監督・脚本:黒澤明
音楽:池辺晋一郎
出演:武田信玄/影武者(仲代達也)、武田信廉(山崎努)、諏訪勝頼(萩原健一)、山縣昌景(大滝秀治)、土屋宗八郎(根津甚八)、織田信長(隆大介)、徳川家康(油井昌由樹)、竹丸(油井孝太)、医師(藤原釜足)、田口刑部(志村喬)、ほか
1980年、日本
「
赤ひげ」以降の代表作ですが、実はまともに見るのはこれが初めてだったり。黒澤組でおなじみの志村喬さん、藤原釜足さんは出演されてますが、どうも「影武者」以降ってあんまり興味がなくて「夢」と「八月の狂詩曲」を一回ずつ見たっきりで、遺作「まあだだよ」も見たことないんだ、実は…
武田信玄に瓜二つの容貌を持つため、影武者に用意された小悪党。信玄の急死により大抜擢され、世継ぎの竹丸や側室たち、近隣の織田信長や徳川家康らを騙して切り抜けていく。信玄の遺言は嫡子・竹丸と甲斐の国を守り、打って出るなというものだったが、側室の子のため、実子でありながら嫡子とされなかった勝頼が信玄の扱いに不満を抱いていたことなどもあり、3年ほどで影武者であることがばれてしまうのだった…。
わりと退屈な映画でした。信玄が死ぬまでと、死んでから影武者が信玄になりすまして、竹丸や側室を騙す辺りまではおもしろかったんですが、不満たらたらの勝頼が勝手に出陣した戦の辺りはもう駄目で、久しぶりに映画を見ながら沈没となりました。無駄に長くて、辛かったです。まぁ、何とかその戦も終わって、でも、そのうちに影武者だってばれちゃって、今度は勝頼を総大将に担いで長篠に行くんですが、長篠の戦いがこれまたむちゃんこ退屈。しかも予算の関係か肝心要の戦闘シーンをまったく描かないもんで、出陣していく武田軍、迎え撃つ織田の鉄砲隊まではともかく、後はそれをはらはらして見守る影武者や、次に出陣する武田軍と音でしか描かれないので、退屈で退屈で映画館に見に行っていたら、間違いなく金返せなレベルではなかったかと思います。
やっぱりなんだ、黒澤監督は三船敏郎と組んで映画を作り続けていれば良かったのになぁと思うのです。どうにも仲代では小物感がしすぎて、三船の後だからしょうがないんですが…
この前に撮った「デルス・ウザーラ」は黒澤監督らしくない映画でしたが、わりとおもしろかったんで、題材が悪いのか… 初のカラー「どですかでん」は小品だったけど好きだし…
長篠の戦いで血を表現するのに朱色を使っているのもちゃちくて駄目。白黒出身の監督だけど、絵画の素養はあるんで、何であんなちゃちな色使いをしたんだか不明です。
いろいろと残念な映画でした。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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