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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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男たちの大和 YAMATO

監督:佐藤純彌
出演:森脇(反町隆史)、内田(中村獅童)、神尾(松山ケンイチ)、内田の養女(鈴木京香)、現代の神尾(仲代達也)、ほか
原作:辺見じゅん

2005年の邦画では最大のヒット作だそうです。そのころは映画を映画館まで見に行くことをまったくしなくなっていたので関心ありませんでしたが、地上波でかかったのでどんなものかと思って見てみました。

戦闘シーンは迫力あったけど、映画としては退屈でした。
過去と現代(2005年)が交互に描かれるんですが、現代のシーンがいまいち。鈴木京香って何を演じてもひょうひょうとした感じがして、「生き恥をさらしても」と生き延びた父親の重さが感じられない。別に悲壮さをたたえろとは申しませんが、「父の気持ちがわかったような気になりました」とか言っておいて、次の瞬間には「あ、そう」と流されそうな。キャストとしていまいちだな〜
で、仲代達也、この人、うまいと思うんですけど、なんか、神尾役としてはいまいちでした。大和の乗組員として生き残り、徐々に語られてゆく過去、最後では亡くなった戦友の母親に「ごめんなさい」と謝るキャラが、原爆で幼なじみの娘も失い、家族も失い、大和の沈没地点に近い、鹿児島県枕崎で漁師をやっていたけど、大和の慰霊式には出席したことがない、というのがなんかつながらなかった。現代の仲代達也になって、なんか違和感ありありというか。最後の方で心臓病で倒れるシーンとかいただけない。うーん、こんなに大根だったっけ、この人?
さらに、ジブリとか北野武映画ではおなじみの久石謙音楽、だめだ、こりゃ。わし、この人の音楽ってどーもなじめない。「Dolls」しかり、「千と千尋の神隠し」しかり。
過去のシーンはまずまず良かったんじゃないかと思います。ただ、そうでなくても顔が覚えられないうちから同じ制服だし、そのうちに帽子かぶっちゃうし、神尾と西以外は見分けがつかず、内田、森脇と仲のいいのも誰だかわからんうちに終わりました。神尾と内田と森脇がメインなんだと思うんですが、だったら、この3人に話をしぼって、描いてほしかったな、と。

ところで、わし、大和って初戦で沈んだと思ってたんですが、ミッドウェー海戦とか出撃してたんすね。だから何だってわけじゃありませんが。

ただ、話の中で特攻同然に沖縄に出撃することになった大和の乗組員が、非情な作戦にいろいろと葛藤するのさ。そこらへんはわかるんだけど、なんちゅうかな、大和の存在自体が、この時点ではすでに時代遅れになってるじゃないですか。世界の戦争は巨大軍艦同士の戦いから、飛行機による電撃戦に替わってて大和って時代遅れの船だったんだよね。だから、すでに存在自体が無駄っちゅうか。それなのに沖縄に護衛の飛行機もなしに突っ込むという無駄の上に無駄の上塗りっちゅうか。
もともと資源の乏しい日本は、大和を作るためにどれだけの犠牲を払ったのかとか。

Wikipediaなんか読むと、「反戦映画」だそーですが、なんちゅうかな、大和というだけで、すでに「悲劇の軍艦」とか、「世界最大の軍艦」とか、「悲劇的な最後」とかあるでしょ。それでその最後の戦闘を描いて、なんかその時点で、もう「反戦」から離れてるような気がする。こういう危ういシンボルを使わずに戦争を描くことはできないのかと思うのだ。

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