新潮社刊。
松本清張氏の作を読破しよう!と思い立って、まず移動図書館で「
けものみち」と
短編集を借りました。で、次に借りたのが「
砂の器」とこれ。
くそ重てぇ。何を好きこのんで、厚さ5cm以上もある本を持ち歩いているのだ、俺よ?
だって〜、「点と線(たきがはが「オウガ Stage 6」に借用したタイトルでありますが、イメージ的には日中戦争時の日本軍です)」読みたかったんだも〜ん。でも、軽そうな文庫とか新書は全部借り出されていたんだも〜ん。
図らずも、デビュー作「西郷札」から初期の短編も読むことができましたが、いちばんおもしろかったのは「点と線」で、特に推理物じゃない小説はどーでも良かったです、ぶっちゃけ。特にですね、「或る『小倉日記』伝」「菊枕」「断碑」の3作はほとんどネタが一緒で、飽きました(才能はあるのに、貧乏だったり、身体が不自由だったりする主人公が、才能を発揮しようとして、周囲の迷惑顧みずに頑張っちゃうような話、と言うと身も蓋もない)。あと、最後に掲載された長編「眼の壁」も冗長な展開で飽き飽きしました(素人が探偵ごっこをやるのだが、随所に素人の限界が見え、実際に示唆され、視点もあっちこっちに飛んで、落ち着かない)。
「点と線」やはり、これがいちばんおもしろかったです。4分間の東京駅のトリックと、犯人のアリバイ崩しにこつこつと推理して、事実を積み重ねていく刑事、というのが松本清張氏の黄金パターンと見た。こういうのを読んでしまうと、「眼の壁」の素人探偵は行き当たりばったりというか、おもしろくない。今の時代のわしだと、どうして飛行機という発想がなかなか出てこないのか不思議でしたが、この小説が発表された当時は贅沢なものでしたな。
「くるま宿」くるま引きの辰さんが見せる意外な顔、という展開が、ちょっと山本周五郎さんの人情物っぽいような…(そうか?) くるま引きのおじさんが実は凄腕の侍だった、という展開は、一歩間違うとすごくチープな気がする。
「いびき」いびきのすご〜い男が島流しにあって…という話。ユーモアの方が強いか。
「凶器」好色なおっさんが殺されて、常々言い寄られていた未亡人に疑いがかかるが、凶器はどこに? あっと驚く凶器の始末、この勝負、犯人の勝ち〜
次はもっと軽い本を借りよう。そうしよう。
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