マスターの死に始まり、最後の戦いに挑むドモンたち。
マスターの真意を知っていると、個々の演出にドモンを殺すまい、味方にしたいとする本音がちらちら伺えて切ない。それは第44話で、マスターが「やめろ、ドモン! デビルガンダムなくして、地球の未来はぁっっ!」とシュバルツ&キョウジごとデビルガンダムを倒そうとするドモンを止める台詞から明らかなんであるが、やはり最大のターニングポイントは、一時的に師匠を超えたドモンに、差し伸べられたマスターの手をドモンがすげなく振り払うところなんでないかと思ったりする。ここでもしもドモンがマスターの手を取っていれば、果たして、マスターの死はなかったのだろうかと思う。そうでなかったら、その前、「東方不敗の拳から深い悲しみが伝わってくる」とドモンが師匠の魂に触れたところでもいい。スパロボFではないが、師弟がともに戦う未来、それはあり得なかったのかとファンとしてはやはりこだわってしまうんであるが、第46話、第48話を見て思うに、師匠が生き残っていたら、当然、デビルガンダムとの戦いには参戦したであろうし、そうなったら、ドモンはシャッフル同盟よりも師匠を頼っていたのではないか。アレンビーのスーパーアドバイスはさすがに師匠はできないとしても、グランドマスターガンダム(この場合、マスターガンダムはどーなったのかは右に置いておきまして)との戦いではゲームのような石破究極天驚拳が見られたかも、とifを想像しないでない。
しかし、そうなった場合、ドモンはこの話の中で師匠を超えることはできなかったろうし、あるいはそうなった時、レインを救うこともできなかったかもしれないとも思うんである。
ドモンは確かに師匠のような孤高のファイターではない。第1〜5話のあいだはそんな風に見えなくもないが、ドモン自身はそう思っていたかもしれないが、影ではレインの手厚いサポートがあったのであり、だからこそ、第6話でドモンは幻のデビルガンダムに打ち勝ったのだし、シュバルツの言うように戦っていけたのだと思う。ドモンは決して孤高のファイターではない。それは=ドモンが弱い、ということではなく、シュバルツの言うように「人を信じる心があれば恐れるものはなにもない」のであり、ドモンというのはそういうファイターなんだってことだと思う。レインを信じ、師匠を信じ、シュバルツを信じ、シャッフルの面々を信じ、キョウジを、両親を信ずること、それがドモンの戦い方なんだと思う。逆にそんなドモンだからこそ、新生シャッフル同盟の面々はともに戦うのだし、それはキング・オブ・ハートとして頭をはった、マスターとは決定的に異なるところなんでないかと思う。
だからこそ、ドモンは師匠を超えなくてはならなかった。馬鹿弟子であろうと、師匠を超えるためには師匠の死が必要だった。そして師匠もまた、己の命を賭してドモンを最後まで導き、ついにキング・オブ・ハートと認める。だからこそ、ドモンはデビルガンダムやウルベとの最後の戦いを勝ち抜け、シャッフル同盟も味方し、アレンビーの助けによりレインをも助けられたんでないか。
あまりにも軽々しく人の死が描かれ、扱われる時代、「Gガンダム」という物語は、マスター・アジアとドモン=カッシュという師弟の姿を通して、その命を賭けた教えを描いたのではないか。
だから、「Gガンは第45話で終わりで、その後はおまけ」という意見にはわしは反対するのであり、第45話で師匠の死を体験したドモンだからこそ、最後の成長が描かれるべきだったのではないか、と思うのであった。
毎度、師匠の死となると、画像貼っても、文章書いても暑苦しいレビューですね。もう、しょうがないですね、師匠ですから。これだけこだわれるキャラクターって、あとはノロイぐらいしか思いつかんですもん。良かったら、
ドモンのフィギュアも見てね。これで師匠が出たら、わし、箱から出さずに飾っておきますよ!(今、それで
「これは保存版(はーと)、これは飾る用(はーと)、これは布教用(はーと)」とか言って、3つも揃えたところを想像しちまったよ〜! はぁはぁ。そんな馬鹿でいいのか、ぢぶん。そんなことを言うなら、その前にジャイアントロボをだなぁぁぁ! いや、待て。突っ込み処、そこちゃうし)
しかし、そんなことを言い出すと、ぜひシュバルツをとか、アルゴをとか、シャッフル同盟とか、期待が妄想に変わるので止めておきます。ええ。
少しは落ち着けや、ぢぶん。
第46話の駄目犬ドモン、やっぱり第40話で兄貴に肩車をされて泣いていたところを彷彿とさせてラブリーであります。いや、ドモンの本質はやっぱしこっちってことで。そんなドモンを立ち直らせるシャッフル同盟とハン老人。このじいさん、侮りがたいっす。ドモンを導くという点においては、第26話といい、第3の師匠(第2はシュバルツ)と呼んでもいいぐらいな気がします。
第47話はなんとゆってもナスターシャだ。自分たちの無力さを嘆くシャッフルの面々に「あきらめるのはまだ早い!」って、清々しい笑顔が素晴らしいぞ! もう、覚悟決めちゃったんだな、アルゴと一緒に海賊やる覚悟なんだなって笑顔が大好きだぞ。そしてミカムラ博士の最後の告白もたまらん。「なぁ、カッシュ」と呼びかける清川元夢さんの声がなんちゅうか余韻を醸し出していて、悪役になりきれなかったミカムラ博士そのものだ。
第48話は師匠・シュバルツ・キョウジの最後もいいのだが(ここで「馬鹿者」と言ってましたね、マスター。最後までマスターはマスターで嬉しいよ、あたしゃ)、ここはキラルを一押しである。「倒すべき相手」この音楽は旧シャッフル同盟といい、アルゴ&サイ・サイシー(ガンダムヘブンズソード戦)といい、なにしろ頼れる味方が登場する時に流れる名曲である。その曲とともに見参するキラル。かっこいいっすね。もう、
マンダラガンダムってかっこいいんだな!って再確認しましたね。誰ですか、「ただの鐘ガンダムが強いわけがない」なんて言ってるのは。
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