文藝春秋刊。コンラート=シュピンドラー著。岬上司訳。
1992年にアルプスで発見された凍結ミイラのドキュメンタリー。
たきがは、ホラーもサスペンスもスプラッタも苦手ですが、なぜかミイラものが好きだったりします。それも「ハムナプトラ」みたいなミイラものの創作じゃなくて、実物のミイラを見に行くのが好きだったりしますし、子どものころはテレビでミイラ特集なんかやってると、「こわ〜い」とか言いつつ、喜んでかけていたものでした。子どものころは上野の国立民俗博物館(JRの上野駅から行くと、動物園からいちばん遠い奥まったところにあるやつ。入り口に恐竜の骨があって、外に鯨の模型が飾ってある国立科学博物館ではありません)の1階にあるミイラがどうしても見られなくて、顔をそむけつつ見学したものですが、国立科学博物館の人類学(だったかな)の4階にあるミイラとか干し首を見られるようになったら、なぜかミイラも見られるようになりました。いまだに藤原四代のミイラを見に行ってないので、そのうちに行きたいと思いつつ、なかなかきっかけがありません。
タイトルに「5000年前」とあるように、紀元前3000年ごろの男性のミイラなんですが、その発見過程から、なんでアルプスの氷河に流されずにほぼ完全な形で残っていいたのかとか、遺物についてとか、遺体の状態についてとか、現地で調査にあたった人の著作だけに詳細で、根拠がしっかりしてて、上質の謎解きを読むようなおもしろさがありました。
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