ビクトル=ユーゴー著。豊島与志雄訳。岩波文庫刊。
わし的に関心の深いネタなので図書館でタイトルだけ見て借りてきました。
死刑制度に反対するユーゴーが、最初は匿名で書いた「死刑囚の手記」という形を取った小説です。
人びとに死刑制度について考えさせるために書いたので特に死刑囚の名前とかどんな事件を起こしたのかは敢えて決めてないそうです。
主人公は3歳くらいのマリーという娘と妻と母親がいて、心配する様子が書かれてますが、あんまり罪を悔いたり、殺してしまったという男の家族に思いを馳せる様子は書いてませんでした。あと、しょうがないんですが、どうして死刑に至るような罪を犯してしまったのかも書いてませんでした。
わしとしては死刑に反対する最大の理由は「
休暇」で見たような、死刑なんて制度があるためにやりたくもない死刑を行わせられている刑務官の人たちがいるのはおかしいという点なので、この死刑囚さんにはあんまり感情移入もせず、同情もしませんでした。あと、わしは「死によってしか償えない罪」なんてものは信じてないので、生きていてこそ償えるのだと思うので、それもあって死刑に反対するので、まぁ、あんまり心に響かない話でした。
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