太刀掛秀子著。りぼんマスコットコミックス刊。全4巻。
わしが中学生のころの少女漫画です。中途半端に読んだことがあったらしく、タイトルだけ覚えていたんで手にとって読んでみました。
フランス人とのハーフの少女・篠原るりは、父が再婚し、母の抄(こずえ)、兄の真幸(まさき)と家族になり、妹の唯(ゆい)も生まれるが、父の茂はるりを生んだ後で逃げるようにフランスに帰った前妻ソニアの面影をるりに見出すようになり、そんな父の姿に母はるりを憎み、唯を溺愛するようになっていく。だが唯には生まれつきの心臓疾患があり、長期入院で勉強が遅れることを案じた母は大学生を家庭教師に雇うが、彼、安積惣一郎は真幸の同級生だった…。
途中で唯が死んじゃったり、惣一郎の父親が茂を商売敵と恨んでいたり、るりが失明したりと波瀾万丈な展開。それにもましてハードなのが、継母との確執で、けっこう長くるりを苦しめます。また、義兄の真幸も最初のうちはるりを庇う優しいお兄ちゃんだったのに、母の苦悩(前妻にいつまでも心を囚われている夫)を知ってから逃げるように高校の寮に入り、と一昔前の少女漫画って甘々なだけじゃなかったよね〜と懐かしかったですよ。
タッチは柔らかい感じの絵柄ですが、それだけに次々にるりを襲う試練がなかなかしんどいのですが、母と和解して、惣一郎とも思いが通じ合ってと、最後は堂々のハッピーエンド。読ませてくれました。
Wikiとかで情報を探していたら、1986年が最後の作品を発表した年で、まだご存命のようですが引退されちゃってました。惜しいなぁと思う半面、あの当時の少女漫画家の方々がけっこうレディコミとかハーレクインとか描いてて、線も弱々しくなっているのを見てしまうと、引退という選択肢はありかなとも思います。
[1回]
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