転載歓迎________________
●防衛省による陸上自衛隊の増員と「先島諸島への部隊配備」に強く反対する市民の共同声明
弥永健一 埼玉県 数学者
平良 修 沖縄・沖縄市 辺野古座り込みテント
立川自衛隊監視テント村
鈴木雅子 沖縄県名護市 北限のジュゴンを見守る会代表
加賀谷いそみ 秋田県男鹿市 男鹿の自然に学ぶ会
近藤ゆり子 平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声
藤井純子 広島県広島市
筒井 修 福岡地区合同労働組合・代表執行委員
花村健一 東京都江東区 樹花舎代表
高橋武智 神奈川県横浜市 翻訳者
細井明美 神奈川県横浜市 ピース・アクティビスト
大河原礼三 神奈川県横浜市
小牧みどり 神奈川県相模原市
大滝由佳子 神奈川県茅ヶ崎市
井上澄夫 埼玉県新座市
志茂美栄子 埼玉県新座市
木村 朗 鹿児島大学教員
安西賢誠 愛媛県松山市 真宗大谷派僧侶
奥田恭子 愛媛県松山市
廣崎リュウ 山口県下関市
浦部頼子 山口県山口市
岡田良子・岡田純・岡田快 東京都杉並区
西田和子 東京都港区 市民の意見30の会・東京
〔順不同〕2010年9月25日
沖縄の地元2紙などが、防衛省が、陸上自衛隊の定員を現在の15万5千人から1万3千人増やし、宮古島以西への部隊配備を視野に入れ、南西諸島を含めて2万人に増やすことを検討していると伝えています。複数の防衛省、自衛隊関係者が9月19日、明らかにしたといいます。
これについて北沢防衛相は9月21日の記者会見で「島嶼防衛のことは、来年度予算に調査費を計上し、要求しております。従来から私が先島諸島へ何らかの形で部隊配備をしたいということを申し上げておりますので、それに対する調査をスタートさせていきたいと思っております。」とのべています。
まず私たちは、沖縄の宮古・八重山諸島への自衛隊派兵に強く反対することを表明します。冷戦終結に伴い「主敵」(ソ連)を失った自衛隊は、自らの存在理由の喪失を恐れ、米国政府の「対テロ戦争」にならって、新たな敵を「国際テロ組織などの非国家主体」とするとともに、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威や中国の軍備拡張をことさらに強調して軍事力を北方から西方にシフトさせてきました。北沢防衛相が「先島諸島への部隊配備」に力を入れていることは、与那国島の自衛隊誘致派への対応を見るだけで明らかですが、沖縄(本)島のみならず宮古島以西への自衛隊配備は沖縄全体を「自衛隊の基地の島」「自衛隊の要塞」にすることに他ならず、「基地のない平和な島」を希求する沖縄県民の思いを正面から踏みにじるものです。与那国への派兵は台湾の隣の島に軍事力を貼りつけることで、中国との軍事的緊張を高めることは必至です。
また、今回の陸上自衛隊1万3千人増員のたくらみは、1972年度以来、38年ぶりの規模拡大であり、その強引な手法が最近の日中間の摩擦に便乗する動きであることも明らかです。防衛省・自衛隊によるこのようなドサクサ紛れの軍備拡張に、私たちは断じて反対です。日中間の軋轢も、北朝鮮との政治的・軍事的緊張も、あくまで外交によって解決されるべきであり、陸上自衛隊の増員という軍備拡張策で中国や北朝鮮との対決を強めるのは、まるで戦前の軍部と同じ無謀で乱暴な発想です。
私たちは、「島嶼防衛」について、サイパンの「玉砕」や沖縄戦など筆舌に尽くしがたい歴史経験を共有しています。憲法9条の実現と東アジアの恒久的平和確立を求める立場に立ち、防衛省による陸上自衛隊増員と宮古島以西への派兵にどこまでも反対します。「基地のない平和な島」を実現するため、菅政権は米軍を米国本土に帰還させ、自衛隊を沖縄から撤退させるべきです。
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