監督:リンゼイ=アンダーソン
出演:セーラ=ウェーバー(リリアン=ギッシュ)、リビー=ストロング(ベティ=ディヴィス)、ミスター・マラノフ(ヴィンセント=プライス)、ティシャ(アン=サザーン)、ジョシュア(ハリー=ケリー・ジュニア)、ほか
見たところ:川崎アートセンター アルテリオ・シネマ
1987年、アメリカ
アメリカ・メイン州のとある島に住む老姉妹リビーとセーラ。2人とも連れ合いに先立たれ、身を寄せ合うようにして姉妹の叔母が建てたという岬の家に住んでいたが、白内障で失明したリビーは年々気難しくなり、さすがのセーラにも姉とともに暮らすことを困難だと思わせていたが…。
93歳のリリアン=ギッシュさんが妹役、79歳のベティ=ディヴィスさんが姉役という一見あり得なさそうな配役ですが、観るとそれほど違和感がないです。お二人とも大ベテランですんで、セーラは可愛いところもある妹だし、リビーは皮肉屋なところはありますが、それも白内障のために失明したんで、何でも妹の手を借りなければできない自分に苛立つ、本当はしっかり者の姉だし、そもそもわしはリリアン=ギッシュさんもベティ=ディヴィスさんもほかの映画では存じ上げないので、最後までリリアン=ギッシュさんが姉だと思っていたら、実は妹だと知って、パンフレット読んでのけぞったのでした。
タイトルの「八月の鯨」は、老姉妹と姉妹同然のつき合いをしてきたティシャの50年以上前の映像が初っぱなに白黒で流れまして、その時分は8月になると鯨が湾内に現れ、3人の娘たちははしゃぎながらそれを眺めるということをやっていたのですが、現在になりますと鯨は現れなくなっており、それでもラスト、また二人で生き直していこうと手を握り合う姉妹が岬に鯨が来るのを待つという、そこでじんわり…。
老いた二人にとって、次に来る別れはお互いの死かもしれません。でも、一緒に生きていこうとするラストが良かったです。
で、ベティ=ディヴィスさんの若かりし頃がお美しかったので、「イヴの総て」もレンタルして観ようと思います。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
[0回]
PR