トム=ハンクス主演。ジュリア=ロバーツ共演。
かつて何度もラブコメを撮ったこのコンビ、またしてもラブコメかと思ったら(そういうポスターの作り方だし)、どっちかというと、社会派というか、トムの愛国心あふれる作になっておりました。
ええ、たきがは、トム=ハンクスという俳優には特に興味がないんですが、妹さんが大ファンで、見に行ったところ、「アフガニスタンが出てくる」と教えてもらいまして、興味を覚えていってみました。
で、見ながら、なんでいまごろ、こんな映画を撮ったのかな〜と考えていたんですけど、ラストで納得。
こりゃあ、トム=ハンクスが、愛するアメリカに、イラクでの作戦がうまくいったのに(サダム=フセイン引きずりおろしたし)、なんで後始末がちゃんとできないんだ、もっとうまくやれば、イラクは丸く収まったろうに、と言っている映画なんでないかな〜と思います。それ以外、思いつかん。
だから、この映画、アメリカ以外で上映するのがそもそもの間違い。ラブコメを装ったポスターが間違い。ラブコメを期待して輸入した日本の映画会社が間違い。もう、アメリカ人がアメリカ人のために作った映画ですんで、海外に出すこと自体が間違いだと思われ。
だって、それ以外に、なんで今時、1980年代のアフガニスタンの代理戦争(作中では「極秘戦争」と言ってますが、代理戦争だと思うんすよね、わし)に力を注いだ一介の下院議員チャーリー=ウィルソンを映画にするのかわからんもん。全然、娯楽作品じゃないし。ラブコメ要素も皆無。いやいや、トムとジュリアでラブコメが見られないとは思いませんでした。
それよりも1980年代のソ連兵のパレードとか、アフガン難民のキャンプとか、対空迫撃砲スティンガー(兵器に詳しくないんでうろ覚えですが、それまでソ連軍のヘリに手も足も出なかったアフガンのムジャヒディンたちにとって、戦局を変えた決定的な武器、だったように記憶してます。なにしろ地上からヘリを撃墜できる)の威力とか、けっこうプロパガンダ的な映像も混じってるし、アメリカが直接アフガンを支援するわけにはいかないもんだから、エジプトやイスラエルを介入して武器を搬入するとか、さもありなんな話。
でも、いまどき、アフガニスタンなんて言われたって、どれだけの人が知ってますか? パキスタンとイランに挟まれた、山間の貧しい国の名を、どれだけの人が覚えてますか? だから、見に来ていた客も、いかにもラブコメを期待してそうなカップルと、もしかしたら映画の内容を知ってて来たような男性二人だけ。いや、だって、ラブコメじゃないし。コメディーでさえないし。
映画会社は何を考えて、この映画を仕入れたんでしょう? まったくわかりません。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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