前、当然、すでに制空権は連合軍に奪われており、なんでも世界に有名な勇猛な軍隊だった第6師団も飛行機相手ではなす術もなく、敗北が色濃くなっていく。で、人間、誰だってこんな異国で死にたくないし、上官によっては士官学校出たばかりで、机上の戦争論をぶちかますしか脳がない若造だったりすると、命令聞きたくないのも人情というもの、脱走した兵たちが敵前逃亡とこじつけられて、戦後、16日も経ってから処刑されました、というネタを追ったドキュメンタリー。前置きが長くてすまんね。
処刑された脱走兵は15人、しかし、交戦状態にあって逃亡したならともかく、陣地から逃げ出して、敗戦を知って帰ってきたりした彼らは、本来ならば兵士の処刑など命令できる権限のない連隊長の会議によって、日本軍が武器を取り上げられる前日に殺される。登場するのは、処刑された兵士の一人の弟さんや、実際に引き金を引いたという兵士、異論を唱えながら処刑の執行を命令する立場に置かれた副官、ジャングルで20日も迷っていたのに脱走兵扱いされて、軍人恩給がもらえない人などなど。10年も前のドキュメンタリーだけど、つくづく日本軍というのは救いようがない、という点などは今見てもちっとも色褪せていない。
この番組が撮られた1996年は、戦後51年も経っていた。半世紀という長い時間は多くの証言者を失わせ、裁かれもせずに生き延びた第6師団の師団長や参謀などもほとんど鬼籍に入っていたとか。けれど、逆に50年も経ったからこそ、そのまま墓に持って行くには重すぎる事実を語ろうとする人びともいるわけで、脱走兵を撃った一人などは、その写真を見た途端に半狂乱になってしまったという村上さんのお話とか、今でも悪夢を見るのだという証言などはあまりに痛ましい。

けれど、間違えてはいけないと思うのは、こうした事実や、日本軍があの戦争でなしてきた罪状の数々は、戦争が引き起こしたものなどではなく、日本軍、大日本帝国という国家がなしたものだということではなかろうか。そして、恐ろしいのは、確かに日本という国は敗戦し、軍は解体されたものの、その当時の日本を支配した官僚たちはそのまま生き延び、また実際に軍にあって命令を下した立場だった連中の多くが、無事に日本に戻り、産業界や経済界などに復帰したという事実ではないか(731部隊の高官がミドリ製薬に多く就職し、薬害エイズを引き起こしたのはその顕著な例)。

また、作中ではどこか被害者のような雰囲気も漂う第6師団であるが、南京大虐殺にも関わっていたとかいないとか。それはすごく気になるなぁ。

日本が、世界に喧嘩を売っても勝てると思い込んだド阿呆な開戦から66年。あの戦争を国家としてきちんと振り返ることができなかった日本は、水俣病ほかの公害を引き起こし、最近は改憲論議なども騒がれる。改憲などの話をする前に、まず国家としてあの戦争を清算すること、まだあの時代の証言者が生き残っているうちにすべきなんじゃないかと思う。

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