というわけで有本欽隆さん追悼に「機動武闘伝Gガンダム 第49話 Gガンダム大勝利! 希望の未来へレディ・ゴー!!」を見ました。
いまさらな解説ですけど、有本さんCVのライゾウ=カッシュ博士は第6話でドモンの家族ともども初登場したものの、その時点ではすでに冷凍刑に処せられてまして、「第44話 シュバルツ死す! ドモン、涙の必殺拳」で当事者のシュバルツ=キョウジによってデビルガンダム事件の真相が語られるまで、ドモンは父の無実は知りません。で、「第47話 デビルコロニー始動! 大進撃シャッフル同盟」でかつてはカッシュ博士を裏切るもレインがウルベ少佐によってデビルガンダムの新たなパーツとして捧げられる前から叛意を示していたけどウルベによって瀕死の重傷を負わされたミカムラ博士(長い)によって解放されるまで、ずっとネオジャパンコロニーにて眠り続けていたのでした。で、「第48話 地球SOS! 出撃ガンダム連合!!」にてようやく解放され、デビルガンダムとの最終決戦に臨むドモンたちへの良きアドバイザー役として、何よりも父としてドモンたちを導くという、まことに美味しい役どころであります。
ちなみに、わしが「伝説のオウガバトル秘史」のサラディンのCVに有本さんをキャスティングしたのは(ほかに数人しか決まっていないにもかかわらず)、「第48話」でドモンと実に10年ぶりに再会(ドモンは10歳の時から師匠のもとで修行を続けており、コロニーに帰らなかったため、帰った時にはすでに母は殺され、父も冷凍刑に処せられた後だったので)したドモンに「大きくなったな、ドモン」と万感の思いで語りかけるシーンに惚れちゃったからなのでした。あ、だから、公式の設定を曲げて、サラディンを10年ぶり(公式だと24年)に復活させたわけではないんですけどね。
閑話休題。
なにしろガンダムのことについては当代随一の頭脳の持ち主ですが、コロニーの動力炉を乗っ取ったウルベとグランドマスターガンダムの元へドモンたちが向かう際も、「緊急用コードを試してみよう」とかさらっと言っちゃう辺り、「鉄人28号」の敷島博士みたいな万能ぶりが予想されてしまいます。
あと、第3形態となってドモンの前に現れたデビルガンダムが、ドモンを避けんとするレインの感情によるものだとかの解説も適確。例によって諦めの早いドモンは、最後の敵がレインでは戦えないと座り込んじゃいますけど、そこはアレンビーやシャッフル同盟の適確かつ強力なアドバイスによってレインを取り戻し、ようやくデビルガンダムを打ち倒すのでした。ここのドモンの恥ずかしい告白は、いつ聞いても胸熱で、音楽の効果(「傷だらけの夢を握り締めて」)もありまして、最高潮の盛り上がりです。
で、コロニーに降りたカラト委員長とともに市民の無事を確認しつつ、まぁ、本当の被害調査はこれからでしょうし、デビルガンダム事件の当事者として、これからネオジャパンともども大変だったんだろうなぁと思いつつも、旅立つドモンたちを見上げて、明るい明日をも宣するのでした。まとまった台詞としては、この後のドモンがレインに言う「さあ、レイン、帰ろう。兄さんとシュバルツと師匠の愛した地球へ!」でほぼ終わりなんで(シャッフルはあんまり台詞ないから。なくても通じる武闘家だから)、けっこう長く、カラト委員長ともども物語を閉めてくれます。
なにしろ話の始まった時には、もう冷凍刑という不遇な立場なんですけど、ミカムラ博士の回想シーンにも出てきたり(と言ってもミカムラ博士にはシャイニングガンダムの欠陥を指摘されるというまことに愉快ではない会話でしたががが)するぐらいで出番は少ないんですが、ドモンの父親というポジションもあって、他の並み居る脇役を押しのけて強烈な印象をわしに与えてくれたのがカッシュ博士という人物でありました。
その影に有本さんの演技があったことは疑いようもありません。
改めて、有本欽隆さんのご冥福をお祈りします。ありがとうございました 。・゚・(ノД`)・゚・。
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