パイロット版。ふと、ダーク=ベネディクト氏でないフェイスってどんなん?と思い立って見ることに。しかも吹き替えないし。実はEpisode 5を見たかったのだが、DVDが重たい衣装ケースに突っ込んでしまって取り出せず。とほほ
メキシコで行方を断った友人の新聞記者アルを助けるべく、エミーはAチームを雇う。ラジオの心理相談室で仕事の内容を知るAチーム。ちょうどその時、Aチームをリンチ大佐が追っており、一行は飛行機でメキシコへ飛ぶ。メキシコでアルのメモにあった人物に接触したAチームは、山賊が大麻を栽培していることを知り、その畑をアンモニアを撒いて駄目にし、村を襲った山賊を撃退すべく作戦を立てる。だが、山賊たちのバックにはメキシコのゲリラ軍がついており、ハンニバル、コング、エミーは囚われ、ゲリラたちの不正を暴こうとしていたアルも囚われていた。相手は何百人ものゲリラ兵士、この危機、Aチームはどう脱する?
ええ、このパイロット版だけ違うフェイス、二枚目なことは同じなんですが、なんちゅうんですか、ダーク=ベネディクト氏のように板についた軽薄さ(褒め言葉)、いかにもな詐欺師っぷり、すけこましっぷり、なんちゅうかね、ほんとに「はったりかましてブラジャーからミサイルまで揃えてみせるぜ」と言ってのけるフェイスに比べてしまいますと、どうにも物足りませんでした。たぶん、フェイス=ダークちゅう配役がインプリンティングされてますんで、これが逆だったらびっくりするかもしれませんが、なにしろ一作だけなんで、どうだったかわかりませんけど。上にあげました、フェイスの特徴というか、間違っても悪口ではございませんので誤解なきよう。もう、あの軽さと意外な時に見せる男らしさと詐欺師ですけこましで調達の名人(ちゅうわりにはよく調達した物についてコングに文句言われてますけど。今回だったら、ダンプじゃなくてバスだったとか)なフェイスがわしは好きなんです。これはもう、配役されたダーク=ベネディクト氏の演技の素晴らしさを堪能すべきだと。もう、このフェイスはパイロット版ちゅうことでしょうがないと。以後のテレビ版とかスペシャル版のフェイスがわしはむっちゃ好きなんす。なんちゅうかね、格好いいだけではフェイスじゃないんですよ。あと、このフェイス、でかい。コングよりもでかい。ちょっとバランス悪いかな。
で、パイロット版を見て初めて知ったんですが、毎度のオープニング、ハンニバルって全部、パイロット版からのシーンなんですのね。コングは登場時の酒場の入り口を蹴破ってくるとこだけ。なぜかモンキーはまったく使ってないっぽい。フェイスもないのは当たり前だが。
けっこう長めなんで、キャラクターの紹介も長い。モンキーがかつてはヘリから飛行機まで運転できる最高のパイロット(とリンチ大佐が言った)だったけど、いまは運転免許も切れてるとか。フェイスが施設育ちだとか、コングの子ども好きとか、ハンニバルの変装も浮浪者に謎のチャイニーズ洗濯屋ミスター・リー(ここで出てたんか!)と、お約束のアクアドラゴン(字幕は地底怪獣)とたっぷり堪能できます。
話は「七人の侍」にちょびっと似てますか。まぁ、この手のアクションものの原型みたいなもんですからな。しかし考えてみたら、Aチームのテレビ版は基本的なパターンは一緒なんですよね。最初に悪役と問題が提示され、依頼人がAチームを雇うというシーンは、まさに「七人の侍」の冒頭で、野武士が村を見下ろして秋になったら襲おう(米ができるから)と言って去るのを村人が聞いてしまってた、という黄金パターンなわけです。つくづく黒澤明は偉大な人だ。
で、最初は優勢だったけど逆転されて捕まっちゃうところとか、助けに来るモンキー(と今回はフェイスもだが)とか、いままで見てきたテレビ版にもさんざん出たシーンですからね。
ただ、今回はパイロット版のためか、改造シーンが凝ってません。どっちかというとコングのキャラクター(子ども好きの方)を描くためにあったシーンとなってます。メカの天才というふれこみなのに。どっちかというと今回のコングは、飛行機嫌い、しかも騙して乗せられるが気づいたらおっかないのでモンキーでさえ緊急着陸してしまうほど。子ども好きで子どもにも好かれている。自分は家もない貧しい暮らしだったが、プライドは持ってたし、バカにされるのは許せんと村人に説教しちゃうあたり、けっこうコングのキャラが立っておりました。
ハンニバルはコングに「スリルが好きなんだ」と言われてしまうくらいですので、これはリーダーというより、ハンニバルが好きなんだと見たね。まぁ、それぐらいの強者でなければ、リーダーは務まらんちゅうことやね。
モンキー、どこまで演技なのか相変わらず不明。モンキーだし。幻の犬を叱ってリンチ大佐を追い払ってしまったあたりなんか凄い。しかし「変人は俺」とエミーに宣言してるあたり、自覚はあるのだろう。それにしても曲芸飛行の一員だったとは知らなかった。道理で反転が多い。平気な顔して乗ってるフェイスはある意味、凄い人だ。ただ、ダーク=ベネディクト氏のフェイスだったら、なんか顔がひきつってそうな気がする。そもそも乗らないとか。
話はいいテンポで進むし、かなりおもしろいです。惜しむらくはやはり、吹き替えが、吹き替えが〜!! 羽佐間さんの声でハンニバル聞きたかった、コングの声は飯塚さんでないとどうも、安原さんのフェイスが最高なの、モンキーはやっぱり富山さんね!という不満は残ります。うーん、日本で未公開だったんすかね。まぁ、いきなりフェイス変わってるしな。オリジナルの声もいいんですけど、なんかAチームのキャラじゃないんだよね。もうこればかりはしょうがないです。やっぱりあのオープニングがあってAチームですもん。でもパイロット版にオープニングはねぇか。
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