たきがははたらこが大好きだ。もちろんその派生系の明太子も大好物だ。しかし、魚卵はコレステロールが上がるので、食べ放題というわけにはいかない上に、美味しいたらこは高いので、なかなか食べられないのが悩みの種だ。
どれぐらい好きかというと、たとえばたらこスパゲティを食べた時に、皿にたらこの粒が残っているのが絶対に許せないくらいのたらこ好きだ。ちなみにたらこを醤油で甘辛く似るのは、たらこ本来の味わいをまったく打ち消してしまうので却下だ。たらこはちょっと焼いて、焼いた部分と生の部分が半々くらいに残っているのがいちばん美味しいと思う。
さて、その大好きなたらこの産地、というか、海産物といったら、すぐに北海道が思い浮かぶ。ああ、北海道でっかいどう。年に1度は行きたい北海道は魅惑のワンダーランド。その憧れの北海道の物産展をやってるというので、たきがははもちろん、たらこを買うつもりでいそいそと出かけていった。
はたして、物産展の会場にはざっと見廻ったところ、たらこを売ってる店は2軒。どちらも値段は100gで1029円なり〜。た、たけぇ。しかし、その時のたきがはは何が何でもたらこが欲しかった。しばらく食べていないせいもあるが、たきがはにはある日、唐突に何かの味が口の中で蘇り、「く、食いてぇ〜!」と衝動が湧き上がるのだ。ちなみにその時に蘇る味というのはほんとに唐突なので、今、食べているものとは全然関係がない。突然、カレーが食べたいとか。どうしてもカツ丼が食べたいとか。今日は絶対にサッポロ一番味噌ラーメンを食べるんだ!とか。
そう、だから、たとえお高いたらこであろうと、北海道だし、何が何でも買って帰らなければ気が済まないのだ。そしてわんだほーなたらこを食べるんだ。ああ、わしってなんて幸せ。
その時、よほど物欲しそうにたらこを見ていたのであろう、たぶん。店のおじさんが試食用のスプーンにたらこを載せて差し出してくれた。もちろん、これを断る手はない。たきがははいい歳こいていやしいので、試食は基本的に断らない性格である。もちろん美味しければ、金銭的に問題がなければ買う。いや、試食できないでお土産買うのって勇気要りますでしょ? だって食べたこともないのに、美味しいか不味いかわからんですもん。しかし、最近は試食のできないお土産が多くて困るんすよ。
うめぇぇ!!さすがだ、北海道! やっぱり間違ってなかったぜ、北海道! しかし、すぐに商品に手を伸ばさなかったたきがはに、おっちゃんは次は明太子、次はいくら、またたらこ、さらに明太子、と次々に試食スプーンを差し出してくれるではないか!
わんだほーだぜ、おっちゃん! 太っ腹だぜ、北海道!
もう1軒の店では試食なんてさせてくれそうもなかった。間違ってない、おいら、ここで買うぜ!
かくして、たきがははわんだほーなたらこと明太子を1パックずつ手に入れて帰った。至福の思いでたらこスパゲティを食べたのは言うまでもない。
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