監督:今村昌平
出演: 安本喜一(長門裕之)、安本良子(松尾嘉代)、安本高一(沖村武)、安本末子(前田暁子)、坂田の婆(北林谷栄)、学校の先生(穂積隆信)、辺見のおじさん(殿山泰司)、ほか
原作:安本末子
わし的にはキャスティングに「大滝秀治」とあっただけで、目を皿のようにして見てましたが、高一が夏休みのあいだ、バイトしたうちのおっさんだな。バイト代1400円から雑費と称して200円も引くごうつく親父だ。
あとは西村晃さんとかも出てたそうなんですが、どこにいたの〜?? あ、風呂焚きしてたおっさんか?
10歳の少女、安本末子さんが綴った日記「にあんちゃん」を映画化。そういえば、わしが子どもの頃は「つづりかた兄弟」とかいう、やっぱり貧乏だけど綴り方が上手な兄弟の本とか読んだものですが、あれと同系統か。しかし、あの話、最後はけっこう悲惨だった記憶があるのだが…
炭鉱のある、九州の島で暮らす四人兄弟が、親は亡く、ばらばらになっていっても、くじけないで生きていく姿を描くヒューマンドラマでやんす。
なんちゅうても、タイトルになってます、にあんちゃん(二番目のあんちゃんだから)のキャラが良いです。末子が10歳だから、にあんちゃんはおそらく12歳ぐらいと見ました。知恵が回ります。活発です。兄妹思いです。そして、何より力強く、前向きなのです。
だから、親も亡い、兄弟もばらばらになっていても、でも、話のトーンが全編、陰湿さ、暗さが少ないです。ばらばらでも、兄が、姉が、弟が、妹が、それぞれの家族を気遣い、また周りの人たちも炭鉱が閉鎖し、人が去っていくところを温かく見守る風もある。
ほのぼのというトーンにはほど遠いのですが、前向きでひたむきなにあんちゃんに、ほっとさせられる、暖かい話です。
ネットをぐぐっていたら、「つづりかた兄弟」についてもいろいろとわかったので、こっちにメモしときます。
この話、実際に綴り方の上手な兄弟の話なのですが、わし、ラスト、兄弟の誰かが死んでしまうことは覚えておったんですよ。でも、その原因がなぜかわからなくて、読み取れなくて、読解力がなかっただけかもしれないんですが。
兄弟は医者にかかることができないほど貧乏で、次男坊が風邪を引いた時も医者に診せられませんでした。そして、次男坊はそのまま肺炎を起こしてしまい、死んでしまうのですが、この時、緑色の液体を吐いたと。
色まで覚えておったわけではないのです。ただ、なんか、子供心にすごくショッキングなシーン(これは平気で「ガンバの冒険」のノロイが大丈夫な理由がよくわからない)だったことは覚えているのですが、「緑色の液体を吐いた」とあって、ああ、そういえば、そんなシーンだったなぁと思い出したわけなのです。
ところが、この液体は、医者と相談した両親が、入院させることもできないから安楽死をさせようと、劇薬を飲ませたものなんだって! ええ〜?! まじ〜?!
だから、なんか、その死んでいく子どもが恨みがましそうだったのだろうかと思いまして、なんか、読み直したくなった次第。
図書館にはありそうなので、今度、借りてみよう。
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