今井宏昌著。法律文化社刊。
サブタイトルは「第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験1918〜1923」ですが、何でこの本を読もうと思ったのかが不明です。ナチに引っかからなくもないんですが、どっちかというとワイマール(本書ではヴァイマル)共和国だし…
知らないことを知るという醍醐味は味わわせてもらいまして、おもしろいにはおもしろかったんですが最後まで動機がまったく思い出せませんでした。
第一次世界大戦で敗北したドイツで芽生えた義勇軍の経験者3名を題材に、異なる道を歩んだ個人史を追った本です。
ただ、右翼に突き進み、フランス軍に処刑されたことで後にナチスに模範的な第三帝国の兵士に祭り上げられたシュラーゲターが、そもそもどうして右翼に進んだのか、単に元々保守的な思考の持ち主だったのか、従軍前は聖職者を目指していたので、そっちに流れやすいのか、他の二人もそういう掘り下げが足りなかったような気がしました。
まぁ、あくまでも主題が義勇軍を同じように経験しながら、右翼、社会主義者、共産主義者と共闘とまったく正反対の思考をたどってる三人の流れなんで、もともとの思考とかイデオロギーは考慮してないのかもしれません。
個人的には社会主義者といったり、コミュニストといったり、アクティビストだの、横文字使うのが多くて読みづらかったです。
あと残した書簡の量によるんでしょうが、右翼青年シュラーゲターが圧倒的に多くて、社会主義者レーバーはその半分、コミュニストと共闘したレーマーは1/3とボリュームに大差があるのは何でだったんですかね?
また完全にドイツで終わった本書でしたが、義勇軍と似たような組織といったら、日本ではさしずめ自警団になるんじゃないかと思いましたが、別に侵略されたわけでも占領されたわけでもないのに
以下引用。
彼らの言語道断な不法行為を、いわゆる「愛国心」として免罪し、完全に隠蔽しはしなかっただろうか? エーアハルトやロスバッハ(いずれも義勇軍の指導者)といった犯罪者は、このような精神にもうろうと包まれながら、自らを半神のようだと錯覚しなかっただろうか? 要するに
彼らは、その殺害行為を画策したとき、自らを祖国の救世主とみなしていたに違いないのである。
引用終わり。
ここ、レーバーの義勇軍戦士の「殺人心理」の分析なんですが、まんま、関東大震災後の自警団の心理になぞらえられて、ピンと来たのはここら辺だけでした。
次からはジャンルぐらいメモしとこうよ俺…
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