マリキットの父はその家族を倭寇に殺されており、日本人を激しく憎んでいた。しかし、助左たちを庇うマリキットにうたれてか、助左たちはむち打ちで追放されるだけで済む。マリキットと侍女のノーラに助けられながら、暮らし始めた助左と善住坊、そこで市が開かれていることを知り、何とか交易しようと試行錯誤する。そんな時、五右衛門とハギビスがやってきた。ハギビスからこの島が呂宋島であることを知った助左だが、堺に帰りたいという強い思いは打ち消せなかった。
助左たちだけでなく、堺の様子も描かれてます。信長が四面楚歌の状態になって、敵と和解していったり、前回、美緒が助けを求めた小西弥九郎行長が、美緒に結婚を申し込んだり、いろいろと動きがあります。
で、助左は堺に戻りたいけど戻れない、難破してからどれだけ経ったのかわからないと動揺を見せます。これは、逆にノーラといい感じになってる善住坊とは対照的でして、いつも前向きで、呂宋島に来てからも諦めるということを知らなかった助左が初めて見せる弱みでもあります。きっと、助左はそれだけ善住坊に気を許していたんだろうなぁとほのぼのしちゃうシーンです。そうは言っても、翌日からはマリキットの父ちゃんに睨まれても、マリキットとノーラに言葉を習いつつ、笑いつつ、商売する助左になるんですが、常に前向きで庶民の逞しさとしたたかさを見せて、この「黄金の日日」を引っ張っていった助左が見せた弱さというのはここだけなんじゃないかな〜と思うのが新鮮で良いのです。
逆に、助左に対して、あんまり自分を持たない、流されキャラの善住坊は、たぶん、このまま呂宋島にいても、幸せな一生を送れたんじゃないかと思いました。2人を待つ結末を思うと、皮肉な話ではありますが。
そして、やっと合流した五右衛門、助左たちと一緒に暮らすでなし、ニワトリを盗んだり、相変わらず逞しいです。ふてぶてしいと言った方が正しいです。でも、まだ宗久の命令を引きずっていたのか、善住坊を狙撃し、囚われることに。
マリキットちゃん、父親の咎めもなんのその、逞しく、助左たちを助けます。言葉は通じませんが、心は通じるのが彼女のすごいところ、助左たちには誰よりも頼もしい援軍って感じですか。ノーラさんは上では侍女と書きましたが、実は不明です。たぶん、マリキットが長の娘なんで、侍女とか乳母とかだと思うんですが、あんまり長に媚びてないのがいい感じ。善住坊にもウィンクしちゃったり、洗濯してあげたり、いい世話女房になってくれそうな。
前回、伏線か?と書いたハギビスは、そんなことはありませんでしたが、人質を逃がした罪を問われて、五右衛門に助けられ、呂宋島へ。余計、わざと逃がした印象があり、疑問な行動ですが、その後、助左の看病の甲斐あって、復帰します。で、日本語がしゃべれることが判明、そのままいてくれたら、ありがたい通訳になったろうに、彼にはもっと大きな目標がありました。助左たちも巻き込まれた部族対立をなくすことです。そのためにマニラでは異国に負けたと言ってるハギビス、なかなかスケールの大きな人物です。そして、その目標のために助左たちの元を去ります。この後、助左が商人になった時に、ハギビスが統一の長になって…なんて展開があったら助左も嬉しいだろうなぁと思いますが、そこらへんの展開は覚えてません。ただ、そういう大きなことを考えてる人なので、助左たちのことはともかく、マリキットを人質にとる、という策には反対だったのかもしれず、それで逃がしてくれたのかもしれません。
助左たちに家を造ることも許してくれないマリキットのお父さんに比べると、ハギビスの大人物なところは、是非、今後、再登場を望みたいものであります。
ま、お父さんの気持ちもわからんでもありませんが、殺したの助左たちじゃないんだしなぁとか思ってしまいますけど、これは現代の戦争責任とかも絡んで、難しい問題でしょうね。
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