早川タダノリ著。合同出版刊。
サブタイトルが「広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか」です。
前から興味はあったのですが、「日本残酷物語」が全巻、同じ図書館になかったので予約で待ってる間のつなぎとして読みました。
予想以上にトンデモで、大日本帝国が戦争を推進すべく、いかに国民を洗脳したか以上に、そんな国を忖度してメディアがいかに戦争に邁進したかを靖国、日本、八紘一宇、決戦と生活、精神、言霊と6つの分野に分けて、いろいろなジャンルの雑誌や書籍から引用されてます。
「主婦之友」なんていう、戦争とは最も縁遠いところにいそうな雑誌がさにあらず、そういや、大日本婦人会あったよね〜な勢いで銃後の生活も最前線にすべく、いかに戦争に協力したかが綴られておりまして、しかし、そこはしょせん島国、資源も人材もアメリカに比べれば乏しい日本の悲しさで敗戦が色濃くなるにつれて精神論に傾いていくのはどうしようもないところ。要するに大和魂ですネ。でも精神論で戦争に勝てれば苦労はないのに、どんなに敗戦が色濃くなっていっても、原爆が落とされても、首都が大空襲に遭っても、まだ「一億総玉砕」とか言ってた日本を、いかにメディアが支えていたか、しかし、その実態がいかに薄ら寒いものであったかは戦中派の人びとが亡くなるにつれて、やがて都合良く忘れ去られていくのでしょう。
そう思うと、今のニッポン、こちらのディストピアに絶賛邁進中でありまして、いつでもこんなトンデモ広告や記事が復活してもおかしくないのです。
そんなことを考えて読んでいたので、抱腹絶倒の突っ込みも、笑うより先に寒気が来て、阿呆くさ〜と言ってられないのが困ったものでありました。
こういう本を読んでも、それでもニッポン良い国強い国、世界に1つの神の国とか言えるのか、そこらで汚ぇ軍歌を垂れ流している馬鹿に問い詰めたいですネ。
あと、せっかく朝鮮半島が雪解けとなりそうな時期に、諸悪の根源であるヒロヒトの「戦争責任とか言われるのが辛い」というまるで被害者のような談話を出しやがる理由がどこにあるのか、ほんと小一時間問い詰めたい。黙ってやがれ糞馬鹿ニッポン。
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