監督:アルフレッド=ヒッチコック
原作:ロバート=ブロック
出演:ノーマン=ベイツ(アンソニー=パーキンス)、マリオン(ジャネット=リー)、ライラ(ヴェラ=マイルズ)、サム(ジョン=ギャヴィン)、アーボガスト(マーティン=バルサム)、ほか
音楽:バーナード=ハーマン
アメリカ、1960年
ヒッチコック監督の古典的なサイコ・サスペンス。原作付きだとは知りませんでした。
小さい不動産会社で働くマリオンは別れた妻への慰謝料で頭を痛めるサムとの不倫状態に疲れており、来客の持ち込んだ4万ドルに魔が差して、持ち逃げしてしまう。アリゾナ州のフェニックスからサムの住むカリフォルニア州に向かったマリオンは、そのおどおどした態度を警官に怪しまれつつも、車を買い換え、ベイツ・モーテルに一泊することになる。そこの若い主人ノーマンは、精神を病んだ母親と2人で暮らしていたが、彼との話でマリオンは横領した金を返そうとするが、その晩、何者かに殺されてしまい、ノーマンによって車ごと沼に沈められる。マリオンの妹ライラは、姉が横領した金の行方を追って、恋人のサムのもとにたどり着くが、そこに現れた私立探偵のアーボガストは、マリオンが金を返せば、依頼主は警察沙汰にしないと言い、ライラもサムも協力することになる。やがてマリオンがベイツ・モーテルに泊まったことを突き止めたアーボガストだったが、ノーマンと話すことで彼が人前に出そうとしない母親が何かを知っていると思い、その屋敷に侵入するが逆に殺されてしまう。アーボガストから連絡の来ないことを不審に思ったライラはサムとともにベイツ・モーテルに向かうが、近くの町の保安官はノーマンの母親は10年前に死んだはずだと言う。ノーマンの屋敷にいるのは、いったい誰なのか?
前半は4万ドルを盗んだマリオンの逃亡劇が中心で、まるでなってない魔が差した犯罪者の心理というのが、くどいくらいに描写されちゃいます。まあ、これはマリオンに同情するための演出でもあるらしいのですが、どんとかまえられないほど、マリオンというのは普通の女性なので、ノーマン=ベイツと話すことで、自分が罠にはまったことに気づき、逆に4万ドル返そうという気持ちになるのはいい流れでした。
それだけに何者かにあっという間に殺されてしまい、4万ドルごと沼に沈められるマリオンは気の毒で、後半、マリオン探しから次第にベイツ・モーテルに話が集約していく展開はなかなか見事でした。
サムは全然いいヤツじゃなかったんですが、後半はライラと頑張ってノーマンというか、ノーマンの母親を逮捕するのに頑張ったので、株を上げました。まぁ、この後、ライラと結ばれるかどうかは別問題な気がしますが。
そして、線の細いアンソニー=パーキンスは、「
オリエント急行殺人事件」からあんまり変わってない感じでした。14年も経ってるんだけどな。
途中までは別に怖くもなく、最近の映画と違って死体も血も派手に写さないものですから、わりと平気で観てられたんですが、ラストのノーマンの笑いはほんとに背中が寒くなった! 母親の独白よりも、母親がノーマンを乗っ取ったというのがあの笑顔に集約されていて、怖かったです。
あとオープニングの演出と音楽も良かったです。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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