堺に戻った助左右衛門を人びとは歓喜で迎える。助左右衛門は石田三成と会い、堺に堀を取り戻したいと伝えるが、なかなか話が進まない。しかも、今井宗薫が、秀吉の出した禁令に触れたと囚われの身になってしまうが、助左右衛門は何人にも中立であるという約束をして、宗薫を助命し、堺の堀も取り戻す。堺中の人びとが待ち望んだ水が、ついに堺の堀を潤すのだった。
今回は堀に始まって堀に終わるという感じでしょうか。助左、堺に堀を取り戻したいと三成に折衝に折衝を重ねます。そのために目の敵にされてる今井宗薫の助命嘆願もする、堀を掘り起こす工事があれば汗を流す、と東奔西走します。
そんな助左を憎々しく思う宗薫でしたが、美緒に離縁を言い出され、しぶしぶ、堀の工事に手を貸すことに。いや〜、わし、宗薫は堀のことはもうどうでもいいと思ってると思ってました。意外だ。あるいは長年連れ添っているうちに美緒が憎からず思うようになったのか。小太郎まで連れて行くと言われてはかなわんと思ったのか。でも、宗薫にとっては、助左を憎む理由がもう1つって感じに見えました。冒頭でも助左と一緒に帰ってきた小太郎を迎えに来たら「わたしは帰りません」とか言われちゃって、でも息子は助左に説得されてるし。
ただ、最終的には堀のために人も出し、弁当隊も出した今井家、小太郎は親父に礼を言いました。よほど、親父よりできてると思います、小太郎。
さて、堺にとっては堀が帰ってきてうれしいことになりましたが、石田三成はついに命を狙われ、奉行をやめることになりました。で後任はお兄さんが継ぎました。それにしても、加藤清正とか奉行所を襲撃してきた時に、堂々と座ってる兄さん、肝っ玉の座り方が生半可じゃありません。一歩間違えば、とばっちりを受けて殺されてたかもしれないのに「自分は一晩の客だ」とか言っちゃって。実は大物? でも、今の今まで、三成に兄貴がいたとは知りませんでしたから、ずーっと田舎暮らしをしていた模様です。助左に会ってはしゃぐところなんか、三成の兄貴とは思えんお茶目さです。
そんな三成を助けたのは、またしても細川ガラシャでした。よほど恩義を感じたのでしょう。そういえば、あの時は夫からも離縁同然の扱いで、そのまま離縁しちゃえば良かったのにって感じもしますが、三成のためには結果的によしって感じです。
ガラシャが堺に来たのは、堺で復活祭があり、それにこっそりと参加したからでした。小西行長も堂々と参加してます。まだ信仰は捨てられなかった模様です。
で、一連の三成襲撃の裏には当然、目の上のたんこぶと狙う徳川家康の意向が働いていると三成は見抜いているのですが(家康が宗薫に「三成は生きて堺を出られない」とか言ってるんで、首謀者であるのはありあり)、加藤清正らにはそれがわからん模様。結局、本当に豊臣家のことを考えているのは三成だったのに、って感じです。それで、三成は関ヶ原で家康に対する総大将になったか、担がれたかしちゃったのだろうなぁ。
さて、堺から逃れてゆく三成を助左も助けます。なんだかんだいいながら、仲のいい2人です。その時、お仙ちゃんが現れ、「1人で逃げ出すのは許さない」と言い出します。ちょっといっちゃったみたいで、かなり危ない物言いです。その前に助左に見舞ってもらった時も、すっかり老けちゃったし。
でも、助左、堀に水が戻ってくると言って、お仙ちゃんを止めます。三成は「わしにふさわしい見送りだった」と言ってますが、なかなか切ないのぅ。
ラスト、ついに堀に水が入り、堺の人たちはみんなで堀に入って、はしゃいでいます。すぐにいっぱいになったら危ないと思うのですが、それだけうれしかったということなのでしょう。
しかも、あの冷静な美緒まで水に入ってます。思わず助けて、堀から助左が上げますが、もう、呂宋で思わず抱き合ったような2人には戻れないことを2人とも承知してる感じです。すっかり枯れちゃったっていうかさ… 助左なんか、最近は「堺堺」って、堺が親っていうより、堺と結婚したような物言いですよ。美緒にしてみれば、いっそ、宗薫が夫婦の縁を切ってくれたら、助左と堂々と結ばれたのにって感じかもしれませんが、もうそんな希望も失ってしまったんでしょうか。
で、これを書いていてふと思ったんですが、わしは美緒やお仙やねねのように、あんまり受け身にならない女性の方が好きなんです。そういや、桔梗なんか助左のプロポーズをずっと待ってるだけでした。だから、好きになれなかったんだわ。モニカもどっちかというと、そういうキャラかも。じゃ、五右衛門はそういう女性が好きなのか… 善住坊はノーラといい、逆ですな。助左はもう、どうでもいいです。
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