ソン=ガンホ主演。キム=サンギョン出演。ポン=ジュノ監督。
軍政下時代の韓国で実際に起きた、迷宮入りした連続女性強姦殺人事件が下敷きになったフィクション。
韓国の田舎町で強姦され、自分の衣服で縛られた女性が殺されて発見された。さらにもう1人、犠牲者が出、ソウルからゾ刑事がやってくる。2人目の犠牲者を追いかけていたという、顔に傷のある知能遅れの青年クァンホが疑われるが、ゾ刑事は、2つの事件のつながりと、犯人の計算高いさまを示し、パク刑事の推理を否定する。事件は必ず雨の降った晩に起こっていた。さらに3人目が殺害され、婦警が、事件の夜に決まった曲がリクエストされていることを指摘し、囮捜査を敢行するが、またしても殺人事件が起きてしまう。ソ刑事は、捜査によって犯人につながる手がかりを見つけ、パク刑事と対立するが、特定するには至らず、捜査本部は徐々に追い詰められていく。しかしとうとう有力な容疑者が見つかり、その判定はDNA鑑定に委ねられることになったが…。
ミステリっちゅーかサスペンスっちゅーか。パク刑事(ソン=ガンホ)は田舎者丸出しで、ソ刑事と対立したり、「あそこの毛がない奴が犯人だ」とか言い出したりしちゃうけど、最後の最後で冷静だった。ソ刑事はソウルからということで、日本だとさしずめ警視庁からのエリートってやつですか。「書類は嘘をつかない」とか言って、最初のうちは良かったんだけど、最初が自信満々だったもんで、だんだん追い詰められていって、最後はパク刑事に止められちゃうあたり、その崩れっぷりがおもしろく、途中で課長が交代させられるんだけど、2人目の課長はけっこう好感持てたりしました。
実際の事件が迷宮入りですから、この映画も同様の結末をたどるんですが、ラスト、おお、と、どこまでも1人の犯人に振りまわされてしまった刑事たち、というのが、単純明快でないところがいいです。
軍政下の韓国なんで、夜になると空襲警報が訓練で流されたり、灯火管制がされたり、当時の様子が忍べるのも、この怪奇な事件を盛り上げるのに一役買ってるかもしれない。
犯人倒してめでたし、でもないし、コロンボタイプの話でもありませんが、ちょっと変わったサスペンスとかお好きな方にはお薦めでやんす。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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