島崎譲著。漫画図書館Z刊。全24巻。
「青竜の神話(サーガ)」「覇王伝説・驍(たける)」と時代劇バトル・ファンタジー物を「週刊少年マガジン」に連載していた島崎譲先生のメジャー第2作目。外連味があって華やかな画風がけっこう好きで、特にメジャーデビュー作の「青竜の神話」が好きだったんですが、この話は連載途中で読むのをやめてしまい、久しぶりに通して読みました。まぁ、タイトルから想像できるとおり演劇物なんですけど、わりと荒唐無稽な展開が多く(役者である主人公が格闘家を圧倒するとか…)途中で飽きたのでした。なので、ラストだと思ってた「ウェストサイド物語」は全然中盤で、13巻当たりから「読んだことねぇ…」な新たな展開がびしばしで、けっこう勢いに任せて読んでしまいました。
まぁ、演劇物ゆうたら「ガラスの仮面」の荒唐無稽さは常識ですし、「多数欠」連載中の宮川大河先生の「セカイ・エンジン」も、その荒唐無稽さは遥かに上回るレベルなんで、わしも耐性ついたっていうか…
「青竜の神話」に比べると主役クラスにあんまり魅力的なキャラがいなくて、好きになってもたいがいは主人公の引き立て役というのが最大のはまれなかったポイントかもしれません。「青竜の神話」だと、主人公の草壁豹馬とか、ヒロインの蝶子とか、わりと好きなキャラが多かったんで。「驍」だったら巽凱とか流輝とか…
あと、この話、長いんですよね。全24巻。1本のストーリーがあるわけじゃなくて、わりと中編(ものによっては単行本何巻にもなるんですが)が何本も続くのですが、そういう話ってあんまり前後の話に関連がないことがあるじゃないですか。それもあんまりおもしろくなかったっていうか… ただ、著者の作品ではこれが最長連載なので人気はあったんでしょうたぶん。
「ガラスの仮面」がわりと登場人物、ほぼ全編オリジナルなのに比べると、実在の人物の名前をもじりつつ(ヒロインからして中森明菜)、何となく連想させるビジュアルを持ってくるというのは新鮮でしたが、これ、実在の人物のファンに比べたらどうなんでしょうかね? まぁ、「ドカベン」みたいに選手を実名で出しつつというのもどうかと思うんですが(「ドカベン」に手を出さないのはそれだけが理由ではありませんが)。
わりと格好良く描かれてたキャラに比べたら、悪役、もろに引き立て役なキャラなんかはファンはいらっとしたのかなぁ…と余計な心配もしないでもありません。
連載当時は、そう言えば、まだ黒澤明監督は健在だったし、コッポラといったらフォード(おとっつぁんの方。「地獄の黙示録」とか「プラトーン」作った人)だった、というそっち系のネタが好きな人にはたまらないかもしれませんが、掲載が「少年マガジン」じゃったからね… そうそう、勝新太郎も健在でしたし、名前をあげるだけでも東山紀之、菅原文太、若山富三郎、工藤静香、原田知世、ウィンク、光ゲンジ、高倉健、渡哲也、深作欣二、トム=クルーズ、ジャック=ニコルソン、ジャッキー=チェン、ブランドン=リー、原田俊彦、クリント=イーストウッド、ポール=ニューマン、ダイアン=レイン、チャールズ=シーン、ジョン=ローン、後藤久美子、中山美穂、スティーブン=スピルバーグなどなど、いろんな役者(をモデルにしたキャラ)がわんさと登場します。
そこら辺の時代性を楽しむのいいかもしれません。
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