上橋菜穂子著。偕成社。
「守り人」シリーズ外伝2。というより、すでに「守り人」シリーズと並行して、「旅人」シリーズと呼んでもいいようです。「守り人」が、バルサを主人公にどちらかというと私的な視点で描くのならば、「旅人」は異形の皇太子チャグムを主人公に公的、スケールの大きい視点で描きます。時期的に「神」の後ぐらいかと。
「虚空の旅人」でサンガル王国の危機を救ったチャグム。15歳になった彼は、以前からの父との確執が深まり、しかもついに北の大陸にもタルシュ帝国の侵略の手が伸びてきて、その手に落ちてしまう。遠からず新ヨゴ皇国もタルシュに征服されよう。それはカンバルやロタにも伸びるであろう。タルシュの思い通りにならないため、チャグムの選んだ道は、タルシュの征服者には想像もできなかった、困難なものであった。
「虚空」で後の展開が楽しみ、と書いたんですが、こっちにつながりました。でも、チャグムの選んだ道は、いずれバルサやタンダたちにつながり、タルシュの侵略に対抗することになるのだろうと思います。そうあってほしいです。
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