宮本常一、山本周五郎、揖西光速、山代巴監修。平凡社ライブラリー刊。全5巻。
2巻が別館にあったので3巻と4巻を借りてきましたが、1巻ほどおもしろくなかったです。
サブタイトルは「鎖国の悲劇」で、主に江戸時代に鎖国したことにより、いろいろと迫害を受けることになってしまった人びとについてでしたが、1巻に比べて文章が情緒的になりすぎたのがおもしろくなかった原因です。同情的すぎるというか…
主な内容は宗教的、漂流・流刑、藩による特徴的なもの、部落や士農工商の身分制からはみ出してしまった人びとでしたが、このうち、宗教の話が200ページとこの巻の1/3を占めておりまして、とかく宗教=阿片なわしには関心がないとは言いませんが、命の危険を犯してまで守りたい信仰というのが理解不能でした。あと、江戸時代の場合、とかく禁教というと切支丹を連想しますが仏教にもあったんですね、というのは目から鱗でしたが、藩によって禁教とされているのが異なっているのが根が深いんだなぁと思いました。
あと、わしは根っこは東北ですんで、間違っても薩摩なんかは縁がないんですが、まぁ、鹿児島(ほとんど薩摩)じゃなくて良かったな!とこれほど思ったことはありませんでした。士族も嫌だし、農民も町民も駄目で、江戸時代に生きてたらもう大変だったよね、絶対… と思うくらい、薩摩藩とかの実態は嫌でした。
漂流とか流刑、身分制はまだおもしろかったです。
あと、この巻ではなかったかもしれませんが、とかく右へ倣えでどんぐりの背比べ、出る杭は打たれるな日本において、優秀な農民の子どもを殺しちゃったという話を読むと、「カムイ外伝(だったか「カムイ伝」だったか忘れてますが)」の正吉(主役の一人の下人の子)が活躍する中盤の展開は、きっと史実ではなかなか難しかったろうなぁなんて思いました。
一応、全部読むつもり。
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