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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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魔女の血を引く娘

理論社刊。2冊。セリア=リーズ著。亀井よし子訳。

アメリカがまだイギリスの植民地だった時代。祖母を魔女裁判にかけられて殺されたメアリーは、謎の貴婦人に助けられ、清教徒たちの移民船に乗って新世界アメリカに渡る。けれど、そこでの生活は楽なものではなく、天涯孤独のメアリーはやがて魔女として告発されることになった。(1冊目)

現代のアメリカ。メアリーの残した日記、キルトに隠されたメアリーズ・ペーパーの研究をするアリソンは、メアリーについて本を書いた。先住民の血を引き、呪術師の叔母を持つアグネスは、アリソンの本を読んで、自分がメアリーのことを知っていると確信してコンタクトを取る。叔母の導きでアグネスは逃亡後のメアリーの体験を夢に見る。(2冊目)

1冊目は「メアリーズ・ペーパー」なんでしょう。終始「私」の語りと視線で物語は進むんで。おばあさんが魔女裁判にかけられ、殺されていく過程は迫力があります。現代人のわしらから見ると、ありねーよっ!な疑いが、まさにねじこまれ、無理無理押しつけられ、魔女として裁かれてる方よりも裁いている方が明らかにおかしかったり。
さらにアメリカに渡る移民船の中で、治療師マーサと知り合ったメアリーは、彼女の保護を得られるわけですが、結果的には保護者になりきれなくて、終始メアリーの味方であり、ひいてはメアリーズ・ペーパーを残してくれた功労者の一人でもあったわけですが、あんまり深入りしないというか。マーサもメアリーがビューラの町を逃げ出してしばらくしてから、同じ治療師の技を持つ、ジョウナと町を出ていってしまっているので、とかく居心地の悪いところだったんだろうなとか。
しかし、祖母の影響で森に行くことをためらわず、清教徒のふりをし、先住民とつき合うメアリーは、なんか当人の自覚のないところでずぶずぶと深みにはまっているのが読んでてもどかしかったり。まぁ、魔女狩りの結果とか知ってるからそう思うのかもしれませんが、どう見ても清教徒よりも先住民とつき合ってる方がメアリー向いてそうだし、いっそ町を離れて先住民と暮らしてしまえばいいのに、と思って読んでたので、1冊目のラストはなかなかはらはらしました。

で2冊目。ええと、これはどこまで信じていいのでしょう? 霊感ゼロのたきがはとしては、メアリーの体験を夢に見たというアグネスの話も、メアリーの周囲にオオカミやウサギとなって現れるおかあさんやおばあさんの霊というのはなんとも信じがたく。アグネスは特に霊感が強いと言われても、実際にはい、そうですか、と言ってしまっていいのだろうかと。うーん、アグネスの見たメアリーの夢が、あまりに理路整然とメアリーのその後を再現してるもんで、まぁ、整理した部分もあるんだろうけど、そんなにわしらと死者の霊というのは簡単に行き来できるもんかとか。いや、別にアグネスも簡単にできてるわけじゃないんですけど、なんかそこらへん、おばさんの助けがあって、そのおばさんが偉大な呪術師でとか言われても、容易に信じられんといいますか。見たこともないものを容易に信じるわけにはいかんでしょ? とか言いつつ、たきがはも物でも何でも話しかける方ですけど、なんちゅうかな、話しかけてもスムーズに通じると思ってるわけじゃないし、そりゃあ答えがあればいいとは思いますが、あるなんて期待もしとらんし、あるとも思ってないし。どっちかというと、人間の感じるようには植物とか物とか動物って感じてなかろうし。だからといって、それが無駄だとも思ってないし、自己満足なんですかねぇ?
どっちかというと、「死と彼女とぼく」という漫画がありますが、あれって死者が見える女の子とどんな生き物の声も聞ける男の子の話なんですが、あの漫画の死者と生者ってこんなに簡単に行き来してなかったんだよね。死者には心残りがあって、生者には生者の生活があって、その行き違いがドラマになってたかと思うんですけど、あっちの方が感覚的には近いような気がするんですよ。ちゅうか、いくら呪術師の媒介があるからってさ、死者と生者が話をさくさくできたら、なんかこの世の問題ってもっと楽に片づくようなところもあると思うし。あ、でも、その呪術師がいなくなってるんだとか言われそうですけど、沖縄にもなんかいましたよね、名称忘れたけど。恐山だったらイタコとかさ。死者がこの世を見守っているとかあるなら、なんかもっと敬虔にならなきゃいかんようにも思うけど、実際のところ、どうなんすか? いや、いるとか言われても、わし、わからんし。

閑話休題

だからね、1冊目はノンフィクションでリアルでおもしろかったのに、2冊目は急にリアルさが薄くなっちゃったんだよね、と言いたかったんですよ、ええ。いや、これが小説なら良かったんだけど。巻末に資料として、登場人物の残した日録とか手紙とか掲載してるんだけどさ、肝心のメアリーのその後がなんかとってつけたような気がしてしまいましてね。

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