助左は羽柴秀吉の助言で若狭の港へ向かう。米所因幡の米を、若狭で高値で買い上げていたからだ。しかし、その裏では翌年の鳥取城攻めに備えて、秀吉の兵粮戦が始まっていた。城主の山名氏が逃亡してしまった鳥取城に、毛利方から吉川経家がやってくるが、彼は鳥取城に兵粮米が足りないことを知り、賀露の港へ買い付けに現れる。そこにはしけのために船を出せなかった助左が残っており、吉川経家に米を買い取られてしまう。吉川に同行した助左は、待ち伏せしていた羽柴方に撃たれ、鳥取城の籠城に巻き込まれてしまった。
助左、今回もいいところがありません。まず若狭の港に現れたのがどう見ても遅いということ。どうやら、若狭で米を高値で買い上げているという話を聞いていなかったものと思われます。さらに、しけで船を出し損ねていたところを、吉川経家がやってきて、米を相場の6倍で買おうと言われます。それなのに、例によって馬鹿正直に「この米は買い手が決まってるから売れない」とかぬかしやがります。そんな返事をされて、侍がすごすご引っ込むわけがありません。相場の6倍つけても売らないってんなら、力ずくで奪うまでです。そんなこと、わかりそうなものです。おとなしく売っていれば、そのまま逃げられたかもしれないのに、強情張ったもんで、米を運ぶのを手伝わされます。ところが、秀吉軍に襲われ、撃たれてしまいます。吉川経家も放っておかないで、助左を鳥取城に連れ込んで手当てします。いい人なんですが、この場合、事態は逆効果っす。だって、相場の倍の値で米を買い占めさせた秀吉が鳥取城に兵粮戦を仕掛けちゃいまして、それが類を見ないほど徹底してるってんで、助左も出られなくなってしまいました。
この鳥取城の兵粮戦は、人肉まで食ったというほど壮絶なものだったそうで、巻き込まれた助左がどーなるのか心配です。主人公だから大丈夫でしょうが。
どっちかというと、助左と一緒に米を運ばされ、秀吉軍に襲われてちりぢりになってしまった彦助を初めとする部下たちがどーなったのかの方がずっと心配です。
助左、馬鹿正直で生きてきてますが、たまには長い物に巻かれた方がいいと思います。特に相手が切羽詰まって武器持ってる侍の場合とか。そんなの相手に理屈が通用するはずがないってことぐらい覚えてください。別に宗久の言ってたように非情にならんでもいいから。
一方、前回の宇喜多直家の籠絡で秀吉に取り立てられた小西弥九郎は、今回もぬかりがありません。
[0回]
PR