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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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不正義の果て

監督:クロード=ランズマン
見たところ:横浜シネマ・ジャック&ベティ
フランス・オーストリア、2013年

強制収容所のなかでも唯一、外に向けて開かれていたテレージエンシュタット収容所。そこのユダヤ人長老の最後の一人で、ただ一人生き残ったベンヤミン=ムルメルシュタインの長編インタビューを中心にムルメルシュタインの著書からの引用を現代のテレージエンシュタットで監督が読み上げるドキュメンタリー。

先日の「ハンナ・アーレント」と正反対と言ってもいいようなユダヤ人評議会への評価と、アイヒマンの邪悪さが語られていますが、「SHOAH」「ソビブル」と観てきたなかではいちばん退屈で冗長な映画でした。もう何度も沈没しかけて、そのたびに字幕を飛ばしました。

思うに、この映画の最大の問題点は監督がムルメルシュタインに近すぎるところだと思います。思い入れが強すぎると言ってもいいです。つまり、監督とムルメルシュタインは友人なので思い入れが強すぎるあまり、監督はマルガレーテ=フォン・トロッタ監督の「ハンナ・アーレント」さえ観ないと言っている。確かにハンナ=アーレントはユダヤ人の長老を批判し、アイヒマンを凡庸な人物と言った。これはムルメルシュタインの話と食い違うのです。でも、だからといって、そういう批判から自由でいられるような立場にユダヤ人の長老はいなかったと思いますし、アーレントがアイヒマンを凡庸だと言うのは、上官から言われたことをただ機械的にこなす、それが善か悪かという判断をしない人間性を指すのであり、ナチスと同じような犯罪はどこの国でも起こるのだということだと思います。
確かにムルメルシュタインが対峙したアイヒマンは凡庸さなどかけらもないような悪魔的な人物だったかもしれませんが、弱いユダヤ人の立場で会えば、凡庸な人物も悪魔に見えただろうと推測するのは難しいことではないはずです。
監督がどう考えたかは、この映画が示しています。

そういう立場をわしは否定するものではありませんが、ムルメルシュタインの主張を冗長に垂れ流しただけの映画、それは単に退屈なものでした。

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