監督:ジャック=タチ
出演:ユロ(ジャック=タチ)、ジェラール(アラン=ベクール)、シャルル(ジャン・ピエール=ゾラ)、ほか
1952年、フランス・イタリア
ジャック=タチ氏の名前は以前から知っていたのですが、どんな映画か知らなかったのです。で、ケーブルでかかったんで見てみた。
フランスらしいおしゃれでスマートなコメディ映画でした。うーん、かっこいい。少ない台詞、軽妙な音楽、風刺の効いた演出、これは上質な大人の映画であります。
ジェラールは父がプラスタック社の社長で、全てが電気仕掛けのいい家に住んでいる。でも、ジェラールは母の兄、ユロ伯父さんが好きで、家にいると窮屈に思ってしまう。いつまでも結婚もせず、定職に就かないユロを案じて、ジェラールの両親は隣のオールドミスと結婚させようとしたり、プラスタック社に勤めさせようとしたり。伯父さんはマイペースで会社で失敗し、お父さんに田舎へ行かされてしまう。けれど、伯父さんを空港まで送っていった日、お父さんがジェラールたちのいたずら、物陰から口笛を吹いて、通行人を街灯にぶつからせる遊びをしたのを見て、ジェラールはお父さんと手をつないで家に帰るのだった。
ユロ伯父さんの動きがおもしろいです。なんでもパントマイムもやられたそうで、台詞がほとんどないのに、最新鋭の家に住んでいるジェラールの両親をからかうような仕草とか、文明風刺が愉快です。
タチ氏の映画はほかにもあるので、もっと見てみたいと思います。テーマ曲がまた軽快で、鼻歌を唄いたくなります。
最後、お父さんと手をつなぐジェラールに、タチ氏のユーモアとヒューマニズムを見ました。がちがちのお父さんだけど、決してタチ氏は嫌いなわけではないのだな。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
[0回]
PR